
【盗っ人パーマーその他】
インクレ本にまたおもろい話がいくつか載っていたのでご紹介です。写真は英国でのファースト・アルバムのジャケットですが、このジャケにまつわる話がなかなか興味深かったです。レコかCDをもっている方はちょっと棚から出して手元にもってきていただけますか?
まず一見何の変哲もない3人の若者の出で立ち、いや、ちょっと左端の人が20代前半には見えないんですがそれは置いといて、問題はロビンの着ているのが婦人用肌着のシュミーズだったんですね。今どき日本語でシュミーズなんていうんですかね?それに昔は「シミーズ」っていってませんでしたっけ?
同じスコットランド出身のバーバラ・ディクソンっちゅう名シンガーがいうには、当時のロビンはまるで金星からビームで降り立った異星人のように見えたそうです。しかもヒッピー・ルックは彼が発明したとさえ思ってるそうです。まあこれは話半分として聞いた方がいいですが、たしかによく見るとちょっと変です。写真の色自体がかなり淡いのでわかりにくいですけど、このシュミーズのストライプの色は実際には鮮やかな水色だったんじゃないですかね?20代の頃のロビンはヒゲをそると宝塚にでも出てくるようなめちゃめちゃ美人の女性みたいなので、バーバラさんのいうことも何となくわかりますね。
で、さらに問題はクライヴ・パーマーです。やっぱりこのオッサン、いやニイチャンです。お腹のあたりをよ~く見てみるとちょっとふくらんでませんか?それも四角に。これってクライヴがプロデューサーのジョー・ボイドのオフィスからかっぱらったエレクトラ・レーベルのレコードが何枚か入っているっちゅう話があるみたいです。かっぱらったって!ただ真相はわからんらしいです。そしてその3人が立っている場所というのが、一般的には楽器屋さんの奥の部屋か倉庫だと信じられているが、実際はジョーのエレクトラのオフィスだそうです。これは断言してありました。…しかしジョーと知り合ったばかりのこの頃に盗みをはたらくとは。まあ本当だとしてもほとんどシャレでしょうね。以上インクレ細かネタでした!

【レコ妖怪向けレビュー】
【レコ妖怪向けレビュー】
【クライヴ・パーマー話】
ここんとこずっと探していたロイ・ハーパーの2枚のUKオリジナル盤―『Stormcock』と『Valentine』のうち後者を見つけて手に入れやした。残念ながら本来付属してあるはずの歌詞の載ったブックレットがついていなかったので、これはまた’合わせ技’の登場か~?!(『HQ』のレビュー参照) このアルバムは今回初めて聴きました。たいていのロイのアルバムには10分以上の、場合によってはレコ片面全てを使った長尺ナンバーが入っているんですが、これは全曲が3~5分程度、長くても6分半が1曲のみで全10曲という、ロイにしてはけっこう簡潔な作品です。そして純粋な(アコギ1本の)弾き語りフォーク・アルバムのほとんどない彼の中では、1曲だけ除いてもっともフォーク・アルバムに近いんじゃないでしょうか?その例外の1曲が、次作『HQ』の伏線となるようなハード・ロッキンな”Male Chauvinist Pig Blues”で、ジミー・ペイジとキース・ムーンが参加しています。これめっちゃカッコいいっすよ。ベースを弾いているのはロニー・レインっちゅううわさもあるんですけど、ロニーはライヴのみに参加で、ここではロイ本人がベースという話もあってようわかりません。聴いてみた感じ、シンプルで重量感のあるベースはロニーっぽい気もするんですが、ベースはなかなか聴き分けが難しいですね。昔レココレに載っていたインタビューでおもしろかったのが、ここに入っている”North Country”事件です。もともとトラディショナルだったこの曲をディランが自身のクレジットにしてアルバムに収録したことに腹を立てたロイが、ディランと同じアレンジメントでとり上げて、クレジットに’Trad. arr. Harper’と載せてやったというものです。「ところがディランのやつは何にもいってこなかったんだ。なぜかってえと自分でもわかってたからさ」とかいってましたね。まあ「トラッドにインスパイアされたとか影響を受けた」オリジナルと、「トラッドの盗作/パクり」の間の境界線なんてものは存在しないですから、要は程度の問題じゃないでしょうかね?「これはいくらなんでもやりすぎやろ」とか「このアレンジはトラッドをとり上げた人のオリジナルやん!」とかですね。さきほど純粋なフォーク・アルバムに近いとはいいましたが、そこはこのオッサンのことですから、やっぱりアシッド(サイケ)臭漂っていたりヘンテコな展開をしたりクラシカルなストリングスを導入していたりします。ただ彼の数あるアルバムの中でとりわけ名曲度高いんではないかしら?聴けば聴くほどに味の出るスルメ作品なのはいつものことで、さらに大物感が出ているような気がします。なぜかあのウェールズの怪人メイク・スティーヴンスも思い出しました。怪人って!おわり。
【(お騒がせ)モリッシーの人生講座/上村彰子】
アルバム『四重人格』の頃のライヴも聴きたいなあと思っていたところに、タイミングよく73年のライヴ盤が出ました!残念ながらアメリカの「キング・ビスケット・フラワー・アワー」というラジオ放送用に録られたっちゅうことで、アルバムからは6曲のみなんですが、『さらば青春の光』でおなじみのナンバーばかりで改めてピートのロック・オペラ趣味は絶好調だったんだなあという印象です。同時期の泥沼ロック・オペラ趣味のレイ・デイヴィスとは違って… 大きなお世話ですね。すんません。音質は『Live At Leeds』と比べると遠く及ばないですが、まあそれなりに聴けるレヴェルは保っています。もうちょっとキースのドラムがきれいに録れていたらな、とは思いました。『四重人格』以外はいつもの「ベスト・オブ」レパートリーで、”Can't Explain”、”My Generation”、”Summertime Blues”、”Won't Get Fooled Again”、”See Me Feel Me”、そして”Pinball Wizard”です。CDの体裁はたいへん味気なくて、プラケ仕様に二つ折りのブックレットがついているのみです。手に入れたのは輸入盤国内仕様でライナー訳のついたやつです。ちょっと今どきこれはなあ~とは思いましたがまあいいです。でもたぶんこれから『四重人格』2枚組コンプリートCDとか出るんじゃないでしょうか?当時バンドがステージでやってればの話ですが、生き残りをかけて過去の遺産で食いつなぐレコード産業界の常套手段ですから。それでは以下トラック・リストです。トータル70分強です。
「りっぱな大人になれませーん」(ゴキゲンRadioより)