チャック・ベリー、バディ・ホリーに続いて、原点に戻るシリーズとしてレコ2枚手に入れましたよ。上が英エース・レコからたぶん80年代に再発された58年のセカンド・アルバム、下が文字どおり、数年ぶりにゴスペル界から戻ってきて発表した64年のロックンロール・アルバムで、USオリジナル盤です。リトル・リチャードの音源は1枚も所有してなかったので、とにかく代表曲が入っていれば何でもよかったんですが、上のアルバムには“Lucille”、“Send Me Some Lovin’”、“Good Golly, Miss Molly”収録っす。残念ながら“Tutti Frutti”と“Long Tall Sally”(のっぽのサリー)はファースト・アルバムに収録なのでこれには未収です。下のアルバムは完全にジャケ買いっす。このわけのわからないヘアスタイルに彼らしいポーズで決まり!でしたね。裏ジャケのライナーには‘Beatles’の文字が出てきて、いかにもビートルズがアメリカ大陸に上陸した64年のレコっちゅう感じなんですが、サウンドもギターをドカンとフィーチャーしたナンバーが入っていたりと、多少は流行を意識したような作りになっています。というよりリチャードにいわせれば、「オリジネイターはこの俺様なんだぜ!」あるいは「オリジネイターはこのアタシよ!」でしょうか・・・ ふり返って聴いてみると、“Ooh! My Soul”にゲイらしさがよく表われています。冷静に聴くと、下のアルバムは題材はロックンロールでも、全体にサウンドやホーン・アレンジにアーリー・ソウルの匂いが感じられて、ここいらへんが同時期のソロモン・バークなんかとつながってきそうです。“Only You”の「ウ~~」が幽霊出てきそうでちょっとコワいですが。しかしとりあえずどのナンバーも…声がデカい!YouTubeなんかで見られる映像では、けっこうコミカルな動きや意識的なお笑いの要素があって、このへんは昔読んだ『バラッドの世界/ブリティッシュ・トラッドの系譜』(英トラッド・ファン必読の茂木 健さんの名著)に出てきた黒人のミンストレル・ショーの伝統を色濃く残した人なんかな思いましたね。
チャック・ベリー、バディ・ホリーに続いて、原点に戻るシリーズとしてレコ2枚手に入れましたよ。上が英エース・レコからたぶん80年代に再発された58年のセカンド・アルバム、下が文字どおり、数年ぶりにゴスペル界から戻ってきて発表した64年のロックンロール・アルバムで、USオリジナル盤です。リトル・リチャードの音源は1枚も所有してなかったので、とにかく代表曲が入っていれば何でもよかったんですが、上のアルバムには“Lucille”、“Send Me Some Lovin’”、“Good Golly, Miss Molly”収録っす。残念ながら“Tutti Frutti”と“Long Tall Sally”(のっぽのサリー)はファースト・アルバムに収録なのでこれには未収です。下のアルバムは完全にジャケ買いっす。このわけのわからないヘアスタイルに彼らしいポーズで決まり!でしたね。裏ジャケのライナーには‘Beatles’の文字が出てきて、いかにもビートルズがアメリカ大陸に上陸した64年のレコっちゅう感じなんですが、サウンドもギターをドカンとフィーチャーしたナンバーが入っていたりと、多少は流行を意識したような作りになっています。というよりリチャードにいわせれば、「オリジネイターはこの俺様なんだぜ!」あるいは「オリジネイターはこのアタシよ!」でしょうか・・・ ふり返って聴いてみると、“Ooh! My Soul”にゲイらしさがよく表われています。冷静に聴くと、下のアルバムは題材はロックンロールでも、全体にサウンドやホーン・アレンジにアーリー・ソウルの匂いが感じられて、ここいらへんが同時期のソロモン・バークなんかとつながってきそうです。“Only You”の「ウ~~」が幽霊出てきそうでちょっとコワいですが。しかしとりあえずどのナンバーも…声がデカい!YouTubeなんかで見られる映像では、けっこうコミカルな動きや意識的なお笑いの要素があって、このへんは昔読んだ『バラッドの世界/ブリティッシュ・トラッドの系譜』(英トラッド・ファン必読の茂木 健さんの名著)に出てきた黒人のミンストレル・ショーの伝統を色濃く残した人なんかな思いましたね。
