イメージ 1バカ高いレット・イット・ビー・ボックスはいったんお休みして、最近500円で買ったなつかしいレコいっときます。帯とポスターはついていませんでしたが、分厚い冊子つきで状態良好だったので満足っす。76年に日本の東芝EMI主導で制作された、ロックンロール・ナンバーばかりを集めた2枚組のアナログ盤で、銀色にテカテカ光ったジャケに、左右の指のイラストが浮き彫りになっているという豪華な作りです。中学生の頃だったか一度手に入れたことはあって愛聴していたんですが、しばらくして手放してしまいました。旗帯の日本盤で英国オリジナル作品をそろえれば全曲がダブってしまうっちゅうことで処分したはずです。処分する時に唯一心残りだったのが、これには”I Call Your Name”のモノラル・ヴァージョンとはかなり印象の違うステレオ・ヴァージョンが入っている!ことでした。まずイントロのギターのフレーズからして全然違うんですよね。大好きな曲なのでこれははっきりと記憶しています。今回40年ぶりくらいにこのステレオ・ヴァージョンを聴いてちょっと感動しましたよ。カッコええ曲です。片面7曲でトータル28曲のうち、後期(67年以降)に当たるのは”Revolution”、”Back In The USSR”、”Helter Skelter”、”Hey Bulldog”、”Birthday”そして”Get Back”の6曲だけで、『アビー・ロード』はああいうアルバムなのでしゃあないにしても、67年の『サージャント・ペパー』期が1曲も入ってないんですね。ビートルズの67年はロックンロールじゃないのか!まあたしかにそうかもしれません。でもせめて”グッモーニン・グッモーニン”だけでも入れてほしかったなあ。あと”Get Back”は最後にインストで戻ってくる青盤ヴァージョンをいれてほしかったです。とまあ名曲が多すぎるビートルズにありがちなファンのおなじみの言い分でした。
イメージ 1【レコ妖怪向けレビュー】

次は写真集です。下にページ数が載っていないので数えてみたら160ページありました。このボックス・セット、当時の国内盤で4,000円近くしたそうですが、今ならこの本だけでそれくらいしそうな豪華なカラー写真でいっぱいです。ちょうどYouTubeで全ページ紹介している人を見つけたので貼っときます。


表紙裏表紙ともツルツルコーティングで、背表紙にはアルバムのもともとのタイトルだったTHE BEATLES GET BACKとあります。味のあるジョンの表情、ひらべったいヨーコの顔、もじゃもじゃポール、あまり乗り気ではなさそうなリンゴにマイペース風なジョージと、これだけ写真があるとしばらく飽きんですわ。ポールと結婚してウィングスを結成することになるリンダ・イーストマンの連れ子だったヘザーちゃんがかわいいっす。62年12月生まれだそうですから、この時6歳くらいですかね?ネットでヘザーさんのことをいろいろ見ていたら、ポールがリンダにプロポーズした時のエピソードが載っていました。当時ポールはまずヘザーちゃんに「僕のお嫁さんになってくれる?」と聞いたそうです。すると彼女は「私はまだ子供だからダメよ」と答えたらしいです。ほんでポールは「じゃあ君のママと結婚していいかい?」と聞いて、「ママだったらいいわよ」とかいわれたそうです。粋なプロポーズしよんの~!まあポールだから様になるような話ですね。次はレコネタです。
イメージ 1【レコ妖怪向けレビュー】

