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S w e e t 

主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。



随分遠回りをしたね


ずっと待ち望んでいた



どうかまた一緒に帰り道を歩けますように


私はあなたの手をとって
あなたも私の手をとって


二人笑い合って


並んで歩かせて



二人帰った家にはきっとあの甘い甘いケーキが待っている



今度こそ一緒に食べよう



約束しよう







Strawberry Cake 14







全ての記憶が蘇った今。

胸は熱い物でいっぱいだった。


何も声には出ないけれど、そこに恐怖なんてものはなくて。


ただ、ただ、温かいものを感じさせる。



この気持ちを一体どう表現すればいいのか。



苦しいけれど、嫌ではなくて。




目の前で自分を庇う背中が愛しすぎて、視界が滲んでいくのを必死にこらえていた。





「・・・ちっ・・・邪魔が入った・・・・。」




新一が立ち上がると柏村は面白くなさそうに呟く。




「男を襲う予定はなかったんだけどな・・・・まぁ見られてしまったならしょうがない・・・二人まとめて眠らせてあげるから安心していいよ。」




そう言うとクククと笑いだした。

その姿はただの犯罪者でしかなかった。

あの優しい先生はどこにいってしまったのか。



全身に寒気が走るのを感じて蘭は自分を庇う背中を掴む手にぐっと力を入れた。




「・・・バーロ、こっちはもう全部わかってんだよ。」



「・・・・・?」



新一は俯き気にフッと笑うと口を開き始めた。



「被害者は5人・・・その共通点は全員が一人暮らしの女性であること。」



新一がゆっくりと語りだすと柏村はわずかに表情を顰めた。



「ただ女性を狙った愉快犯のように感じるが、今までの怪我を負わせただけの犯行はただのカモフラージュ、犯人の本当の狙いはたった一人の人物。そう・・・・それは5人目の被害者だ。」



「・・・・・。」



「ただ続いただけで、運悪く命まで奪う事になった不幸な事件・・・で誤魔化そうとしているがこれは計画的殺人事件。」



淡々と語る新一の口調は本物の探偵のようだった。

幼き頃、将来の夢を語る新一の姿が今の姿と重なって見えた。



あぁ、やっぱり彼だ。


彼がここにいるのだ。




「・・・どこにそんな証拠があるっていうんだよ。」



「それは一人暮らしの女性を狙っているという理由から推測出来る。5人目の被害者はあんたの元恋人。調べたらすぐわかったよ。」



「・・・・・っ。」



「5人目の被害者にはつい最近別れた恋人がいたという情報・・・・そしてその恋人は一人ではなかったという事も・・・。」




「・・・・や・・・めろ・・・っ。」




新一の止まらない口に、柏村は身体を小刻みに震えさせた。




「被害者はとても男女の交友関係が乱れていた・・・あんたは全く他の男の存在に気付かず被害者に尽くしていた・・・しかし被害者の裏切りを知り別れたものの被害者への憎しみがが生まれた・・・次第に一人暮らしをしている女性を見ては被害者の事を思い出すようになり更に憎悪が増していった・・・そして今回の犯行を思いついたんだ。」



「ー・・・・そうさ!全部アイツが悪いんだ!!俺はアイツだけを愛していたんだ・・・それなのにアイツはアイツは・・・・。」




柏村は新一の問いかけに何かが切れたように頭を抱えて叫びだした。




「女はずるい生き物だ、特に一人暮らしをしている女は何より醜い!囚われるものがなくて何もかもが自由だと勘違いしている。アイツらは俺を嘲笑って楽しむ魔物だ。だから俺が制裁を下したんだ・・・・そう、俺は間違っていない!・・・間違っていない!正義なんだ・・・・ふっ・・・・・あはははは!!」





