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英トラッドの名門ファミリー・シンギング・グループ、ウォーターソンズ出身のラルとマイクの傑作が2枚組のデラックス版でCD化されました。アナログ盤でも2枚組で出たので、どっちにしようか悩みましたが、やはりアナログ盤ならトレイラー原盤がほしいなあと思いCDにしときました。が。私の嫌いな紙ジャケでした。ガックシ。まあいいです。オリジナル・アルバムの内容については昔メイン・サイトでとりあげたので省略します。ディスク1がそのオリジナル復刻、ディスク2にアコギのみの伴奏でのデモ音源12曲が収録されています。そのうち3曲(“Song For Thirza”、“One Of Those Days”、“Jack Frost”)がオリジナル・アルバム未収録曲で、これがまたすばらしいことになってます。さすが名門だけあって、デモといえどディスク2全体にわたって完璧な歌唱を聴くことができます。まずトラッドのイディオムを使った2人のオリジナル・ナンバーがどれもすばらしいので、それだけで聴きごたえがあります。まあ、たしかにフェアポート、スティーライらの名人バッキングがついた正規ヴァージョンを聴いてしまうと、ディスク1にボーナス・トラックとして先述の本編未収3曲をくっつけて1枚物で出してもよかったんじゃないかっちゅう気がせんでもないですが。三面見開きジャケで、真ん中に豪華24ページのブックレットが差し込まれていて、歌詞と詳しいライナーノーツと当時のセッションの様子がモノクロ写真でいろいろと載っています。72年ですからリチャード・トンプソンの頭髪はまだフサフサですね。このリイシューをきっかけに、トレイラー作品が次々と初CD化されたらうれしいことです。まずはニック・ジョーンズですね。その次がロビン&バリー・ドランスフィールドあたりでしょうか。あとはジョン・カークパトリックのファーストとかレイ・フィッシャーとかピーター・ベラミーとかまだまだ未CD化の重要作品がたくさんあります。ドミノ・レコードさんよろしくです!
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【レコ妖怪向けレビュー】
『グレイとピンクの地とブラウンのレーベル』じゃ。レコ番号はSDLR1です。実は昔レッド・レーベルのUKオリジナル盤をもっていたことがあるんですが、すばらしいボーナス・トラック入りのCDを入手した時に魔が差して売っとばしてしまいました。しかしやはりこの幻想的なジャケはアナログ盤でもっとかなあかんいうことで、今回茶色のレーベルで買い直しましたよ。ツルツルヴィニールコーティングのダブルジャケでこのデザインはやっぱりたまりませんね。なお、ブラウンとレッドのレーベルはどっちがファースト・プレスなのかっちゅうのは大論争中・・というか謎だそうです。個人的にはブラウンの方が渋いんでファースト・プレスだといいなあと思います。ただマトリクスはどちらの場合も「1D」が存在するようなので、ほとんど同時期といっていいと思います。あ、もしかすると本当はレッド・レーベルがファースト・プレスだったのが、レコ・プレス工場でレーベル印刷中に赤インクがなくなってきたかなんかで色が薄くなって、ブラウン(というかよく見ると茶色より薄い黄土色ですよね)になってしまったとか。でも文字部分もブラウンなので考えにくいですか。せっかくなのでCDと聴き比べしてみたら、全く違いがわかりませんでした。なんとなくCDのリマスターのコンセプトが、なるべくオリジナル・アナログ盤に近づけることにあったのかなと思いました。アナログ盤のあたたかくて丸い音質は、私のアホ耳でもわかるくらいCDで再現できているんじゃないでしょうか。今後おそろしいのは、今回をきっかけにキャラヴァンの70年代までのレコを全てUKオリジナルで集めたくなってきやしないかという心配です。デビュー・アルバムなんて状態によっては6桁いきますよね。しかもステレオとモノラル両方存在するという厄介なことになってます。あとのアルバムは目の玉飛び出るようなのはおそらくないと思うんで、このグループのオリジナル盤はファースト・アルバムがネックです。