【レコ妖怪向けレビュー】
トラック・レコードからリリースされたUKオリジナル・モノラル盤です(型番612 002)。ジャケは両面ともツルピカテカテカコーティング、背表紙は上下絞りっす。66年までとは違って、67年になるとトラック・レコもやっとこさ音質的に満足できるレベルに達した感じですかね?ステレオ・ヴァージョンは80年に国内盤で再発されたレコでしか知らないですが、けっこういい音でした。ザ・フーのアルバムではこれが一番好きだったりします。モッズ君にとっての名盤が『My Generation』!ロック・オペラの名盤が『Tommy』!ブリティッシュ・ロックの名盤が『Who’s Next』!なら、このアルバムはさしずめブリティッシュ・ポップの名盤!といいたいところですが、67年は他のアーチストの名盤がゴロゴロしているのでちょっとかわいそうなアルバムかもしれません。そういえばこのジャケ、ピートとロジャーが表側なんですが、先述の80年の国内盤ではピートとキースが表側でデザインもちょっと違うんですね。で、調べてみたらば、どうやらドイツ・オリジナル盤の表ジャケがピートとキースだったみたいです。80年の日本のザ・フー事情はそらもう乏しいもんでしたから、なんかの手違いでああなってしまったんでしょうか。昔どこかで書きましたが、モノ・ヴァージョンとステレオ・ヴァージョンの違いではなんつっても“Our Love Was”の間奏のリード・ギターですね。ステレオ・ヴァージョンのロックなギターもモノ・ヴァージョンのスライドっぽいギターもどっちもカッチョイイです。どっちかっちゅうたらステレオの方が好きですね。ということはですよ、UKオリジナル・ステレオ盤が今さらほしくなってきたじゃないですか!まあ我慢しときます。“I Can See For Miles”(恋のマジック・アイ)に関しては、ヒット曲ということで必ずベスト盤、コンピ盤に収録されるので、個人的には飽き飽きしてしまい、最後にはきらいになってしまいました・・・。というよりこのアルバムにはもっといい曲がたくさん入ってます!おわり!
メイン・サイトの雑談のコーナーを更新しました。
ブレイディみかこさんの書下ろし『いまモリッシーを聴くということ』
読みました。スミスファンにももちろんオススメ!
それではひとつよろしくお願いいたします。
【レコ妖怪向けレビュー】
盤面のレコ・レーベルがピンクではなくて、1stプレスのライラック(薄紫)色のUKオリジナル・モノラル盤です。有名な変形ジャケはモノラルもステレオも共通だと思います。どこにもモノ/ステレオ表記が見当たらないので。てことは当時イギリスのレコ屋さんでは、お客さんがわざわざこのめんどくさい変形ジャケをこねくり回しながらレコを取り出して確認してたんでしょうかね?その時にこのレコ特有のジャケのやわな継ぎ目がビリッ!と破れたりなんかして、「あ」とかいいつつ、バレないようにそーっと戻したりして… 大事な大事などうでもいいこととして、オリジナル盤についていたレコの内袋は、全ての日本盤についていた透明のひづめ型と同じ形で、レコ取り出し口が上ではなくて上から約7センチのところに横一直線に切り込みが入れてあって、そこから出す仕組みになっています。なので一応はホコリなんかをシャットアウトできる仕様なんですね。考えたの~。そんなんで、この内袋がついていて初めてオリジナル完品ですから!やっぱりどうでもいいですか?モノラルとステレオ対決は個人的にはモノラルですね。なんでかいうと、名曲“アフターグロウ”のステレオ・ヴァージョンがイマイチ聴いていて落ち着かないからです。マリオットのヴォーカルと演奏が完全に左右に分離してしまっていて、モノラルと比べるとちょっと迫力不足に聞こえるんです。まあ曲によっては左右のパンなど、おもしろい仕掛けがしてあってそれなりに楽しいんですが、なんつっても“アフターグロウ”ですからな!それからもうひとつのマリオット絶叫ナンバーである名曲“ローリン・オーヴァー”のギター・ソロ部分で、マリオットが「オォー!」と雄叫びを上げているのがすごくカッチョいいんですね。これはステレオ・ヴァージョンには入っていません。ステレオ、モノラル両ヴァージョンお持ちの方はぜひ確認してみて下さい。おわり!