両膝をついて空を見上げながら柏村は笑いだす。


もうここにいるのはただの人間じゃない。


全身を黒く染め上げた凶悪犯罪者だ。




「・・・俺を悪者扱いするなんて馬鹿げてる。あぁ、そうか・・・君達も俺に裁いてほしいんだろう?」



両手で顔を覆って指の隙間から狂気に満ちた瞳でコチラを見てくる。


足の痛みがズキズキと疼き、身体の身動きがとれない。


今にも襲いかかってきそうだ。





「・・・さぁ、どちらから赤く染めてあげようか。」




「ー・・・・っ。」




ナイフを振り上げてこちらに一歩進もうとした姿を確認したと同時に新一が口を開いた。





「・・・・バーロ、俺が何の準備もしないでノコノコ現れると思ってんのか?」




「・・・・・何?」




「人の命の重みも、犯罪をしでかす事の覚悟も甘くみてる奴が、正義を気取るなよ。」







カッ




「ー・・・・っ!!」




突然柏村の後ろからライトが放たれた。


そのライトの前に立つのは・・・・・・警察だ。



「柏村・・・・お前は完全に包囲されている、無駄な抵抗は止めて、おとなしく手を挙げろ!!」



スピーカー越しに聞こえてきた声に蘭の全身の力が抜けた。



「なっ・・・・何で・・・・!?」




「最後の犯行があった時からすぐにあんたの身元はわれてたんだよ、それからはあんたの素行を探っていたんだ、警察の協力のもとにな。」



「けっ警察の協力?・・・お前・・・一体何者なんだ?」




まさかの事態に取り乱す柏村に向かい、新一はフッと微笑してみせた。




「・・・・・・工藤新一・・・探偵さ。」






「・・・・・たっ探偵?」






そう言い放った新一に思わず見とれる。





「・・・・っ・・・・こんな所で掴まってたまるか!」



柏村はこの場から逃げ出そうと新一に背を向けた。



すると新一はたまたま近くに落ちていた空き缶を見つけるとそれを足元に丁寧に場所を決めて置き口を開き始めた。



「そうそう、あと・・・・サッカーを趣味とする無邪気な中学生男子でもある。」



次の瞬間には新一の右足が蹴った空き缶が見事な弧を描き柏村の後頭部に直撃。

柏村はその場に倒れ込む。




「ゴォーール!!」



倒れこむ柏村に覆いかぶさる警察陣。
その様子を見ながら満足気に新一ははしゃぐ。



あぁ、これも昔と同じ。
彼の見事なボールコントロールは今も健在だ。




「おぉ!工藤君!」



「お疲れ様です、目暮警部!」




恰幅のいい中年男性と新一は面識があるようで蘭の目の前で会話を交わし始めた。




「久しぶりだな!驚いたよ、君から連絡をもらって・・・まさかこっちに帰ってきていたなんてな・・・・優作君から君の活躍は聞いていたんだ・・・いやー・・・実に頼もしい!どうだい?この後、事情聴取に立ち会ってみんか?」



「久しぶりの連絡が事件絡みで申し訳なかったです・・・・有り難いお話なんですが、ちょっとヤボ用が残ってるんでこれで失礼します。」


「そうか・・・それは残念だな・・・まぁその肩の手当て位は受けていってくれ・・・深くはないのか?」



「あっそういえば・・・忘れてました・・・・それほど深くはなさそうです、すぐ近くに医療に詳しい知人がいるので、なんとかなると思います。」



「大丈夫かね?・・・・まぁ無理にとは言わんが・・・・今回は捜査に協力感謝しているよ、今後も期待しているよ。後日、工藤君にも署に来てもらうようになると思うからよろしく頼むよ。」



「はい!あっ・・・あと一つ警部にお願いしたいことがー・・・。」






:::