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英ハーヴェスト・レーベルからリリースされた2枚組のライヴ盤です。英フォーク系ではちょっと他では考えられない最低ジャケっす。ジョン&ヨーコの『Two Virgins』よりはマシですかね?裏ジャケの真ん中には、自分の脇の匂いを嗅ぐ上半身裸のロイの写真が載っています。その下には「今は2月かもしれんが、脇の下はいつも8月」と説明書きがしてあります。裏ジャケも最低や~。全14曲、うち12曲は基本的にアコギ1本でのライヴです。1曲目と最後に入っている“Home”がバンドによるポップ・ナンバーで、リズム隊がキース・ムーンとロニー・レーンです。ただし1曲目の方のみスタジオ・ヴァージョンっちゅう変則的なライヴ盤です。最後のライヴ・ヴァージョンの“Home”はたしかにキース・ムーンとロニー・レーンのプレイであることがわかるんですが、スタジオ・ヴァージョンの方は果たしてこの2人なのか、聞くかぎり確証ないです。キースとロニーの所属レコ会社の関係なのか、プレーヤーのクレジットが全然載ってないんですね。ロックなこれプラス、ロイのギター・テクニックの凄さがよくわかる正統なフォークから長尺アシッド・ナンバーまで、この時点でのロイ・ハーパーが全て詰まったようなすばらしいライヴ盤です(ストリングス入りのメロー・ナンバーまであり)。レコ2枚目のA面が2曲のみで構成されていて、こちらはさすがにちょっと眠くなってしまいました。これがいけるようになったら、苦手な同時期のエコープレックス・ジョン・マーチンもたぶん聞けるようになると思います。まあでもこのへんがプログレッシヴ・フォークと呼ばれるところでしょうね。昔ダメだったアルバム『Stormcock』がこんな感じだったかもしれません。ジャケ見開き部分にはキース、ロニー、ジミー・ペイジ、ロバート・プラントなんかの写った写真が多数載せてあって楽しめます。なお注意点として、このアルバムの1枚物CDでは、おそらく収録可能時間の関係でバンドの参加したトラック3曲がオミットされていて、完全にアコースティック・ライヴとなっているそうなので、レコとはかなり印象が違うと思います。でもそれではオリジナル再発にはならんやないかい。素直に2枚組CDにせなあきません。
イメージ 13作目手に入れましたよ。オリジナルのリヴァティ・レーベルではなく、英国のサンセット・レコードというレーベルから再発されたレコです。ジャケ表側がツルツルの分厚いヴィニール・コーティングになっているので、70年代に再発されたやつなのは間違いないと思います。大昔に買ったことのあるアルバムなんですが、その時はリヴァティ・オリジナルだったのかどうかは覚えてまへん。もしオリジナルだったとしたら大後悔!と思うくらいに今聴くと「こんないいアルバムだったんやなあ」っちゅう印象です。と同時に、あたま2曲がめちゃめちゃカッチョいいフォークロック(しかも1曲目の“Sgt. Sunshine”には英フォーク・ファンにはたまらん女性コーラス入り。誰だろう?)にもかかわらず、当時手放してしまったのは長い長い“One for All”と“McGoohan's Blues”のせいだったんやなというのが判明しました。しかしグレイトフル・デッドとインクレディブル・ストリング・バンドのおかげで、すっかり長尺ナンバー&中東/アジア旋律もいけるようになってしまった現在、逆に待ってました!っちゅう感じですね。2分台ではありますが、リコーダー入りの“Composer of Lifeがもっともインクレに近い雰囲気です。他に2曲、クッション的にシャッフルのホンキートンク・ナンバーが入っていて、全体にはけっこうヴァラエティに富んでます。ピアノにニッキー・ホプキンスが参加、ドラムはクレム・カッティーニさんらしいです。この人って、たしか初期のキンクスとかに参加していたセッション・ドラマーですよね?ここではめっちゃセンスのいいカッコいいドラム披露してます。というわけで、他のアルバム同様(もちろん未聴除く)、レンジの広い確かな歌唱力と魅力的な声満載のすんばらしい作品ということで、自分の中での再評価決まりっす。2枚組のライヴ盤も手に入れたので、次はそれをとり上げたいと思います。
イメージ 1原題は『Bullinamingvase』です。『Bull In A Ming Vase』(明時代の酒樽で作った飲み物)と判断してこのようなカタカナ表記にしました。間違っていたらすんません。ロイさんのアルバムはレコで初期のやつを3枚とCDで『HQ』を所有しているだけなんですが、そういえば記憶がムラムラとよみがえってきましたよ。大昔UKオリジナル盤で『Valentine』『Stormcock』『Folkjokeopus』それから『HQ』も買ったことがあって、しばらくして全部手放してしまったんでした。やたらと長い曲が多くてイマイチ入り込めず、『HQ』に関してはフォークを期待したのにロックだったんでギブアップしたんですね。