写真集つきのUKオリジナル・ボックス・セット手に入れました。ローンで。レコ番号はPCS 7096、 マトリクスは最初期の2U/2Uです。まずは容れ物の話からいきたいと思います。上に写っているのはレコではなくて、外側のケースっす。左右両側が開いたマッチ箱みたいなスリップケースになっていたんですね。これは初めて知りました。レコの方には上部真ん中に「LET IT BE」のタイトルが入っていますが、こちらのケースにはなんもなしです。両面ともヴィニール・コーティングされていて裏側は真っ黒です。当時は「解散決定!これがラスト・アルバム!」としてリリースされたわけではないはずなので、結果的に喪に服したような色合いになってしまったのがなんとも皮肉です。下左に写っているトレイの中に写真集を収めて、その右にあるトレイにペコッとはめる仕組みになっています(そしてそれを上のケースにスルッと収める)。わかりやすいようにバラしてますが、もちろん常に左のトレイは右のトレイに収まった状態です。しかしこれがどちらも薄っぺらいちゃちな画用紙みたいなので作ってあって、ヒジョーにもろいんですね。現存するボックス・セットはどこか必ず傷んでいるか補修してあると思います。もうちょっとどうにかならんかったんですかね?写真集があまりにぴったりはまるので、取り出しにくくて無理矢理引っぱると周りがベリッといきそうでこわいです。たぶんこれを購入した当時の英国人たちのほとんどがやらかしたんじゃないでしょうか。そしてこのボックスを立てて長期間保存すると、やっぱり本の重みで下側が破れそうですね。というわけで、左トレイ下側の内側に、段ボールを細く切って補強してみました。あ、横にして保存すればいいだけの話かと思われるかもしれませんが、そんなものは気違いレコ妖怪の美学に反するのでダメっす。レコは立てて保存せんとあきません。次は写真集の中身の話か、国内盤&マトリクス2U/3Uのレコとの聴き比べかどっちかいきたいと思います。それでは続く!
イメージ 1第一期マッドネスのラスト・アルバムです。いきなり当時のロバート・パーマーのような大仰な80sサウンドが飛び出してきて、ある意味予想通りというか覚悟はしとったんですが、やっぱり大メジャーだった(ゆえに)彼らにもどうすることもできない時代だったんかな思います。リアルタイムでがまんして聴いていたスタイル・カウンシルから離れて、プリズナーズや60sやブルース/R&Bにハマっていったのがこの時期でしたね。ただしスタカンの『アワ・フェイヴァリット・ショップ』は好きでした。80年前後にイギリスから登場したU2やエコバニやアンダートーンズやダイアー・ストレイツなんかもいちおうそうですが、みんなつまらなくなってしまって、自分にとっては完全に過去のもんとなってしまったのがこの頃だったと思います。YouTubeで当時の彼らを見てみたら、見事に初期の面影がなくなってヤラシイ80sバブル・ファッションに身を包んだ彼らが出てきましたよ。というわけで、前作の『キープ・ムーヴィング』よりはいいと思いましたが、やっぱり”Uncle Sam”とヒット・シングルの”Yesterday's Men”以外はいまひとつ精彩に欠けるかな思います。ここまでくるとセカンドやサードの頃の”エンバラスメント”や”シャラップ”なんかが懐かしくなってくるし、その頃ってヒット・シングル以外にもいい曲いっぱいありましたよね。残念ながらこの翌年に解散となったのが納得のアルバムでした。ここまででアルバム6枚っちゅうことは82年に解散したザ・ジャムと同じ、最後の2枚が(個人的には)イマイチというのもジャムと同じ、そしてどちらも国民の人気を二分するほどのバンドだったのがオモロイです。ちょっと活動期間はズレますが、たぶん一時期ファンはかなりかぶっていたと思います。復活してから今でもバリバリの現役バンドとして、定期的にアルバムを発表してるんですよね?サッグスはちょっと太ってしまいましたけど、この人英国男子の典型的なハンサム顔で相変わらずカッコいいです(今のポール・ウェラーと違って)。
イメージ 1第一期マッドネスの最後から2番目、通算5枚目のアルバムをCDで買い直してじっくり聞きましたよ。どうも以前の自分はオープニング・ナンバーがしっくりこないとさじを投げてしまうことが多かったようで、これも一発目のタイトル・トラックで「なんじゃこら?」となってしまったようです。たしかに改めて聞いても例えば次の”マイケル・ケイン”と比べてしまうと、メロの弱さは否めんものの、控えめに新装シリアス・マッドネスを告げる助走ナンバーだったんですね。しかし”マイケル・ケイン”でいきなりこの路線の頂点に達してしまい、徐々に失速していくような気がするのは、前作の『ライズ&フォール』と同じパターンです。たくさんある彼らのヒット曲の多くには、たいてい必殺のサビメロが備わっているんですが、このアルバム中、それを感じるのは”マイケル”と”ワン・ベター・デイ”だけで、とにかくこの2つに出てくるとんでもない名サビメロのおかげで、他のトラックとの差が思いっきり出てしまったような感じです。次点として最後の”ギヴ・ミー・ア・リーズン”はけっこう印象的でしたけど、”March Of The Gherkins”から”Time For Tea”までの6曲の低迷ぶりはちょっとこのアルバムのイマイチ感を決定づけてしまったかな思います。少し昔に戻ったようなレゲエ調の”プロスペクツ”も「おお、もしかして名曲か!」と一瞬思わせるものの、サビが弱い!やはり”アワ・ハウス”の特大ヒット後のプレッシャーはそうとうなもんだったんですかね?マッドネス版『ヴィレッジ・グリーン』の次はロックンロールに戻ったマッドネス版『アーサー』を作ってほしかったです。ってわけわからんですね。といいつつ、実はまだ手元に到着していない次の『Mad Not Mad』に期待してます。この路線が実を結ぶのは実はそっちのアルバムなんじゃないか、いやそうであってほしい!と思ってます。また届いたらじっくり聴いてとりあげたいと思います。
イメージ 1若い頃はカッコつけて晴れた日なんか嫌いだ!とか夏よりも冬が好きとかいってましたが、オッサンになってからは正反対になってしまいました。今では冬よりもずっと夏の方が好きです。まず着るもんが楽でいいですね。Tシャツ1枚にサンダルでOKですから。早朝の涼しい時間帯に日向ぼっこするのも好きですし。ってここまできたらジジイですね。これから一番嫌いな梅雨がやってくると考えると気が滅入りますが、そんな時は救いようのない踏んだり蹴ったりのこれを聴いて、毒を以て毒を制すといきたいもんです。一体何周目かと思いますが、最近また彼らをよく聴くようになって、特に後期の”マイケル・ケイン”や”アンクル・サム”なんかがいいなあと思っていると、そういえば最後の2枚のアルバム『Keep Moving』と『Mad Not Mad』は前者がとっくの昔に売り飛ばしてしまって、後者に至っては未だに聴いてないっちゅうことに気づき、さっそく注文しましたよ。ニュー・ウェイヴ時代のキンクス後継者といえば、ジャムと並んで、いやもしかするとジャム以上に彼らだったかもしれないこの時期はやはりちゃんと聴かなあきませんね。それではどうぞ。