「・・・・・大丈夫?」



「えっ・・・?」



蘭は突然後ろから掛けられた声に驚き振り向くとそこには湯気の出たマグカップを二つ持った志保が立っていた。



「みっ宮野さん?」



あの後、新一に連れられて、新一の自宅の隣の家にお邪魔している。
風呂を借りて血のついた身体を洗い流した。




「私、ここに住んでいるのよ、彼に頼まれて警察に通報したのも私。」



「新一に?」



「・・・・あら?その呼び方・・・・もしかしてあなた・・・。」



「あっ・・・・はい・・・・全部思いだしました。」



「そう・・・良かったわね。」




持っていた一つのマグカップを差し出しながら、蘭を見て微笑む志保は今までとは違ってどこか優しく一段と綺麗に写った。


マグカップからはほんの少しの苦みとほのかな甘い香り。
カップから伝わる温かさに蘭はホッとする。



「あの・・・新一は?」



「あぁ、さっき治療を終えて、今着替えてるわ。」



志保の答えにそうですか、と返事を返した蘭はどこか心が落ち着かない。
チラっと目の前に腰掛ける志保を見ては視線を自分のマグカップへ戻す行為を繰り返していると、クスッと志保が笑ったのに気付き、顔を赤く染めた。


「気になる事があるならどうぞ。」


志保はマグカップをテーブルに置いて足を組みな直し、蘭に余裕のある笑みを向けた。
蘭はまた顔が熱くなるのを感じたがカップを持つ手に力を入れて決心したように顔をあげて口を開いた。


「あっ・・・あの、宮野さんは新一と・・・その・・・どういう関係なんですか?」


決心はしたもののどこか心細い問いかけに志保は更に笑みがこぼれそうになるのを我慢した。



「私はアメリカである研究所に入っていたんだけれど・・・彼、あっちでも探偵になるために色々な事件に首をつっこんでいてね、あっちでは結構名の知れた探偵になりつつあったの。事件の捜査で私のいた研究所なんかにもよく顔を出すようになって、彼の捜査の協力をするようになって知り合ったのよ。歳も近いし、日本出身ということで話す事も増えたりしたけど、私達の話す内容って言っても事件の事や難しい薬品についての話だったりマニアックなもの・・・まぁ、良く言えばお互い事件の解決のために手を組むパートナーって所かしら。」



「・・・パートナー・・・。」


志保の淡々とした説明に蘭は深く考えないようにと思っても、


歳も近くて事件の話も出来て・・・男と女で・・・
こんなに綺麗な人で・・・


男の人なら惹かれてしまうんじゃないだろうか・・・



と、ひたすらめくるめく不安が頭によぎる。



その様子が伝わったようで志保は再び口を開いた。



「前にも言ったでしょ?私と彼はそんな関係じゃないって・・・大体私と彼がそんな関係だとしたら今頃日本に帰ってきてるはずがないじゃない。」



「・・・・・・。」



「・・・まだ不安?」



「・・・・そんな・・・不安とかじゃなくて・・・。」



「まーいいわ、とりあえず他の疑問は全部本人に聞いてもらっていいかしら?」


「え?」


「大体、正直な所私は本当に関係ないのよね、なのにこんな協力までさせられて・・・安い謝礼じゃ満足しないわよ、工藤君。」


「~っ!?」


その名前に驚いて蘭が後ろを振り向くと、そこには着替えを済ませた新一が気まずそうな表情で佇んでいた。




「・・・・おい、余計な事言ってねーだろーな?」



「あら?余計な事ってどんな事?」



「・・・・っ蘭、行くぞ。」



面白そうに笑みを浮かべる志保に顔をしかめた新一は蘭の手をとり玄関へ向かう。



「え?ちょっ・・・しっ新一?」



蘭は突然の新一の行動に驚く。



「おっお邪魔しました。」



新一に手を引かれながら顔だけ志保を見て蘭は律義に挨拶を告げる。
志保はまたマグカップに口を付けながら軽く手を振っていた。





あっという間の出来事。

部屋の中に静けさが宿る。






羽織った白衣のポケットに片手を入れて窓から夜空を見上げる。





「今夜は星が綺麗ね。」





また一口苦みのある液体を口に含むと口元に軽く笑みをこぼした。











「・・・・・どうぞお幸せに。」












NEXT>>




:::あとがき



うおーーーっと!!
お久しぶりです。
まさかの放置しすぎの・・・そして未だに完結出来ていなかった・・・

本当に本当にお待たせしました。
もうお話忘れてしまってますよね。

お時間に余裕のある時は読み返してやって下さい。
色々ぐちゃぐちゃしててわかりづらいかもですが・・・(泣)



