韓国軍、北方限界線付近で砲撃訓練 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎韓国海兵隊、延坪島・白翎島で5年9カ月ぶりに実弾射撃訓練…自走砲・ロケット砲290発
「9・19南北軍事合意」効力全面停止後初
 

 

 韓国軍海兵隊は26日に韓国北西部の島々とその周辺海域で砲撃訓練を行った。この地域での砲撃訓練はこれまで9・19合意により中断していた。韓国軍西北島しょ防衛司令部は同日午後、海兵隊第6旅団が白翎島で、また延坪部隊が延坪島で海上射撃訓練を実施したことを明らかにした。この海域で実弾射撃訓練が行われるのは9・19軍事合意締結以来5年9カ月ぶりだ。
 今回の訓練に動員されたのはK9自走砲、多連装ロケット砲「天舞」、スパイクミサイル、2.75インチ誘導ロケット「匕弓」などだ。合計290発以上を白翎島と延坪島南西の公海上に設置された仮想目標に向け発射した。K9自走砲は西北島しょ海兵隊の主要兵器だ。最大射程距離は40キロで、155ミリ砲を1分間に6-8発撃つことができる。天舞は最大射程距離80キロで、サッカー場の3倍の広さを焦土化できる多連装ロケット砲だ。スパイクミサイルは黄海道の海岸坑道に隠された北朝鮮海岸砲を攻撃する兵器だ。
 韓国軍は当初、北朝鮮による汚物風船に対抗し今月20日に西北島しょでの実弾射撃訓練再開を検討してきたが、実際の再開に当たっては慎重を期した。西海の最前線となる海域で実弾射撃訓練を再開した場合、軍事面での多大な影響は避けられないからだ。2010年11月には海兵隊延坪部隊のK9自走砲射撃訓練を口実に、北朝鮮は122ミリ放射砲(多連装ロケット砲)と海岸砲で「延坪島砲撃挑発」を仕掛けてきた事例もある。
 しかし北朝鮮が韓国政府の警告を無視し、24日と25日の2日連続で韓国に汚物風船を飛ばしたため対応が見直された。韓国政府のある幹部は「9・19軍事合意という足かせがなくなったので、西北島しょではいつでも実弾射撃訓練の再開が可能だ」「北朝鮮による度重なる挑発には警告が必要だ」と指摘した。
 海兵隊はこれまで9・19軍事合意を理由に、海上で実弾射撃訓練を行うたびに白翎島と延坪島に配備されたK9自走砲などを貨物船で陸地に運搬していた。京畿道坡州市、漣川郡、江原道江陵市などの射撃場にこれらの武器を運搬する費用だけでも年間20億ウォン(約2億3000万円)以上を要した。白翎島と延坪島の武器が訓練のため陸地に移動して生じる空白は金浦や浦項のK9自走砲で埋め合わせた。費用も問題だが、実際の駐屯地で訓練ができなかったため、西北島しょの防衛力が顕著に低下することへの批判も相次いでいた。
 海兵隊は報道資料を通じ「今回の訓練は、最近相次ぐGPS(衛星利用測位システム)かく乱やミサイル発射など、北朝鮮による挑発で9・19軍事合意の効力が全て停止したことを受けて行われる西北島しょでの最初の海上実弾射撃訓練だ」「今回の訓練後も定期的に海上で実弾射撃訓練を行い、海兵隊の火力運用能力向上と軍事態勢の完全性向上を推進する予定」と説明した。海兵隊はさらに「今回の実弾射撃訓練は定期的かつ防衛的な訓練」と強調した上で「国連軍司令部軍事停戦委員会の国際参観団が参観し、また事前に航行警報を発するなど、通常の手続きに従って行われた」とも明らかにした。北朝鮮による汚物風船やGPSかく乱などの挑発とは違い、韓国軍による今回の訓練は国際的に定められた公式の手続きに沿って行われたことを意味する。
 韓国政府は西北島しょにおける今回の実弾射撃訓練再開を皮切りに、北朝鮮への警告の意味合いを込めた軍事行動を段階的に強化する方針だ。西北島しょはもちろん、実弾射撃訓練がこれまでできなかった北朝鮮との境界線付近の地上演習場でも今後実弾射撃訓練が行われる見通しだ。

 

◎韓国軍、北方限界線付近で砲撃訓練 南北軍事合意停止後初めて

 

 

[ソウル 26日 ロイター] - 韓国軍は、黄海上の南北の境界線である北方限界線(NLL)付近で砲撃訓練を実施したと発表した。韓国は6月初めに、北朝鮮との南北軍事合意の効力停止を決定。砲撃訓練を実施すると発表していた。