夜遅くに仕事から帰ってくる
日々の生活で身も心もボロボロ
手を洗う暇さえない
無情な仕打ちが夢の中でも僕を苦しめる

真夜中すぎに横たわっていると
意識半ば状態で
人々が僕にケンカを売ってくる夢を見る
いわれのない理由で

朝目が覚めると
体じゅうに痛みを感じる
外を見れば雨の降りそうな灰色の空
またうんざりする日が始まる
またうんざりする日が始まる

ごはんを食べて外へ出ると
人々はどなりながら僕を通り過ぎていく
僕はこの苦痛に耐えられない
なぜ彼らは僕に話しかけないんだ?

公園で一休みしなきゃならない
横になって僕は最善を尽くす
雨が僕の顔に落ちてくる
いっそのこと跡形もなく消えてしまいたい
イメージ 1ジャムの中で一番好きなアルバム『Setting Sons』の中で一番好きな曲”Thick As Thieves”(邦題:引き裂かれぬ仲)です。ちゅうことはジャムで一番好きな曲というとこれになりますね。オカンに頼んでパッツンパッツンにしてもらった学生服のズボンをはいて見に行った80年の初来日公演のオープニングとしても思い出深いナンバーっす。リアルタイムの中3から高1にかけては、学校から帰ってくると自室に閉じこもって穴があくほど歌詞カードの対訳を読みながら毎日くり返し聴いていたアルバムなので、思い入れは半端でないです。なんと暗く不健康な学生時代か。この武内邦愛さんの対訳、今読んでもとんがっていた当時のポール・ウェラーが目に浮かぶようで最高のセンスだと思います。要約すると、いっしょにつるんで悪いことばかりしていたが、いつまでもこんなことやっててもしょうがない、悪友との仲もついに限界がきた、もう終わりにしようぜってな感じですかね?と書くとただのツッパリのたわごとみたいですが、合間の文学青年らしいウェラーのことばの使い方がたまらん部分です。ツッパリって。それではどうぞ。

