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いやあ、ザ・フーを知って40年近く、今まで見向きもしなかったピートのファースト・ソロ、やっと周期が巡ってきたようなので初めて聴きましたよ。手に入れたのはダブル・ジャケのテカテカコーティングにポスターのついたトラック・レコードのUKオリジナル盤です。このポスター、よほどのミハー・ババ信者かピートにしかわからないような抽象的な絵が描かれていますので、自分にとってはあまりありがたみは感じませんが、なにか有名な絵なんでしょうかね?見開き部分から裏ジャケから何からババババババとミハー・ババだらけで、ピートの傾倒ぶりがハンパでないです。が、そんなことよりも歌詞のわからないニッポン人の私の場合、まずなんつっても1曲目の“Pure & Easy”が目玉でした。少し前に何10年ぶりかに再入手したフーのコンピ盤『Odds & Sods』で改めてメロディのすばらしさにKOされて、またくり返し聴いていたので。こういうのを真の名曲というんでしょうなあ。アルバムは一聴してポールのファースト・ソロとか『ラム』と同質のあたたかい宅録サウンドで、手作り感満載です。ロニー・レインのリード・ヴォーカルとアコギが聞けるロニー作の“Evolution”も今回初めて聴いたはずなのに、これどっかで聴いたことあると思いました。ロニーのスリム・チャンスかフェイシズで違うタイトルでやってたんでしたっけ?それとも誰かがやっていたのか、思い出せません。アルバムの流れとしては、どちらかっちゅうとA面よりも当時流行っていたカントリー風味のあるレイドバックしたシンガーソングライター的な作品の並ぶB面の方が気に入りましたね。もろ70年代初頭のスワンプ/SSWB-1の“Time Is Passing”からカヴァー(トラッド?)を挟んで最後まで、ザ・フーのイメージからはほど遠いカントリー色が濃厚で、ブリティッシュ・フォーク・ファンにはたまらんものがあると思います。頓挫した『Life House』のデモ音源が基になった部分があるにしても、ドラムス含めて基本的に全ての楽器を自分でやったっちゅう意味で、ポールの最初のソロ2枚とかロイ・ウッドの『ボウルダーズ』に並ぶ傑作やと思いました。
イメージ 1弟にこのCD借りてきました。最近出た『Live At Fillmore East 1968』がアルバム『Sell Out』のリリース直後なら、こちらは次のアルバム『Tommy』直後のライヴということになります。2枚組全30曲中、『Tommy』収録曲が19曲を占めます。いやあ、これもハマるなあ~ しかし今さらザ・フーって… 歳をとるほどどんどん自分が幼児化していってるような気がしますがしかし!考えたらザ・ジャムを通じてモッズに憧れていた高校生の頃はこの時期のザ・フーって好きじゃなかったので、逆に新鮮っす。このハードロック版トミーを聴くと、スタジオ・アルバム以上に改めてピートのメロディ・メーカーぶりに感動してしまいましたね。まあ冷静に聴くと、けっこうキースのドラムに関しては全体的に先の『Fillmore East 1968』よりも不安定で荒っぽいし、どちらにも入っている“I Can’t Explain”と“Summertime Blues”に関しても、『Fillmore East 1968』の方が出来がいいとは思いますが、そんなものは些細なことに過ぎないのよ、と納得させるような楽曲の良さと勢いがあるのはたしかです。ギターをやっている弟によれば、「ピートはジャンプしようが腕ブンブン振り回そうが、あくまでていねいにギター弾きはるな。そこが俺と似てんねん」と。何様やと思わんでもないですが、なるほどなと思いました。それに加えて、ザ・フーのライヴ映像を見ていると、キースもジョンも常にピートの動きに注意を払っていて、例えばピートがジャンプしたらそこでブレイク!とか、腕を回したら2回転目でストップ!とかけっこう細かい決まりごとがあるんじゃないかと思います。でないとあのキースのドラム・プレイであれほど一体感のあるバンド・サウンドは生まれないですよね。ほんでキャラの立ちまくったメンバーたちに囲まれたロジャーのヴォーカリストとしての安定感も、確実に重要な要素だったのがよく分かるライヴだと思います。スクリーム系もメロー系もコーラスも完璧っすもんね。組曲の“ア・クイック・ワン”のハモりなんて美しいのなんのって(これには入ってませんが)。というわけでこのCD、借りパクしたろか思てます。
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【レコ妖怪向けレビュー】