お待たせしたわりに話進んでいないです。


とりあえず通り魔事件解決と新一君と志保の関係を明かしました。

でもまだなんかよくわかんないので次の話で新一君にもー全部すっきりしてもらいましょう!!

次回は多分久しぶりにいちゃいちゃ・・・・になるはず・・・・笑




あと多分本当にちょっとだけお付き合い下さい。



また続き書けて良かった。




2015.07.05   kako

某歌


某アーティストのMVのイラストを快青バージョンでラクガキ。
最近この曲が好きでめっちゃ聴いてます。
なんか快斗じゃなくてキッドにすればよかった・・・。
青子も制服にすればよかった・・・と今更悔やんでいる一枚・・・。

お目汚しスミマセン・・・。



音楽はいいですね。

よく耳にしますが・・・音楽のない人生ではきっと生きていけません、私。


すっとはまる音楽は自分を楽にしてくれる。






さて。


今月は誕生日月間という事で色々はりきっていたのに。。。





あれ?





どういうわけか誕生日までに色々間に合う気がしない。


でも月間だから・・・。

今月中ならまだ有り・・・だよね?



頑張ろう・・・(;;)




相変わらずの自分・・・。



何やってんだろ。



さー明日も仕事だ。

頑張ろう。



皆様おやすみなさい。





kako
誕生日月間


御無沙汰しております。

kakoです。


SCまだ更新出来てない・・・ごめんなさい~


頑張ります。




そんな中、素敵なリクエストを頂きました。

快青です。

☆壁ドン(キッド)
☆手の甲キス
☆ジェラ快斗(無理矢理押し倒す)
☆びしょ濡れ青子を抱きしめる


素敵すぎるリクエスト。



地味に制覇していこうと思いますので乞うご期待。
Rさん、リクエストありがとうございました。





:::


私の手にれるもの



ふと舞い降りた君に、何も言えなくて。


トクン、トクンと心臓が鳴る。


身体も動かない。




静かに近付いてくる姿に、逃げ出したい半面もっと近付いて欲しくて。


頭の中は何も考えられなくなっていた。



あぁ、君が今ここにいる。





「・・・・こんな遅くに散歩ですか?」



あと2メートル位の所まで彼が近付いてきてゆっくりと問いかけられた。



「・・・・っそ、そうだよ、悪い?」



突然の事にうまく反応出来なくて声が上ずった。



「あまり感心しませんね、女性の夜の一人歩きは危険ですよ。」



「・・・・・。」



静かな夜だ。



周りは寝静まる時間。


歩きなれた住宅街も電気のつく家はほとんど目に入らなかった。


暗く街灯だけが灯された道に彼の白い衣装がぼやけて浮かぶ。





待っていた、この時、この瞬間を。





「・・・・あなたが私を一人にしているくせに。」



「・・・・・っ。」





青子の一言に彼は僅かに身体を動かした。




卑怯だと言われようと関係なかった。




「・・・・あなたが予告状を出した日はお父さんは忙しくて帰ってこない事も増える・・・それに、青子の幼馴染も必ずあなたが世間を騒がせている時青子のそばにいてくれないんだ。」



