オマケ?:::僕と夏と君と汗と | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。




暑い


もうすぐ6月。

雨の季節。

ヤツの誕生日。


なのに・・・・。



すでに暑すぎて・・・・。



干からびる。





とりあえずキッドの衣装はこの時期は辛いだろうなー・・・。



でもああいう人達って暑さ知らずといいますか汗をかかないモデルさんのような・・・体質なんだろうなー・・とか思う。




まーでも扇風機とかあたって人間味溢れる感じも好きです。






僕と夏と君と




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まだ梅雨を迎えていない時期だというのに、世間はすでに真夏日のような暑さ。

そんな中の部活動は普段よりもぐっと体温が上昇して身体中の毛穴から汗が噴き出してくる。



「お疲れ様でしたー。」



部活動を終えた蘭は他の部員よりも早くに帰り仕度を整え部室を後にした。


「わっもうこんな時間。」


空はまだ明るく夜を感じさせないのに、携帯のディスプレイで時間を確認するとすでに夕方は終わりかける時間だった。

外の空気は部活中の熱気とは違い少し湿り気を混ぜ微かに冷たい。

この時間になればまだ時期相応の気温だ。

寧ろ汗をかいた後の身体はどこか冷えを感じる程だ。



~♪


帰り途を歩いていると携帯が鳴るとメールが一通。




『・・・・・腹減った。』




その送り主とメールの本文を確認すると携帯を閉じて蘭は鼻歌を奏でながら歩く速度を速めた。






:::





「はい、召し上がれ!」




「おっハンバーグ!!」




メールの送り主は蘭の幼馴染こと恋人である工藤新一。

蘭は新一の家に着くなりすぐに手際よく作業を始め、あっという間に彼の好物を作り上げた。

目の前の美味しそうな肉の塊に新一は唾を飲む。



「ん。うまい!!」


ナイフとフォークでハンバーグを切り分け一口。

満面の笑みで告げられる感想に蘭も笑顔を浮かべた。



「良かった・・・それじゃ私帰るね。」


「あん?お前も食っていかねーのかよ?」


「家のこと何もやらずに真っすぐこっちに来ちゃったんだもん。」


「そーなんだ・・・悪かったな。」


「いいよ、それに今日はお父さんも麻雀仲間と出かけてるからご飯の用意は必要なかったし。」



自分と同い年で部活もやっているにも関わらず、家の事をしっかりつとめる彼女に申し訳ない気持ちになるが、新一は蘭の発言に欲が出てしまった。



「おじさんいねーなら・・・・もうちょっと位ゆっくりしてけよ。」



「え?」


出来ればもっと一緒にいたい。

お腹が減っていたのも事実ではあるが、先程のメールは彼女と過ごすための口実だ。



「最近、俺も警察の捜査協力が多かったし、お前も部活が忙しくて中々ゆっくり二人で会えてなかったろ?」


「・・・・新一。」


「・・・・だめか?」



そう言って鞄を持って立ち上がっていた蘭を見上げる。



「・・・・・。」



ガタッ




蘭は数秒の沈黙の後新一の前の椅子を引いて腰掛けた。




「・・・もうちょっとだけ・・・ね?」




少し頬をピンクに染めて、恥ずかしそうに口にした蘭に新一は機嫌を良くしてまた、ハンバーグを切り分けて口に入れた。





:::