2010年に出たデジパック三面仕様の新装版2枚組CDです。CD1にはオリジナル・アルバムの本編13曲に4曲((“House Of Fun”、“Driving In My Car”、“Our House”、“Tomorrow’s (Just Another Day)”))のプロモ・ビデオが追加されています。本編に関しては大昔にとりあげたので省略しますが、改めて聴いてみるとやっぱいいなあ~…とは思うものの、大ヒット曲の“Our House”があまりにすんばらしすぎて、この曲が過ぎるとどんどんテンションが下がっていくような気がしました。後半はちょっと楽曲的に弱いナンバーが続くっちゅうか、「今日の晩飯は何にするかなあ」とか「明日は日勤だったっけ夜勤だったっけ」とか別のことを考えてしまい、気がつくとアルバムが終わっていてどんな曲だったか覚えておらん感じです。まあ、意識集中して聴けば十分いいアルバムなんですけど、80年代版『ヴィレッジ・グリーン』としてはもうちょいがんばってほしかった!ってこれも『ヴィレッジ・グリーン』がスゴ過ぎるんですけどね。CD2にはまずBBCセッションの4曲((“Rise And Fall”、“Tomorrow’s (Just Another Day)”、“Calling Cards”、“Are You Coming (With Me)”))に、オリジナル・アルバム未収のシングル・ヒット、“House Of Fun”と“Driving In My Car”、そしてそれらのB面曲やら当時流行った12インチ・シングル・ヴァージョンがこれでもかと入っています。“Our House”と“Tomorrow’s…”を中心に、インスト・ヴァージョンやらなんとかヴァージョンやらかんとかヴァージョンやら、はっきりいってあまりおもしろくありません。なんだったんでしょうかね?この無駄な作業は。「アーハウス、アーハウス、アー、アー、アー」とか「トゥモロウ、トゥモロウ、トゥモ、トゥモ、トゥモ」とか、今聴くとむなしい編集作業に思えます。もちろんその筋の人からすればまた違う楽しみ方があるんでしょう。個人的には結局BBCセッションの4曲が一番よかったです。最後にはエルヴィス・コステロがリード・ヴォーカルをとったジャジーな“Tomorrow’s…”が入ってます。
ワン!ステップ!ビヨ~~ンド!!スカ・バンドとして出発したバンドのデビュー・アルバムで、これは2014年に新たに出た2枚組CDになります。ザ・ジャムやダムドやクラッシュなんかのギター・バンドを好んで聴いていたストイックな高校生当時は、ちょっと気になるけどコミック・バンドみたいな出で立ちがイマイチ肌に合わなんだっちゅうか、ナメてかかってましたね。我ながら青かったの~。ふり返って聴いてみると、先のバンドと同等以上に今でも色褪せることなく、スカだけではない音楽的雑多性の感じられるすんばらしいアルバムだと思いました。そして基本はあくまで「ロックンロール」っす!“My Girl”にはすでにのちのキンクス路線を思わせるもんがあるし、陽気な中にも切なさを感じるメロディは、まさに英国ポップの伝統継承バンドでありました。って復活して今も現役なんですよね。ディスク1のアルバム本編のあとに、モノラルのカセット・レコーダーで録られた14曲のリハーサル・デモが追加されていて、これがけっこうおもろいです。音質は十分よくて、演奏はみんなうまいしバンドはよくまとまっているし、まるで70年代初頭のパブ・ロックを聴いているかのようです。ディスク2はDVDになっていて、デビュー時のヒット曲のプロモ・ビデオとトップ・オブ・ザ・ポップス出演時のもの、それにオールド・グレイ・ホイッスル・テスト出演時のビデオなんかが入っています。今の英国のバンドにはあまり見かけそうもない、ヴォーカルのサグスのかっこよさったらないですね。彼のカッコつけない自然な歌い方が大好きです。あと2000年BBCの“Young Guns”ドキュメンタリーというのが入っているんですが、これ、まだ見てません(あのね)。デジパック三面仕様で、見ごたえのある32ページのブックレットをペラッとめくると、いきなり79年当時の日本盤シングル“ワン・ステップ・ビヨンド”のジャケが目に飛び込んできます。定価700円!このデラックス2枚組シリーズは彼らの他のアルバムも対象になっていて、当然『ライズ&フォール』も買ったんでまた載せようと思ってます。