こないだ出た『ライヴ・アット・ザ・フィルモア』が大変すばらしくて毎日聴きまくっているので、ついでにこれもいっときます。83年にリリースされたコンピレーション盤で、タイトルどおり80年代にはなかなか聴ける機会のなかった初期シングルのB面やEPの音源集です。これが出た時の個人的な目玉は、66年のEPReady Steady Who』の全収録曲に当たる最初の5曲でした。自分にとっては特にザ・ジャムがシングル“Funeral Pyre”のB面でカヴァーしていた“Disguises”がうれしかったですね。ちなみにEPReady Steady Who』は、だいたい同じくらいの時期にオリジナル復刻として再発されました。輸入レコ屋さんで当時何度か見かけて、手にとって買おうかな~どうしようかな~高いしな~と悩んだ記憶が鮮明に残ってますよ。結果的にこのコンピ盤を手に入れて解決したのでやったー!てな気分でしたね。ジャムの同名曲の元ネタはこれだったのか!と判明した“In The City”も入っているし、“Batman”も入っているし、なかなかザ・ジャム度高いコンピっすよね。『Direct Hits』、『Who’s Missing』、そして『Two’s Missing』なんかの他のコンピ盤とはダブり曲がほとんどないすぐれたレコでした。難点としては・・・そうです、ジャケです。どこが「1966-1968」やねん!っちゅう。しかも「1970-1973」の『Vol.2』も全く同じジャケでしたが、どっちの時代からも外れてません?70年代後半のような。しかしこのロジャーは・・・ ロジャーは今の方が断然カッコいいですよね。それではトラック・リストです。

Side 1
1. Circles (Instant Party)
2. Disguises
3. Batman
4. Bucket T
5. Barbara Ann
6. In The City
7. I’ve Been Away
8. Doctor Doctor
 
Side 2
1. The Last Time
2. Under My Thumb
3. Someone’s Coming
4. Mary Anne With The Shaky Hand
5. Dogs
6. Call Me Lightning
7. Dr. Jekyll & Mr. Hyde
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CDで買おうかレコで買おうか、もしくはどっちも買おうか悩みましたが無難にCDにしときました。やっぱりこの手のライヴは、30分超えヴァージョンの“My Generation”がぶった切られる3枚組のレコではちょっとキツいですよね。ただでさえ3回もひっくり返さんなあかんし、ジャケもレコ映えしないし。と、いいつつやっぱレコでもほしいなあ・・・と思うほどすばらしい内容でした。個人的にどこにポイントがあるかっちゅうと、まずフーの中で一番好きなアルバムはマイジェネでもトミーでもフーネクでもなく、67年リリースの『セル・アウト』なので、その頃のツアーということで“Tattoo”と“Relax”が入っていることです。フーネクって。“Little Billy”の収録もすごくうれしかったです。これに“Our Love Was”が入っていればもひとつうれしかったんですけどね。80年に国内再発された『セル・アウト』のレコの帯には、「このアルバムで現在の彼ら独特のポップなロックンロールのスタイルが確立されている」とありました。その通りだと思いますが、ポップから(ハード)ロックへの彼らの移行期ともいえるわけで、それがこのライヴ盤の選曲にも演奏にもみごとに反映されていると思います。音楽にかぎらず、他の芸術でも‘過渡期’ってなにかゾクゾクするような、これからどうなっていくんだろう?みたいなスリルがあっておもしろいと思いませんか?まあ、あとからふり返ってそれに気づく場合も多いとは思いますが。手に入れたのはライナーと歌詞の対訳のついた国内盤です。例によって輸入盤よりもかなり高めなんですが、ライナーには興味深いことがたくさん書いてあるし、ピートのMCの対訳まで載っていて大変ありがたかったです。ブート事情には疎いので、そのへんの記述がおもろかったですね。
 
ここでおなじみのジョー・ボイド・ネタっす。ジョーは60年代当時からザ・フーのステージを何度も見ていたらしいですが、ひどいショーはひとつもなかったそうです。で、ピート本人にそのへんのことを聞いてみたら、なにかフーのキャリア初期にマネージャーだったキット・ランバートから1人の催眠術師を紹介されて、いったんステージに上がればどんな悩みも消え失せ、自分の最大限の能力を発揮できるような忘我状態の暗示をかけられたそうなんですね。ヘー!と思いましたよ。よくお客さんに全くウケず、シラ~っとした雰囲気にもかかわらず、思いっきりステージを楽しんで自分の全てを120パーセント出し切るバンドマンっていますよね。あれ、すごくうらやましいと思ったことあります。たぶん性格的にはJBとかバート・ヤンシュみたいな、ある意味「無意識過剰」系の人に多いんじゃないかと思います。ピートは絶対違いますよね。催眠術をかけられる前は毎回ビクビクしながらステージに上がっていたんでしょうか。何10年も前に本かラジオか何かで聞いた話では、ミック・ジャガーでさえスターになってからもステージに上がる前は緊張で心臓がバックンバックンしてたそうです。サンディ・デニーとかニック・ドレイクもこの催眠術師に出会っていればなあ・・・
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【半分レコ妖怪向けレビュー】