他愛のない話をしながら食事を終えた二人はお互いの皿を持ってシンクへと向かう。



「あ、私洗うから新一はテレビでも観てて。」


「いいよ、手伝う。」


「何、珍しー。」



新一からの思いもしない申し出に蘭はクスクス笑いながらスポンジに洗剤を染み込ませる。

蘭が洗い流した皿を新一が布巾で拭いていく。



「蘭、この皿ってどこにあった?」


「あっそれはそっちの棚の上から3段目の左だよ。」


「これは?」


「それはその隣。」



自分の家にも関わらず、蘭の方がキッチンに関しては新一よりも知り尽くしていた。




蘭の隣に立ち、皿を洗う様子を見ていた新一は次第に蘭のうなじに目を向ける。



今日は珍しく、髪を横に束ねている蘭。

部活の時のポニーテールとはまた違い新鮮さがあり、いつもは隠れているうなじが顔を出している。


白く綺麗なソレに妙な気持ちが芽生える。




「・・・・・・・っ。」




蘭は皿を洗う手を止める。




「新一・・・・この手何?」



気付けば新一の右腕が蘭の腰に回っている。




「・・・・蘭・・・やばい・・・俺スイッチ入った。」




「ちょっ・・・何言って・・・・。」




新一はそう言って蘭の首筋へを顔を寄せようとした。



「だっダメ!!」



が、しかし、蘭は泡のついた皿を顔の前に出しそれ以上自分に近付く事を拒絶した。



「・・・・なんでだよ。」




「だっ・・・だって・・・・その・・・。」




もじもじ顔を赤くさせて口ごもる蘭に新一はムッとする。




「言いたい事あるなら早く言えよ。」



「・・・・・だって・・・・今日、部活終わってそのまま来ちゃったんだもん。」



「は?」



「~・・・・だから!!今日部活で汗かいたままだから、嫌なの!!!」



「何が嫌なんだよ?」



「・・・・にっ匂いとか気になるでしょ?」



「俺はそんなの気になんねーよ!それよりもう我慢できねーから!」



「わっ私は気になるの!!」




頑なに拒否する蘭、一方で全く引き下がろうとしない新一。





「どうせ、始まっちまったらどっちも汗まみれなんだからいいじゃねーか。」



「ーっ!!」


この一言に蘭はカーッと顔を熱くさせる。






「・・・・・しっ新一のバカ!変態!!スケベ!!もーやだ!私本当にもう帰るから!!」




「なっ・・・おい、蘭!」




蘭は顔を真っ赤にして涙目になってそう叫ぶと手に持っていた皿をシンクに置き、手についた泡を流すと、荷物を持って玄関目がけて足早に歩き出した。




「ちょっと待てよ、蘭!」



「知らない!!新一ってば女の子の気持ち全然わかってないんだから!信じられない!」



こうなった蘭はもう手に負えない。


しかし新一も今日は本当に久しぶりの再会だった為に引けないようで必死に追いかけて蘭の腕を掴んだ。




「蘭・・・・ごめん・・・・俺が悪かった・・・・もういいよ、何もしないから。」



「・・・嘘、そう言って・・・どうせ丸めこむんだから。」



「・・・・・・・。」




図星をつかれ新一は乾いた笑みをこぼす。
次に頭をくしゃっと掻きまわすと一つ息を吐いて蘭の目を見つめて口を開いた。




「・・・・久しぶりに会えて嬉しかったのは・・・俺だけか?」




「・・・・・っ。」




「しょうがねーだろ・・・蘭に会うと、触りたくて我慢できなくなんだから。」




「・・・・・・。」




新一の言葉に蘭は胸が熱くなり、脈がトクンと大きく鳴ったのを感じた。




「蘭は俺が汗臭かったら、俺の事嫌いになるのか?」



「え?」



「だって、お前が言ってる事ってそういう事じゃねーの?」



「きっ嫌いになんてならないよ、そんなの気にしなー・・・・あっ。」



「ほら、・・・・結局そういう事だよ・・・まぁ、男と女の感覚は違うのかもしんねーけど・・・俺はそんな事で嫌だとか思ったりしねーから・・・それは知っといてくれよ。」




少し気まずそうに告げる新一に蘭は先程まで高ぶっていたものが収まっていくのを感じた。


あぁ。

自分は何か見失っていたようだ。





「・・・・こんな事で怒ってごめんなさい。」




シュンと謝る蘭の姿に新一はホッと胸を撫でおろした。

長期戦にはならずに解決となりそうだ。




「私も・・・久しぶりに会えたの嬉しかったのに・・・・意地はっちゃった。」




「もういいよ・・・で、とりあえず・・・・仲直りって事でギュッてしたいんですが、いいでしょうか?」



新一の申し出に蘭は眉を下げて笑うと自分から近付いていった。




「・・・・いいですよ。」







同時に掴まれていた腕からぐっと引かれてあっという間に彼の腕の中へ。



大好きな温もり。
自分よりも大きい包容力。
触れ合った先から鼻を擽る微かな彼の匂いと互いの汗の匂い。


でもそれは安心を届けてくれる。




あぁ、どうして今頃気づいたんだろう。





そこに愛があるのなら何も恐れるもの等ないはずなのに。







「・・・・蘭の匂いだ・・・・。」









新一は存分に愛しい彼女の温もりと匂いを堪能すると、自分の欲望に火を付けた白い首筋へと噛みついた。













FIN







あとがき:::


おおおおっと?

SCが難航していた為、ちょっとリハビリがてらにオマケ小説と思ったら・・・



何だかよくわからない方向へ?
そして長い!?

もうオマケじゃないよ、これ!



暑い季節がやってきております。
汗って嫌ですよね。



色々、人にとって汗の悩みはつきないものですが。


この二人にとっては汗なんてものは関係ない!そうであってほしい!


にしても汗一つでどんな会話繰り広げてんだ。

これ現実世界だったらどっかのコントだろ!!



馬鹿すぎてごめんなさい。




ではでは。


またお会いしましょう!!





2015.05.30 kako