ヤバイことも続いたが 今の奴らほどじゃなかったぜ
俺たちゃいい仲で 邪魔するものは何もなかった
この世の中で 隠し事なんかもなかったさ

最高の仲で いつもいっしょだったが
通じ合ってるつもりが ちょいと行き違っちまった
俺たちを結びつけてた友情を利用しちまったんだ

俺たちゃ学校や図書館から盗んだ
俺たちゃ気分よく眠れるクスリを盗んだ
俺たちゃ気分のムカつく酒を盗んだ
俺たちゃ隠しきれないほどたくさん盗んだ
だがもう十分だった 失うものが多すぎた
いつだって俺たちゃいい仲でいたかったのさ

全くの他人として お前は俺の人生に入ってきた
完全無欠のローン・レンジャーのように
お前はぶっ飛んでいった・・・

俺たちゃ夢の世界に遊ぶ少女たちから愛を盗んだ
俺たちゃ秋の落ち葉を 夏の雨を盗んだ
俺たちゃ沈黙の中に自由を告げる風を盗んだ
俺たちゃこの目に見えるものすべてを盗んだ
だがそれでは足りなかった
俺たちゃすべてをメチャクチャにした
俺たちの仲も もうこれで終わりさ

お前は俺の人生に入ってきた
そしてアカの他人のような顔をして
お前は出て行った 出て行った

俺たちゃ最高の仲で いつもいっしょだったが
通じ合ってるつもりが ちょいと行き違っちまった
俺たちを結びつけてた友情を利用しちまったんだ

俺たちゃ大空から太陽を盗んだ
闇夜にまばたく星を盗んだ
俺たちゃ緑の野原を盗んだ
俺たちゃ目に見えるものすべてを盗んだ

だが何かがやってきて俺たちの心を変えさせた
それが何だか なぜだかわからない
だが一瞬の間に俺たちゃ随分大人になった気がした
俺たちの夢が虚しく消えていくのを見た