「・・・・っそれはー・・・。」



「別に怒ってない・・・怒ってないよ、青子は。」





彼は俯いて表情を見せない。



でもこうして会えた今。



ずっと心に抱えていたものを吐き出してしまいたかった。


ぶつけてやりたかった。



自分という存在がいることに・・・・気付いてほしかった。









「でも・・・どうしても嫌いになっちゃう。」






何故だか目頭が熱くなった。



いつもさんざん口にしてきた言葉なのに。


本人に伝えるのはなんて辛いんだろう。



けれど止められるはずがなかった。



どうしても言いたかった。




胸が苦しくなって両手でセーラー服越しに胸を鷲掴む。






「・・・・ごめんなさい・・・・っ・・・・。」




残酷すぎる言葉。


初めて人に本気で「嫌い」と伝えた。



でもそれは自分には大分荷の重いものだった。





「・・・・っ青子を一人にしないで・・・。」



俯いた地面が円を描いて濡れていく。







フッ





「・・・・・っ?」




次の瞬間、頭に何かが乗る感覚。



前髪が目にかかり、視界が塞がる。




「・・・・何?・・・やめっ・・・・。」




「どうかそのまま聞いて下さい。」




慌てた青子の言葉を遮るように落ち着いた低い声が静かな夜に響いた。




「・・・・あなたを一人にしている私はきっと世界で最悪の犯罪者です。」




「・・・・・。」




頭に乗ったものをとろうとしていた手を止めておろした。




彼の声は切なく鼓膜を刺激する。



「ですが、どうしてもまだこの仕事を終えるわけにはいかない・・・・・きっとこれからもあなたを私は一人にしてしまうでしょう。」



「・・・・っ!!」



突然左手に何かが触れる。



それが彼の手袋越しの手だと気づくのにそんなに時間は必要なかった。



視界が塞がっているため身体全体が敏感に反応する。



自分の指にそっと触れる彼の手。



囁かれる声。



その一つ一つが青子の身体の中心を疼かせる。



「ですが・・・・約束します・・・・私の仕事が終わった時、必ずあなたから孤独を奪いに行くと。」



「・・・・どうやって?」



「それは、その時になれば自ずとわかるはずですよ。」



「・・・いつになる?」



「・・・・明日かもしれないし・・・数か月先かもしれないし、数年後かもしれないし、はっきりとした時間は言えません。」



「そんなに我慢出来ないよ・・・・。」



「ではもう一つ約束しましょう・・・これから私が予告をした時、あなたに孤独を感じさせない魔法をかけると。」




「・・・魔法?」




「そう、魔法です・・・・ここに誓いましょう・・・孤独の代わりに、小さな幸せをお届けすることを・・・。」



「・・・・・っ。」




左手の手の甲に柔らかな感触にびくっと身体が跳ねる。





「次に3秒数えたら、その証拠をお見せしましょう。」




「・・・・まっ待って・・・・!」



「どうか、もうこんな夜遅くにで歩いたりしないで下さいね。今夜はあなたと話す事が出来て良かった・・・・。」






そっと左手に触れていたものが離れた。








「3」




「2」




「1」








パチン





と指を鳴らす音がした途端、頭に乗っていた感覚が消えた。





ゆっくりと目を開くとそこには何もなくてただの暗闇が広がっていた。





彼の姿もない。






「・・・・何よ・・・・何も変わらないじゃない・・・・嘘つー・・・・っ。」






「・・・・・青子?」






「え?」





後ろから名前を呼ばれて驚いて振り向くと、そこにいたのは・・・






「かっ・・・快斗?」



「お前、こんなとこで何やってんだよ?」



「かっ快斗こそ・・・・。」



「俺は寺井ちゃんとこに用事があって帰ってきたとこだよ。」



「そっそうなんだ・・・。」





突然の幼馴染の登場に頭がおいつかないでいると快斗は小首を傾げてからあきれ顔で口を開いた。



「たくっ・・・こんな遅くにで歩いてたらお子ちゃまのアホ子だって何があるかわかんねーじゃねーか・・・しょうがねーから家まで送ってやるよ。」



「何よ、その言い方~・・!!」



「ほらっ、早くしろよ。」



「え?」



快斗は青子に右手を差し出して佇む。



当然のように手を繋ごうとする快斗に戸惑う青子だったが、どこか身体が温かくなるのを感じる。



そっと手を重ねる。




「・・・・・?」




その時青子の頭に何かがよぎる。




先程まで自分の左手に触れていた感触を再び感じたのだ。



でもこの手は先程の人物とは全く違う・・・・・違うはず。





「・・・・・まさか・・・・ね?」




青子が呟くと、快斗は訝しげに青子を見た後、前を向いて歩きだした。






繋がれた手はやはり温かい。




先程までの孤独を一気に消してくれた。




あぁ、本当に自分は魔法にかかったのかもしれない。




等と思う自分をおかしく思いながらも、なんとなく次に同じ夜があっても、一人で朝を待つ事が出来るかもしれないと予感していた。









FIN





:::



あとがき


リクエストの中から一つ。

「手の甲にキス」でございます。


まずこのリクエストを頂いてからなんとなくイラストを描きました。


そこから生まれたこのお話。



何だかありきたりのよーな、よくわからん話ですが・・・・。


楽しんでもらえると嬉しいです。




リクエストありがとうございました。




2015.06.14 kako





暑い


もうすぐ6月。

雨の季節。

ヤツの誕生日。


なのに・・・・。



すでに暑すぎて・・・・。



干からびる。





とりあえずキッドの衣装はこの時期は辛いだろうなー・・・。



でもああいう人達って暑さ知らずといいますか汗をかかないモデルさんのような・・・体質なんだろうなー・・とか思う。




まーでも扇風機とかあたって人間味溢れる感じも好きです。






僕と夏と君と




:::





まだ梅雨を迎えていない時期だというのに、世間はすでに真夏日のような暑さ。

そんな中の部活動は普段よりもぐっと体温が上昇して身体中の毛穴から汗が噴き出してくる。



「お疲れ様でしたー。」



部活動を終えた蘭は他の部員よりも早くに帰り仕度を整え部室を後にした。


「わっもうこんな時間。」


空はまだ明るく夜を感じさせないのに、携帯のディスプレイで時間を確認するとすでに夕方は終わりかける時間だった。

外の空気は部活中の熱気とは違い少し湿り気を混ぜ微かに冷たい。

この時間になればまだ時期相応の気温だ。

寧ろ汗をかいた後の身体はどこか冷えを感じる程だ。



~♪


帰り途を歩いていると携帯が鳴るとメールが一通。




『・・・・・腹減った。』




その送り主とメールの本文を確認すると携帯を閉じて蘭は鼻歌を奏でながら歩く速度を速めた。






:::