ずっとさがしていたファースト・アルバムのUSオリジナル盤やっと手に入れましたよ。エレクトラのゴールド・レーベルで型番はステレオのEKS-74001、マトリクスは2/2です。現行CDではモノ/ステレオ両ヴァージョンが収録されていて、どちらもベースがブンブン効いていて大変音のよい作品なので、別にモノでもステレオでもどちらでもよかったんですが、モノラルだったら状態によっては4桁では済まなかったかもしれませんな。プロデューサーだったジャック・ホルツマンによれば、初めて厚紙のジャケットにじかに印刷されて、表ジャケと裏ジャケ両方がカラー印刷されたアルバムらしいです。たしかに60年代半ばくらいまでのアメリカ盤は、裏ジャケにトラック・リストとライナーノーツが載った白黒の薄い紙が貼りつけてある印象がありますが、これは1枚のカラー印刷された厚紙を二つに折って作られたジャケです。この仕様が初めてだったってことですかね?ジャズのレコではこういうのなかったのかしら?ロックの世界ではってこと?ようわかりません。アーサー・リーによれば、デビュー当時のラヴはそらもうLA、どころかウェスト・コーストのナンバーワン・バンドで、サンセット・ストリップの帝王だったようで、あの伝説のフィルモア・ウェストに出演した時は、ドアーズ、バッファロー・スプリングフィールド、ジェファーソン・エアプレイン、ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー、モビー・グレイプら全てをさし置いて常にヘッドライナーを務めていたそうです。で、彼は回顧録でジャニス・ジョプリンのことをこういってはります―「僕たちはフィルモアでトリを務めて、僕はジャニス・ジョプリンの絶叫を(ステージ横に)立って聴かねばならなかった。彼女は白人ブルースの偉大なホープだったが、ただひたすら叫んでいただけだった。知ってのとおり、人々は白人が叫び声を上げればそれがソウルだと思っている。しかしそれはソウルではない。ただの叫び声だ」 まあ異論はいっぱいあるでしょうし、私も極論すぎるとは思いますが、その後の人気面でのアーサーの立場とかライヴァル意識とか、何でも歌える抜群のヴォーカリストだったことを考えると、いわずにおれんかったっちゅう感じで興味深い発言ですね。片や黒人を目指した白人女性、片やビートルズやストーンズなんかの白人音楽の好きな黒人男性ということで、なかなかおもろい対比じゃないでしょうか?のちにはアーサーもファンクやソウルをやり始めるわけで、死ぬまでジャッキー・ウィルソンのファンだったのも考え合わせると、深いことばではあると思います。
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70年代後半にリリースされたプリティ・シングスの変名バンド、エレクトリック・バナナの73年(A面)と78年(B面)の音源集です。業界内のみで一般市場には流通しなかったというエレバナのオリジナル盤は、67年から70年代を通じてトータルで5枚出ています。67年の『Electric Banana』、68年の『More Electric Banana』、69年の『Even More Electric Banana』、73年の『Hot Licks』、そして78年の『The Return Of The Electric Banana』がその内訳です。ほんで全てのアルバムに共通するのが、レコA面に歌入りナンバー、B面にインストゥルメンタルが収録されていたことでした。B面は全てA面の楽曲のインストなんですが、インストといっても早い話がA面の歌抜きヴァージョン、つまりバック・トラック(カラオケ)だったんですね。なのでアルバム半分は手抜きというか間に合わせだったわけっす。ただしA面収録曲が当時のプリティーズのカッコよさが凝縮されたとんでもない完成度やっちゅうことで、ファンには垂涎の的となってきました。今でも最初の60年代の3枚はかなりのプレミアがついていると思います。その最初の3枚に関しては、90年代後半にテンス・プラネットというレーベルからアナログとCDで歌入りばかりを集めた『Blows Your Mind』という限定コンピレーション盤が出ました(これがサイコー)。実はその前にドイツのレパートワーから全エレバナを網羅した2枚のCDが出たことはあるんですが、あまりに時代をごちゃまぜにしすぎた編集なので、コンピ作品としてはちょっと魅力が伝わりにくいCDでした。そして今回のこれは、最後の2枚―『Hot Licks』と『The Return Of~』―の歌入りを全て集めたコンピ盤になります。これがまたエレピをフィーチャーしたハードな70年代初頭のプリティーズ、アルバムでいうと『Freeway Madness』や『Silk Torpedo』の頃の楽曲&サウンドそのまんまで異常にカッコいいんです。78年の『The Return Of~』にしても、とてもディスコ&パンクの時代とは思えない、カントリー・ロックやサイケ/ハード・ロックが入っていて、さすが我が道をいくプリティーズっちゅう感じです。まあご覧のとおり、ジャケはダサダサだし、この時代のプリティーズは60年代と比べるとあまり人気がないので、見つかればけっこう安いと思います。ので狙い目の1枚!