アホなことしたと思います。そして今回このアルバムを手に入れて初めて聴いたところ、これがサイコーによかった!なぜかフォーク界の男性シンガーは歌唱力のある人が少ない中で、この人はダントツに歌が上手いと思います。まあだからロックもやれたんでしょうね。レコを手放してCDで買い直してからここ10年以内で見直した『HQ』の次のアルバムということで、フォークとロックの要素がいい感じに融合していて、B面全てを使った“One Of Those Days In England Parts 2–10”にしても、『HQ』収録の長尺曲と同じように組曲になっていて眠くなることはありませんでした。こうなってくると、手放してしまった70年代初期のアルバムがまた気になってくるんですわ…。これは自分にとっては、今頃になっておもしろくなってきたインクレディブル・ストリング・バンドと同じパターンです。しかし!今という時代は、アルバム全曲がただで聴けてしまうYouTubeという便利なのか余計なお世話なのかわからないものがあるんですね。こまったもんです。こうやって世の中からどんどんスリルがなくなっていくんです。YouTubeで聴いてみてよかったらレコ買~お~っと。
イメージ 1アルバム『フォーエヴァー・チェンジズ』に収録の“The Good Humor Man He Sees Everything Like This”をご紹介します。アルバムにはタイトルが歌詞の中に出てこない曲が多いし、何がいいたいのかわからない難解なのもあって、これもタイトルは歌詞の中に出てきません。しかしこのトラックに関してはヒジョーにわかりやすくて、タイトルは“上機嫌な男は全てをこのように見ます”という意味で、その説明が歌詞になっています。アーサー・リーはラリった自分のことを歌ったのか、あるいはたんにふざけたのかっちゅう・・・ それに曲調自体が陽気で、ちょっと頭のネジが1本取れたようなアレンジメントが歌詞にすごくマッチしてていいんですよね。現行CDには歌入り前のインスト・デモ風なボーナス・トラックが入っていて、それがまた完成ヴァージョンと同じくらいグルーヴィーですばらしいです。「ティチ、ティチ」の部分は原詞になかったので聞こえたまんまにしました。なんていってんでしょうね?全体にちょっとアホっぽいところがクセになります。
 
ハチドリがブンブン
なぜ彼らはブンブンいうの?
お下げの少女たち
さわやかな朝 さわやかな朝
 
ラ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ~
 
回転木馬はまわっている
町じゅうをグルグルグルグル
さわやかな朝 さわやかな朝
 
ラ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ~
ティチ、ティチ、ティチ、ティチ、あ~あ
 
今は夏真っ盛り
ほらあそこ いちめんに花が
さわやかな朝 さわやかな朝
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英フォーク・ファンにとってはちょっとした、いやもしかすると大事件かもしれないニュー・リリースがあります!いちおう84日の予定らしいんですが、例によってたぶん延びるでしょうね。まあ楽しみが続くってことでよしとします。だいぶ昔にここでとり上げたこのブリティッシュ・フォークの名作『Bright Phoebus』、英フォーク・ファン向けに簡単にいえば、ウォーターソンズ+アルビオン・カントリー・バンドです。参加ミュージシャンはリチャード・トンプソン、アシュリー・ハッチングス、マーチン・カーシー、ティム・ハート、マディ・プライア、デイヴ・マタックスその他ですから、だいたい想像がつくと思います。よくないわけがない!っちゅうメンツと時代ですね。しかし悩ましいのが、リリース・フォーマットがCD1枚物(たぶん)とLP2枚組デラックス・ヴァージョンとオリジナル復刻のLP1枚物という3種類もあって、どれ買ったらええねんどうしたらええねん状態になってしまうことです。さらにボーナス・トラックの71年デモ・ヴァージョンがCDには12曲入っているのに、LP2枚組のボーナス盤には11曲しか入っていないっちゅう違いがあります。どうしましょう。いちおう70年代に‘ハイウェイ’というレーベルから出た再発盤をもっているので、おとなしくCDだけにしようかしら。そうです、英フォーク好きにはそのハイウェイ・レーベルでピンとくるかもしれませんが、最初に大事件かもしれないと書いた理由がもうひとつあって、実はこのアルバム、オリジナル・レーベルがあのビル・リーダーのトレイラーなんですね。トレイラー・レーベルのオリジナル作品の正規CD化なんて初めてじゃないでしょうか?知る限りですが。ということはですよ、ついにニック・ジョーンズやロビン&バリー・ドランスフィールドのトレイラー作品初CD化の可能性が今頃になって開けてきたということにはなりますまいか!なお今回の再発レーベルは英国のDominoというところらしいです。
