一昨日の続き(またかい!)。
徳川家康(1988/TBS)
たまには民放の時代劇も観てみた。
大河が絶頂期の頃に作られたもの。
あの頃「独眼竜政宗」や「武田信玄」などのヒットにより、民放の時代劇も活気づき年末年始などによく大型時代劇が放映されてました。
東映の制作で、史実より娯楽性重視で作られており、かなり脚色も見られる。
三河時代の家康の懐刀、石川数正が史実ではとうに故人でありながら、関ヶ原に乱入し討死。
桶狭間の戦いで家康の正室、築山殿に拾われた娘が、息子信康と恋仲になり、二人が亡き後には芸人となり全国を廻り、出雲阿国になる。
気位の高い築山殿が良妻賢母になっている。
などの脚色が見られ、当時の視聴者を唖然とさせたとか。
しかし中々面白いとは思いますがね。史実と違う脚色でも、生かせて面白く出来ればまだましですな。
(配役)
徳川家康・松方弘樹
築山殿・十朱幸代
右京/阿国・名取裕子
酒井忠次・長門裕之
尾崎監物・夏八木勲
豊臣秀吉・緒形拳
淀殿・池上季実子
北政所・岩下志麻
石田三成・真田広之
濃姫・佐久間良子
織田信長・山城新伍
石川数正・千葉真一
中々クドい面々ですな(笑)。
松方弘樹は後に20年後に「天地人」でも同役を演じましたが、アチラの小悪人みたいな悪役とは違い、こちらはもっとエネルギッシュな家康でした。女癖が悪く、尚且つ涙もろく人間くさい人物に描かれていました。いたる所で女に手を出し、しまいには精力剤片手に淀にまで手を出そうとするあたり!。
女とチチクリ合ってる場面を見てると、十中八九恐らく松方氏のアドリブではなかろうか?、とつい勘繰ってしまった。
寧々の十朱幸代は既存のモノとは違い真逆の良妻賢母の築山殿。
名取裕子はいかにも東映ならではって感じですね。
長門裕之は、若干大河「徳川家康」の本多作佐に見えますね(笑)。
石川数正はやや見栄えが立派過ぎる気がする。千葉真一だから、史実を捩曲げられたのか知らん?。
夏八木勲も若干「真田太平記」とカブってますね。
山城新伍と佐久間良子の信長と濃姫も、東映の匂いがプンプンですね。でも時代劇の役者だから、見せ場はキッチリ見せてました。ただ濃姫もおかかとカブる…。
緒形拳の秀吉は「太閤記」、「黄金の日日」に続いて三度目の登板。言うこと無しですが、単発の作品だと、どうしても出番が少なく感じてしまいますね。
池上季実子の淀も「おんな太閤記」に続いて二度目の登板。より熟してますな。
思えば「黄金の日日」と「おんな太閤記」の寧々が、それぞれ家康と信長の妻になってる訳ですね。
で、この時の寧々は岩下志麻!。重量級の北政所ですね。
石田三成役には、真田広之が登場。後に大河の「秀吉」でも同役で登板しました。
「関ヶ原」(1981)
司馬遼太郎の同名小説のドラマ化。
TBS開局30周年を記念して制作されました。
原作を見事に映像化したと評判になったそうです。
大規模で制作され、クライマックスでは3000人以上のエキストラが動員されたそうです。
演出は時にまるで歌舞伎のように見栄をきるような、様式的にも見えるような場面が見受けられました(三成と清正が絡む場面など)。
(配役)
徳川家康・森繁久禰
本多正信・三国連太郎
鳥居元忠・芦田伸介
阿茶局・京塚昌子
石田三成・加藤剛
島左近・三船敏郎
初芽・松坂慶子
豊臣秀吉・宇野重吉
北政所・杉村春子
淀・三田佳子
大蔵卿・賀原夏子
孝蔵主・三崎千恵子
前田利家・辰巳柳太郎
芳春院・沢村貞子
浅野長政・稲葉義男
加藤清正・藤岡弘
福島正則・丹波哲郎
細川忠興・竹脇無我
細川ガラシャ・栗原小巻
堀尾忠氏・角野卓造
山内一豊・千秋実
毛利輝元・金田龍之介
宇喜多秀家・三浦友和
大谷吉継・高橋幸治
小西行長・川津祐介
安国寺恵瓊・神山繁
上杉景勝・三沢慎吾
直江兼続・細川俊之
小早川秀秋・国広富行
島津義弘・辰巳柳太郎
出雲阿国・木の実ナナ
名古屋山三郎・三浦洋一
原マルチノ・田中健
国友寿斎・笠智衆
神谷宗湛・北村和夫
北庵法印・大滝秀治
日野屋主人・藤原釜足
奇跡と呼ばれたキャスティング。この凄まじさは半端ないですね。
家康だけではなく三成を同等に扱うのは、当時は珍しかったようです。
森繁久弥のしたたかながら悲哀漂う家康、加藤剛の高潔で不器用な三成、どちらもハマってますね。
脇に三国連太郎、芦田伸介、三船敏郎、大友柳太郎、宇野重吉等々。重厚過ぎて筆舌尽くし難いですな。
他に血走った藤岡弘。壮絶な高橋幸治。飄々とした千秋実と角野卓造のコンビなども印象的でした。
この中で安国寺恵瓊役の神山繁は「黄金の日日」に続いて、三田佳子の淀も「太閤記」に続いてそれぞれ二度目の登板でした。
また出雲阿国役の木の実ナナも後に舞台ミュージカルで同じ役を演じてますね。
歴史モノでは当たり役になると、何度も同じ役を演じる事が多々あるようですね。
長々と書いてすみません。今週来週は「真田太平記」と「葵徳川三代」を観る予定です。楽しみだけど、疲れそう…。