米国防長官、イスラエル対ヒズボラの「戦争」の可能性に警鐘 | すずくるのお国のまもり

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◎米国防長官、イスラエル対ヒズボラの「戦争」の可能性に警鐘
「中東に恐ろしい結果もたらす地域紛争になりかねない」と指摘
イスラエル国防相は、ガザ巡る対立超え協力を要請

 

 

 オースティン米国防長官は25日、イスラエルがレバノンを拠点とする親イラン民兵組織ヒズボラと戦争となれば「恐ろしい結果」をもたらすと警告した。ここ数日イスラエル北部にロケット弾を集中砲火しているヒズボラに対し、新たな攻撃を開始すると脅しているイスラエル政府高官を意識したものだ。米国のバイデン政権は、中東の紛争拡大を防ごうと苦慮している。
 オースティン氏は、訪米中のイスラエルのガラント国防相との会談の冒頭、国防総省で発言した。
 オースティン氏は「ヒズボラの挑発行為は、イスラエルとレバノンの人々を、望まない戦争に引きずり込む恐れがある。そのような戦争は、レバノンにとって大惨事となり、罪のないイスラエルとレバノンの市民に壊滅的な打撃を与えるだろう」と述べた。また、こうした衝突が「中東に恐ろしい結果をもたらす地域紛争になりかねない」と強調した。米国はヒズボラをテロ組織と見なしている。
 イスラエルのネタニヤフ首相は24日、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスに対する作戦に参加していた部隊の一部を、イランの協力者でありハマスの支援者でもあるヒズボラが脅威をもたらしている北部地域に再配置すると述べた。ネタニヤフ氏は「もし可能なら外交的手段で、そうでなければ別の方法で実現する」と語った。
 イスラエルのネタニヤフ首相、ガザでの大規模作戦は近く終了と示唆
 ヒズボラによる国境を越えた砲撃やロケット攻撃は、昨年10月のハマスによるイスラエルへの攻撃を受け、イスラエル軍がガザに侵攻した直後から始まった。レバノンでもイスラエル北部でも、市民は家を追われた。
 ガラント氏の訪米は、ネタニヤフ氏がバイデン政権を武器の提供を差し止めているとして非難するなど、ガザ紛争を巡り米イスラエルの関係が緊張している中で行われた。ホワイトハウスは武器の差し止めを否定しており、ガラント氏とオースティン氏の会談の説明にも、24日のブリンケン米国務長官との会談の説明にも、この問題についての言及はなかった。
 ただ、ガラント氏は、意見の相違は差し置き、ヒズボラとの対立においてイスラエルを支援するよう米国に求めた。イスラエル国防省の声明によると、ガラント氏は「敵も味方も、米国とイスラエルの関係に注目している。われわれは違いを早期に解決し協力しなければならない。そうすることで、目標を達成し、敵を弱体化させられる」と訴えた。