開城工業団地、全面再稼働の兆候 | すずくるのお国のまもり

すずくるのお国のまもり

お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎VOA「開城工業団地、全面再稼働の兆候…建物を新築中」

 

 

 開城(ケソン)工業団地内で約30台のバスが運行され、新しい建物が建設されるなど全面的に再稼働する状況が捕捉されたと、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が25日報じた。
 VOAは25日、民間衛星サービス「プラネット・ラボ」の20日の衛星写真を分析し、開城工業団地内の空き地に建物が新築されている状況を捕捉したと報じた。
 開城工業団地の出入口から内側に約300メートル離れた地帯は先日まで空き地だったが、現在は横50メートル、縦10メートルほどの建物が建設中という。
 衛星写真で捕捉された建物はまだ天井が覆われていない未完成状態だが、長い小さな部屋12個と、大きな部屋または空間6個で構成されているとみられる。また敷地の内側にも長方形の構造物が見えるが、肉眼ではこれが新しい建物なのか、それともコンテナなど物体を積んだものかは把握できない。
 VOAは開城工業団地閉鎖直前の企業地図を衛星写真と比較・分析した結果、建物が新築されている敷地は韓国企業「東遠F&B」の所有と伝えた。
 また工業団地内の工場敷地と道路、空き地で活発な動きが捕捉され、特に過去に南側が提供した開城工業団地勤労者出退勤用バスが25カ所の工場あるいは建物の前に1、2台ずつ停車しているのが捕捉された。
 衛星写真では開城工業団地バスの車庫が過去に比べてかなり空いている状況も確認された。開城工業地区管理委員会は開城工業団地が正常運営されていた当時、北側の勤労者の出退勤の便宜を提供するためエアロシティバス約290台を提供したが、現在はこのうち約160台だけが残っていると把握される。
 開城工業団地は南北交流活性化を目的に2005年に稼働を開始、その後120余りの韓国企業が入居し、最大5万人にのぼる北朝鮮勤労者を雇用して運営された。
 しかし2016年2月、韓国政府は北朝鮮の核・長距離ミサイル試験などを理由に工業団地の稼働中断を決定した。
 その後、北朝鮮は韓国側資産に対する全面凍結を宣言し、2020年には韓国脱北者団体の対北朝鮮ビラ散布を問題にして開城工業団地内の南北共同連絡事務所を爆破した。
 しかし北朝鮮は連絡事務所を爆破した後、工業団地を無断で稼働し始めた。特に今年は全国的に施行中の地方工業工場建設計画に基づき工業団地を自主的に再開発して運営するとみられる兆候が次々と表れている。
 韓国統一部はこの日の定例記者会見で関連報道について「建物の新築など事実関係を追加で綿密に確認する」と答えた。