イメージ 1京都のワークショップで入手したUSオリジナル盤です。80年代初頭だったかにモータウンのアルバムが一斉に再発された中に含まれていなかったような気がしますが、ずっと昔に載せた彼らの『Going To A Go-Go』と並ぶ傑作やと思いました。頭の3曲―“Yester Love”、“If You Can Want”、そして“Special Occasion”をフィーチャーした超強力盤です。もちろんどれも当時ヒットしました。“Yester Love”はオリジナル・アルバム未収のヒット・シングル、“I Second That Emotion”タイプですね。このアルバムにはもう1曲同じタイプの“Your Mother’s Only Daughter”が入っています。この3つ、ほとんど同時に作ったやろ!と思うくらい完全にリズム・パターンが同じ個所が出てきます。ただ、この中で一番好きなのは“If You Can Want”ですね。少しだけJBを思わせるファンキーなホーン・アレンジが最高っす。まだアルバムよりもシングル重視だった時期のモータウンにしては気合が入っていて、おそらくアルバム用にスモーキーが書き下ろしたと思われるトラックが4曲もあって、どれもすばらしいですよ。そしてやっつけ&穴埋め用の曲とは!同時期のマーヴィン・ゲイのヒット曲“I Heard It Through The Grapevine”(悲しいうわさ)のカヴァーと、ビートルズの“イエスタデイ”のカヴァーの2曲です。ただし前者に関しては、マーヴィン・ゲイのヴァージョンは凝りすぎなリズム・アレンジがあまり好きではないので、こちらのアップテンポでシンプルな方がいいと思いました。後者は…これはもう選曲の時点でアウトっす!よね?しかもめちゃめちゃ劇的感動的感傷的スロー・アレンジで、やり過ぎ感満載です。まあ、この曲だけはあまりにあんまりなんですが、その他が本当によくできているので、やっぱり名盤やと思います。おわり!
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またジミヘンの発掘作品が出たらしいですね。死んでから半世紀近くたつのに、次から次へと新譜が聞けるジミヘン・マニアがうらやましいかぎりです。こちらは京都の中古レコ/CD屋さん「ワークショップ」で入手しやした。ミントで帯付!自分にとってはなんちゅうても1曲目の“ジョニーBグッド”ですね。何10年も前にテレビで見た映像が強烈に印象に残っているヴァージョンです。クウィ~~ン!っちゅう間奏のところでアドレナリンバシバシでしたよ。この陶酔感というか、これぞロック・ギターの極み!みたいなところがジミヘンの真骨頂じゃないでしょうか。ライヴならではの“ヴードゥー・チャイル”も“リトル・ウィング”も入ってるし、さすが昔からジミヘンのライヴ盤といえばまずはこれ!というくらいのライヴ名盤&定番だと思いました。遅まきながら今回初めて聴いたんですが、実は期待していた“サージャント・ペパー”に関してはポコッと終わってしまって、ハレ?もう終わり?って感じで少々残念でした。それでもオリジナル・アルバムでは聴けない曲も多いし、ライヴならではの高揚感がガンガン感じられるいいライヴ・アルバムっすね。やっぱり自分にとってはここで全編(?)叩いているミッチ・ミッチェルの存在がジミヘンと同じくらい大きいです。ライヴはドラムで決まりますから!もちろんバディ・マイルズもドラマーとしては凄いんですけど、あれですね、アドリブで攻めるジミヘンとの相性は?となるとちょっとどうかな?思います。バディ・マイルズに関しては、その昔『Super Show』というヴィデオで見たバディ・ガイとの共演があまりに強烈だった、というのもあります。あれはミッチ・ミッチェルでも太刀打ちできないでしょうから。この中の2曲だったか、実は版権の関係で公演場所に故意の誤りがあるとかで、それを訂正した音源でしかも曲順を変えてリマスターCDが出て話題になったことがあるらしいですね。もともとはジミの死後直後に出た古いライヴ盤だけに、愛聴してきた人にとっては違和感あるみたいです。その気持ちすごくわかります。