「はい、召し上がれ!」




「おっハンバーグ!!」




メールの送り主は蘭の幼馴染こと恋人である工藤新一。

蘭は新一の家に着くなりすぐに手際よく作業を始め、あっという間に彼の好物を作り上げた。

目の前の美味しそうな肉の塊に新一は唾を飲む。



「ん。うまい!!」


ナイフとフォークでハンバーグを切り分け一口。

満面の笑みで告げられる感想に蘭も笑顔を浮かべた。



「良かった・・・それじゃ私帰るね。」


「あん?お前も食っていかねーのかよ?」


「家のこと何もやらずに真っすぐこっちに来ちゃったんだもん。」


「そーなんだ・・・悪かったな。」


「いいよ、それに今日はお父さんも麻雀仲間と出かけてるからご飯の用意は必要なかったし。」



自分と同い年で部活もやっているにも関わらず、家の事をしっかりつとめる彼女に申し訳ない気持ちになるが、新一は蘭の発言に欲が出てしまった。



「おじさんいねーなら・・・・もうちょっと位ゆっくりしてけよ。」



「え?」


出来ればもっと一緒にいたい。

お腹が減っていたのも事実ではあるが、先程のメールは彼女と過ごすための口実だ。



「最近、俺も警察の捜査協力が多かったし、お前も部活が忙しくて中々ゆっくり二人で会えてなかったろ?」


「・・・・新一。」


「・・・・だめか?」



そう言って鞄を持って立ち上がっていた蘭を見上げる。



「・・・・・。」



ガタッ




蘭は数秒の沈黙の後新一の前の椅子を引いて腰掛けた。




「・・・もうちょっとだけ・・・ね?」




少し頬をピンクに染めて、恥ずかしそうに口にした蘭に新一は機嫌を良くしてまた、ハンバーグを切り分けて口に入れた。





:::