【レコ妖怪向けレビュー】
UKオリジナル・モノラル盤です(NPL 18233)。このアルバムと次の『アーサー~』のUKオリジナル盤はジャケの紙質がフニャフニャなので、リリースされてから半世紀にもなるとさすがに状態のいいのはメガレアだと思います。たぶんこれの超ミントなんて出てきたら、オークションでは間違いなく6ケタいくでしょうね。ウヒョー!見開きのダブル・ジャケットでレコは内側からとり出すめんどくさい方式、表ジャケと裏ジャケはヴィニール・コーティングされています。デイヴ・デイヴィスの鼻の向かって右側にちっちゃく糸くずみたいなものが写っています。たぶんジャケの原画にすでに付着していたものと思われます。このレコに関してはモノ盤もステレオ盤も共通のジャケ(モノ盤用)が使われているので、当然ステレオ盤にも糸くずありっす。CDでは修正されているようですね。内容については残念ながら前作の『サムシング・エルス』ほど、おもろいモノとステレオの違いはなくて、両方そろえるありがたみはあまりないです。みなさんはどちらが好きですか?私はどちらも同じくらい好きです。アコースティックなサウンドでもビートが効いているので、モノラルの方が合ってるかなあとは思いますが、ここまでの傑作にとってはもはやどっちでもいいっすね。初期のアルバムでは多くの曲でセッション・ドラマーが参加していたようですが、『フェイス・トゥ・フェイス』あたりから全曲ミック・エイヴォリーが叩いてるんでしょうか?だとすると前作からめちゃめちゃうまくなってますよね。“Love Me Till The Sun Shines”のドラム・ブレイクなんてめっちゃセンスいいと思います。ここではオープニング・ナンバーからいきなりベース・ドラムの二つ打ちが出てきて、ノスタルジックでほのぼのしたレイの歌に躍動感を与えています。この時期はレイの音楽的路線とソングライティングがこんなですから、一般リスナーからはあんまりミックの存在に焦点が当てられることはないかもしれませんが、間違いなくミックのドラミングもこのアルバムがスルメ化するのに一役買ってると思います。あとデイヴのコーラスもいい味出しとるんや。
赤塚不二夫、もといエリック・バードンのファースト・ソロ・アルバム買いましたよ。写真はステレオ盤ですが、入手したのはモノラルのUSオリジナル盤です。たぶんセールス・アピール上の理由によって、レコ会社(MGM)が勝手にバンド名義にしたんだと思います。ただしドラマーはこの時のアニマルズの正式ドラマーだったバリー・ジェンキンスです(よね?)。このアルバムは初めて聴いたんですが、“Help Me Girl”と“Mama Told Me Not To Come”(後者はランディ・ニューマン作)の2曲だけは所有のアニマルズのコンピ盤で知っていてけっこう好きでした。だいたいその2曲から、ホーンとかストリングスの入った当時のいかにもなヴォーカル・アルバムなんかなあとは想像してましたね。想像どおり、全曲がカヴァーの企画もんぽい作りで、エリックのソウルフルなヴォーカルをフィーチャーした歌物集っす。しかしこれがなかなかよくて、自分の中では67年以降のちょっとシリアスすぎて重々しい感じのアニマルズのアルバムよりも気に入りましたよ。もちろん個々の曲ではオリジナルの“スカイ・パイロット”とか“サンフランシスコの夜”といった名曲はあるんで、アルバム単位での話です。ゴフィン&キングやバリー・マンなんかのどっちかっちゅうとあまり有名ではない曲のカヴァーが並ぶ中で、ランディ・ニューマンを3曲もとり上げています。年代からいうと、たぶんランディのデビュー時だと思うんで、彼のデビュー作に入っている歌なのかしら?そういえば、66年以降のエリックは同業者の大ヒット曲のカヴァーが多いし、チャス・チャンドラーが目をつけたジミヘンとか、フランク・ザッパとのちょっとしたかかわりとか、このランディの3曲とか、周りの動きによく目を配っていたっちゅうか、先見の明のある人だったのかもしれませんね。未聴ですがウォーにものちに有名になる人がいたんでしょうか?とにかく!ホーン、ストリングス、オルガンの入ったプロフェッショナルなソウル・アルバムとして魅力的な作品や思います。