ああ―これで俺たちの仲も終わりさ
もう昔にゃ戻れない―no
これで俺たちの仲も終わりさ―no
もう昔にゃ戻れない―no no

それで終わりじゃなかった
―俺たちゃ何もかもメチャクチャにした
もう俺たちの仲もこれで終わりさ

(対訳:武内邦愛さん)
イメージ 1【レコ妖怪向けレビュー】
トラック・レコードのUKオリジナル・ステレオ盤入手しましたよ。ザ・フーの中では一番好きなアルバムです。とても状態がいいにもかかわらず、だいたい相場の半額かそれ以下で買えました。わーい。ほんでなんつっても天下のザ・フーですから、このUKステレオ・オリジの評判をネットでいろいろ調べてみたらば、これがなかなか芳しくないんですね。たしかにレコーディング技術が飛躍的に伸びた、ビーのサーと同じ67年という時代を考えると音悪いと思います。というわけで、バカ耳ながら80年頃に初めて国内再発されたレコと、95年のリミックス&リマスターCDと聴き比べてみました。まず国内再発盤とはそれほどの違いは感じられませんでした。オリジナル盤の方はヴォーカルが中央の定位を保っているのに対して、国内盤はやや左寄りってことくらいでしょうか。あと国内盤では”Our Love Was”の間奏のカッチョいいリード・ギターの後半がわずかにガクッとヨレるんですが、さすがオリジナル盤ではそんなことはありませんでした。まあヘッドフォンで集中して聞かないとわからないレベルです。CDとの違いはどうか?っちゅうとこれが断然CDの方が音いいんですね。ただ『My Generation』のステレオ・リミックス盤が出た時にも感じたことなんですが、楽器、ヴォーカルそれぞれのパートの輪郭がはっきりする代わりに、線が細くなるというか、なにか全体にこじんまりしたサウンドに聞こえるんですよね。周波数レンジの問題でしょうか?”Our Love Was”のリード・ギターに関しても、CDでははっきりくっきりした代わりに、バンド・サウンドの中に溶け込まず、どこかとってつけた感じに聞こえます。そんなわけでレーベル仲間のジミヘン同様、当時のトラック・レコードの音はしょせんこんなもんと思うことにして、なんだかんだいってもオリジの勝利!ということにしたいと思います。ちなみに低音が前に出たUKオリジナル・モノ盤との比較でも音質自体はそれほどの違いは感じられませんでした。でもオリジナル・リリースから数年後に再発された「Back Track」盤は一度聴いてみたいですね。おわり
イメージ 1【レコ妖怪向けレビュー】
UKオリジナルのラフ・トレード盤です(ROUGH 106)。やっぱりコレクター気質がムラムラとわいてきてしまい、結局スミスのオリジナル作品は全てUKオリジナル盤でそろえてしまいました(しかも『ラウダー・ザン・ボム』のUK盤まで)。ジャケに関してはモリッシーの好きそうな映画のマニアでもないかぎり、ちょっとピンとこないっちゅうか、写真自体がピンボケっちゅうか、はっきりいってインパクトなさすぎです。ただ上の「THE SMITHS」のところが浮き彫りのエンボス加工になっていて、そこだけが格調高いです。裏ジャケ右上にはあのにっくきバーコードが付いてます。バーコードの付いていなかった前作の『クイーン・イズ・デッド』が86年で、これが87年ですから、ひょっとするとこの時期にレコにバーコードが使われ始めたってことでしょうか?スミスの活動期間があと1年だけ前にずれていれば、この最後のアルバムまでバーコードなしだったのに・・・残念ながらギリギリおそかったっす。いちおうコンピということで『ハットフル・オブ・ホロウ』を除いたオリジナル・アルバム全4枚中、最高なのはもちろん『クイーン・イズ・デッド』、そしてその次が個人的にはこのアルバムですね。メンバーはみなこれが一番好きだそうですし、レコーディング中の雰囲気もそれまでで最高だったそうですから、まさかここでスミスが終わるとは自分たちも思いもよらなかったといってはります。「ストレンジウェイズ」というのはマンチェスターにある刑務所の名前なので、タイトルは「刑務所に僕らは着いた」ってことになるわけですから、バンド解散のことを考えるとめちゃくちゃ皮肉なタイトルに結果的にはなってしまったということです。全曲の歌詞の載ったインナーバッグもジャケと同様のボケボケの誰かの顔写真が両面バックに写ってます。色も同じだし。これだけ購買意欲をそがれる装丁も珍しいです。さすがスミスっす。
イメージ 185年にアイランド・レコードからリリースされたサンディのLP4枚組ボックス・セットです。カタログ・ナンバーは「SDSP 100」なんですが、同じアイランド・レコからのニック・ドレイクの3枚組LPボックスが「NDSP 100」なんですね。つまりサンディの方のSDとニックのNDはそれぞれのイニシャルだったわけですね。昔クレイジー・ケン・バンドの横山さんが雑誌かなんかのインタビューを受けてたのを読んだことがあって、その中で「オレ、レコードは500枚以上増えないようにしてんですよ」といってたんですね。これすごく気持ちわかるんです。500枚よりは多いですが、私もレコが増えてきてラックがいっぱいになってくると、ラックを買い足すんではなくてレコを減らしたくなってきて、レコスケ君いうところの「レコ裁判」を開くわけです。ところが写真やなんかの整理と同じで、これは要らないか、と思って「どれどれちょっと聴いてみるか」とかいってターンテーブルに載せたら最後、「ええやん!売るのやめやめ!」となるんですね。これパターンですね。今回このボックス・セットも見事にそのパターンにはまりました。サンディの未発表音源やデモやBBCライヴはのちになって、10枚組とか20枚組とか(?)CDボックスでいろいろとえげつないのが出てるんで、今となっては内容的に希少価値はないと思います。しかしアナログ盤としての価値と、この世に最初に出たサンディのアンソロジー・ボックスとしての価値は今でも揺るぎないんじゃないでしょうかね?順番に聴いていくと、さすがにソロ最終作『ランデヴー』とかフェアポートの『Rising For The Moon』あたりでちょっと退屈してしまうんですが、また最後の面でちょっといい時期に戻ったりして、リスナーのことをちゃんと考えてくれる編集になってます。ジョー・ボイドとトレヴァー・ルーカスの制作なのでそのへんのバランス感覚はバッチリです。なおこのボックス・セットはのちにジョーのハンニバル・レコードからもリリースされました。