他愛のない話をしながら食事を終えた二人はお互いの皿を持ってシンクへと向かう。



「あ、私洗うから新一はテレビでも観てて。」


「いいよ、手伝う。」


「何、珍しー。」



新一からの思いもしない申し出に蘭はクスクス笑いながらスポンジに洗剤を染み込ませる。

蘭が洗い流した皿を新一が布巾で拭いていく。



「蘭、この皿ってどこにあった?」


「あっそれはそっちの棚の上から3段目の左だよ。」


「これは?」


「それはその隣。」



自分の家にも関わらず、蘭の方がキッチンに関しては新一よりも知り尽くしていた。




蘭の隣に立ち、皿を洗う様子を見ていた新一は次第に蘭のうなじに目を向ける。



今日は珍しく、髪を横に束ねている蘭。

部活の時のポニーテールとはまた違い新鮮さがあり、いつもは隠れているうなじが顔を出している。


白く綺麗なソレに妙な気持ちが芽生える。




「・・・・・・・っ。」




蘭は皿を洗う手を止める。




「新一・・・・この手何?」



気付けば新一の右腕が蘭の腰に回っている。




「・・・・蘭・・・やばい・・・俺スイッチ入った。」




「ちょっ・・・何言って・・・・。」




新一はそう言って蘭の首筋へを顔を寄せようとした。



「だっダメ!!」



が、しかし、蘭は泡のついた皿を顔の前に出しそれ以上自分に近付く事を拒絶した。



「・・・・なんでだよ。」




「だっ・・・だって・・・・その・・・。」




もじもじ顔を赤くさせて口ごもる蘭に新一はムッとする。




「言いたい事あるなら早く言えよ。」



「・・・・・だって・・・・今日、部活終わってそのまま来ちゃったんだもん。」



「は?」



「~・・・・だから!!今日部活で汗かいたままだから、嫌なの!!!」



「何が嫌なんだよ?」



「・・・・にっ匂いとか気になるでしょ?」



「俺はそんなの気になんねーよ!それよりもう我慢できねーから!」



「わっ私は気になるの!!」




頑なに拒否する蘭、一方で全く引き下がろうとしない新一。





「どうせ、始まっちまったらどっちも汗まみれなんだからいいじゃねーか。」



「ーっ!!」


この一言に蘭はカーッと顔を熱くさせる。






「・・・・・しっ新一のバカ!変態!!スケベ!!もーやだ!私本当にもう帰るから!!」




「なっ・・・おい、蘭!」




蘭は顔を真っ赤にして涙目になってそう叫ぶと手に持っていた皿をシンクに置き、手についた泡を流すと、荷物を持って玄関目がけて足早に歩き出した。




「ちょっと待てよ、蘭!」



「知らない!!新一ってば女の子の気持ち全然わかってないんだから!信じられない!」



こうなった蘭はもう手に負えない。


しかし新一も今日は本当に久しぶりの再会だった為に引けないようで必死に追いかけて蘭の腕を掴んだ。




「蘭・・・・ごめん・・・・俺が悪かった・・・・もういいよ、何もしないから。」



「・・・嘘、そう言って・・・どうせ丸めこむんだから。」



「・・・・・・・。」




図星をつかれ新一は乾いた笑みをこぼす。
次に頭をくしゃっと掻きまわすと一つ息を吐いて蘭の目を見つめて口を開いた。




「・・・・久しぶりに会えて嬉しかったのは・・・俺だけか?」




「・・・・・っ。」




「しょうがねーだろ・・・蘭に会うと、触りたくて我慢できなくなんだから。」




「・・・・・・。」