イメージ 1B級映画のサントラ盤として、パイ・レコード在籍中最後にリリースされたレコです。今回初めて聴きましたよ。入手したのはUKオリジナル盤で、ジャケ両面が凸凹エンボス(テクスチャード)加工になっているやつです。どうやら両面コーティングになっているヴァージョンもあるそうですが、まあ…あまり人気のないアルバムなので、よけいに「それがどうした?」って感じですかね。聴きたかったのは“Gods Children”だけ!なのでYouTubeで調べるのはがまんしました。評判どおり、たまらんレイ節の聞ける1曲でした。アルバム『アーサー』の頃にデイヴ・デイヴィスが書いていた曲を思わせるようなポップさもありますね。全13曲中半数近くがインストだし、自分の場合、『アーサー』までのキンクスと『ローラ』以降のキンクスは聴く頻度に大きな差がありますので、その『ローラ』の次の作品ということで、あんまり期待していませんでした。が、歌入りのトラックは“Gods Children”以外もけっこうよくて、これはうれしい誤算でした。“The Way Love Used To Be”は“シャングリラ”の前半部分みたいなメロディだし、“Dreams”も同じ『アーサー』期を思わせるし、“Moments”と“Just Friends”はもっと前の『ヴィレッジ・グリーン』の頃の彼らといえなくもないと思いませんか?“Animals In The Zoo”とレイのヴォーカルではない(?)“Willesden Green”は、ほとんどRCA時代に突入ですね。この路線のキンクスは自分の中ではガクンと落ちます。と、思って久しぶりにアルバム『ローラ』ひっぱり出してきて聴いています。あ、これに“Apeman”入ってたんですね。完全に忘れてました。いやあ、もちろん腐ってもキンクスなんですけど、やっぱり『アーサー』の出来には到底及ばんですなあ。楽曲自体の魅力の違いがもちろん一番大きいと思いますが、なんかピアノやギターに漂う「ザ・バンド」感もキンクスのよさを殺してしまっているような気がします。従来のキンクスらしいタイトル・トラックや“Get Back In Line”の方が断然いいですもんね。と、いうわけで『パーシー』の方が好きかもしれんです。おわり。
イメージ 174年当時、間に合わせでリリースされたコンピレーション盤です。入手したのは穴あきジャケに二つ折りの歌詞付きインサートと、「もうちょっとどうにかならんかったんかポスター」のついたトラック・レコードのUKオリジナル盤です。ただし裏ジャケに点字はなしです。大昔手に入れてしばらくして売り払ったレコなんですが、点字のことは今回初めて知りました。ちゅうか当時手に入れたのはUK盤だったのか国内盤だったのかも忘れてしまいました。さすがザ・フー、いい曲たくさん詰まっていて、かすかな記憶通り、68年の音源―“Little Billy”、“Glow Girl”、“Faith In Something Bigger”と71年の“Pure And Easy”が特にすばらしかったです。しかしなして昔手放してしまったんだろうか?と考えてみるに、おそらくアルバム『フーズ・ネクスト』以降のザ・フーに当時興味がなかったからでしょう。“Glow Girl”の気合の入ったキューン!キュキュキュキュ!なんて命かけてますよね。ここまでカッコよくこれできる人なんて、ピートのフォロワーだったポール・ウェラーくらいだと思います。64年のハイ・ナンバーズとしてのデビュー・シングルで、完全にスリム・ハーポの“Got Love If You Want It”の改作といっていい“I’m The Face”は、きれいなステレオ・ヴァージョンで入っています。このヴァージョン、他のレコで聞けるんですかね?もしかするとアルバム中一番貴重な音源かもしれません。欲をいえばシングルB面の“Zoot Suit”もセットで入れてほしかったところです。改めて思ったのが、全体にわたるキースのドラミングのすばらしさです。ただもちろんレコード上ではちゃんと体裁が整えられているわけで、実際このレコが出た74年当時のキースはおそらく酒とドラッグまみれで、ライヴではかなり不安定だったみたいです。思うに70年代に入ってからのキースのプレイは体の膨張とともにキレがなくなっていったんじゃないでしょうか。ピートは何度もクビにしようかと思ったくらいだそうですから。まあそんなこんなで、いろいろと想像をふくらませながら聴くとさらに感慨深い編集盤ではあります。なお現行CDでは大量ボーナス・トラック付きで曲順も変えられてしまっているそうなので、全く別モンといっていいと思います。