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【レコ妖怪向けレビュー】
エレクトラ・レコード在籍中、最後にリリースされたぐだぐだアルバム『U』の初回UKオリジナル盤を入手しました。次のサントラ・アルバム『Be Glad For The Song Has No Ending』からアイランド・レコードになります。2枚組なのでゲイトフォールド(見開き式)ジャケ、ベージュ地の三つ折りの歌詞カードがついています。ジャケに描いてあるU型の絵の間には白文字で‘The Incredible String Band’と書いてあるんですが、黄色地に白ではヒジョーに見にくいですね。ということで、再発CD(もしかすると再発LPでも?)では緑文字や赤文字になっていたりします。見開き部分のパントマイムの写真がCDサイズで見るのとではやはり迫力が違いますね。この時のショーまるまる1回分を映像で見てみたいもんです。たぶん見てもわけがわからないでしょうけど、基本的にドタバタ喜劇らしいので笑えるところもありそうだし、アルバムがまた違って聞こえると思うし、動いて演奏するロビンとマイクが見られるだけでもファンとしてはうれしいことですよ。しかし考えたらこのパントマイムとバンドの合体っちゅう壮大なコンセプトのおかげで、大所帯の衣装代やら飯代やらホテル代やらギャラ代やらで大赤字となった結果、次の映画『Be Glad For The Song Has No Ending』を見るにつけ、あ~ショボい予算で作られたんだなあ・・・というのがわかってしまって、ISB自体が悲喜劇だったですね。このアルバム、CDではBGOやコレクターズ・チョイス・ミュージックといった再発レーベルからも出ているし、国内紙ジャケでも出ているんですが、所有している2002年のワーナーからのドイツ盤がロビンのライナー含めてけっこう気に入ってます。なにいってるのかよくわからないロビンのライナー訳を下に貼っときます。って全然レコ妖怪向けじゃないですね。今回はCD妖怪向け!おわり!
 
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英ハーヴェスト・レコードからリリースされた、元フェアポート・コンヴェンションのベーシスト、アシュリー・ハッチングスのソロ名義のレコを神戸のウォータールーレコーズさんより入手しやした。このレコを買う決め手となったのが、ウォータールーさんの「アルビオン・ダンス・バンドが好きな人には絶対のオススメ」のひと言でした。そのことば通り、トラディショナル・ダンス・チューンばかりを集めたノリノリの演奏は、そのまんま同年のアルビオン・ダンス・バンドの『Prospect Before Us』でしたね。ただし歌入りは1曲のみで、『Prospect』以上にダンス・インスト物に特化した作品です。昔レコ屋さんでたまに見かけたジャケではありますが、まだこういうアルバムがあったのか~て感じでしたね。総勢10人に及ぶメンバーは、ベースのアシュリー以外はフェアポート関係の人たちではなくて、たぶん民謡演奏家のオジサンたちが中心になっていて、全編メロディオンとかコンサティーナとかの蛇腹楽器がフィーチャーされています。ドラムのマイケル・グレゴリーさんは『Son Of Morris On』に参加していた人で、見たことのある名前はこの人とジョン・タムズさんくらいでした。エレクトリック・ギターも入っているので、これも大きな括りでいえばフォークロックということになるんでしょうが、どっちかっちゅうとフォークロックというより、ロックフォークですね。なにいってるのかわかりませんが。ちょうどこの頃のアシュリーの活動をドキュメントした79年の映像がYouTubeにあるので、下に貼っときます。大学教授みたいな蛇腹奏者のオジサンのなんとカッコいいことか。もしかしてこのレコに入ってる人なんですかね?あとバリー・ドランスフィールドやデイヴ・マタックスなんかも出てくるすごいライヴ映像もあり!フェアポートの『リージ&リーフ』1曲目“Come All Ye”の重厚なコーラスが大変なことになってます!