新一の言葉に蘭は胸が熱くなり、脈がトクンと大きく鳴ったのを感じた。




「蘭は俺が汗臭かったら、俺の事嫌いになるのか?」



「え?」



「だって、お前が言ってる事ってそういう事じゃねーの?」



「きっ嫌いになんてならないよ、そんなの気にしなー・・・・あっ。」



「ほら、・・・・結局そういう事だよ・・・まぁ、男と女の感覚は違うのかもしんねーけど・・・俺はそんな事で嫌だとか思ったりしねーから・・・それは知っといてくれよ。」




少し気まずそうに告げる新一に蘭は先程まで高ぶっていたものが収まっていくのを感じた。


あぁ。

自分は何か見失っていたようだ。





「・・・・こんな事で怒ってごめんなさい。」




シュンと謝る蘭の姿に新一はホッと胸を撫でおろした。

長期戦にはならずに解決となりそうだ。




「私も・・・久しぶりに会えたの嬉しかったのに・・・・意地はっちゃった。」




「もういいよ・・・で、とりあえず・・・・仲直りって事でギュッてしたいんですが、いいでしょうか?」



新一の申し出に蘭は眉を下げて笑うと自分から近付いていった。




「・・・・いいですよ。」







同時に掴まれていた腕からぐっと引かれてあっという間に彼の腕の中へ。



大好きな温もり。
自分よりも大きい包容力。
触れ合った先から鼻を擽る微かな彼の匂いと互いの汗の匂い。


でもそれは安心を届けてくれる。




あぁ、どうして今頃気づいたんだろう。





そこに愛があるのなら何も恐れるもの等ないはずなのに。







「・・・・蘭の匂いだ・・・・。」









新一は存分に愛しい彼女の温もりと匂いを堪能すると、自分の欲望に火を付けた白い首筋へと噛みついた。













FIN







あとがき:::


おおおおっと?

SCが難航していた為、ちょっとリハビリがてらにオマケ小説と思ったら・・・



何だかよくわからない方向へ?
そして長い!?

もうオマケじゃないよ、これ!



暑い季節がやってきております。
汗って嫌ですよね。



色々、人にとって汗の悩みはつきないものですが。


この二人にとっては汗なんてものは関係ない!そうであってほしい!


にしても汗一つでどんな会話繰り広げてんだ。

これ現実世界だったらどっかのコントだろ!!



馬鹿すぎてごめんなさい。




ではでは。


またお会いしましょう!!





2015.05.30 kako





皆様、こんばんは!!


kakoです。



ちょっぴり更新止まっていました・・・・。



SCの執筆が思うように進まず・・・
更にネットが繋げず・・・
微妙に仕事が忙しく・・・


という悪い流れがやってきていまして全く更新できずでした。



SC・・・現在3分の2程度は仕上がってきているのですが・・・

ここまできてなんかまとまりがなくグチャグチャになって頭悩ましてます。



どこまで時間かけるんだ自分・・・・。



本当にお待たせしてスミマセン・・・・。



今週末にはUPしたいなー・・・・。



頑張れ自分。







6月になったら・・・更新したいもの沢山あるのに・・・・

SCが書けないと何も進まないんだよーーー><



くそーーー。






とりあえず明日一日頑張ったら久しぶりの二連休だぜぃ!!

パソコンちゃんとむきあうぞーーーー!!





それではまた週末に・・・(多分)




気紛れ落書きを一枚

落描き