【レコ妖怪向けレビュー】
いじわるピケットのアトランティックでのファースト・アルバムのUSオリジナル・モノラル盤を手に入れましたよ。ずっと所有していたのは70年代初頭に出た疑似ステレオの国内盤だったので、これでその盤もお役御免です。裏ジャケの当時の日本語解説もそれはそれで魅力的なんですけどね、やっぱりオリジナル仕様には勝てまへん。そういえば、この時期のアトランティック・ソウル(スタックス含む)のレコって、ドン・コヴェイの『シーソー』とかMGsの『アンド・ナウ!』とかオーティスの『ディクショナリー…』とかサム&デイヴの『ホールド・オン』とか、どれも原色を使ったカラフルでポップなジャケが多かったですね。メインはおそらくニューヨーク録音、全12曲中、スタックス録音は4曲のみです。当時はアメリカのAMモノラル放送からこの音が流れていたのか~っちゅう思い入れ(=思い込み)も手伝って、やっぱりモノって気持ちいいですね。まあラジオではたいていシングル盤がかけられていたんでしょうけど。ミナミの中古レコ屋さんで、かなりいい状態で5000円もしませんでしたから、今はこのへんのディープ/サザン・ソウル系のオリジナル盤ってかなり値が落ちてきたんでしょうか?もうソウルのオリジナル盤を熱心に探さなくなって20年以上になりますから何を今さらなのかもしれませんが、このレコ、おそらく90年代前半だったら軽く5桁は行っていたと思います。あとあればほしいなと思っているのが、アル・グリーンのハイでのデビュー作の初回オリジナル盤です。ジャケ違いの方ではなくて、アルの顔がババン!とフィーチャーされた青地のジャケのやつです。ジャケ違いの方は持っているので中身は全部知ってるんですが、やっぱりあのジャケでほしいの~。こないだヤフオクに出てたんですがものすごく威勢のいいコーナーカット盤で、一瞬「おお!」と狂喜したあとにヘナヘナヘナと消沈してしまいました。おわりです。
プリティーズといえば初期のエグいR&Bも大好きやけど、アルバムなら『SFソロウ』と『パラシュート』がやっぱサイコー!ほんでもって変名バンドのエレクトリック・バナナも同じくらい好き!もっとこの時期のプリティーズが聴きたい!という方にオススメなのが、こないだ手に入れたこのCDです。フランス人の大金持ちの息子さんで、プリティーズの大ファンだったというフィリップ・デバージっちゅう人が話を持ちかけて実現したアルバムのレコーディングが、2009年になってやっとこさ日の目を見ました。このCDの重要なポイントがいろいろあってですね、まずなんつっても『SFソロウ』と『パラシュート』の間に位置する、「金がない!」しかし「やる気は満々絶好調!」の頃のレコーディングという、ファンにとってはたまらん時期であるということです。金欠状態だった彼らにとっては大富豪からのオファーは渡りに船だったのかもしれませんが、結局音源はお蔵入りとなって、実際には金にはならない課外活動に終わったようです。しかし!音楽的には『パラシュート』で開花することになる、フィル・メイとウォリー・ウォーラーのソングライティング・コンビのプロトタイプとして、重要な楽曲集やと思います。アルバムとしての12曲全てがプリティーズのオリジナル作品、バッキングとコーラスも全てプリティーズが担当、しかもエレクトリック・バナナの“Alexander”、“Eagle’s Son”、“It’ll Never Be Me”の3曲をまったく違うアレンジメントで再録、さらにプリティーズのBBC音源集に入っていたレアな“Send You With Loving”までとり上げています。たしかにフィルとディック・テイラーの共作であるエレクトリック・バナナの上記3曲があたまひとつ抜けた印象は受けますが、サイケ・ポップとしてなかなかに魅力的なナンバーがそろっています。まあリード・ヴォーカルがフィル・メイではなくて当然フィリップさんなので、個人的にはそれがネックとなって今まで見過ごしてきたわけですが、あくまで一ファン、シンガーとしてのキャリアがなかったわりにはけっこういい歌声を聞かせてくれます。残念ながらフィリップ本人は90年代末に亡くなったそうです。おそらく50代だったと思います。いろいろ意味深なことがライナーには書いてあるので、気になる方はこのCDをリリースしたUT Recordsのサイトでどうぞ!