北朝鮮、プーチン大統領の訪朝を報道 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎プーチン大統領が訪朝する

 

 

【平壌6月17日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長の招きによって、ロシア連邦のウラジーミル・V・プーチン大統領が6月18日から19日まで朝鮮民主主義人民共和国を国家訪問する。---

 

◎「プーチン氏訪朝、北朝鮮には最大の戦略的機会…金委員長と危険なブロマンス」

 ロシアのプーチン大統領が18日から北朝鮮を訪問することが有力視される中で、プーチン大統領の今回の訪朝に対し「北朝鮮には冷戦以降で最大の戦略的機会になっている」という分析が出てきた。
 英時事週刊誌エコノミストは、プーチン大統領の訪朝が差し迫った16日、「プーチンと金正恩(キム・ジョンウン)の危険なブロマンス」という記事を通じてウクライナ戦争を契機に近づいた朝ロ関係をこのように評価した。
 エコノミストはラブレターをやりとりしていたトランプ前米大統領から2019年のハノイでの首脳会談でひじ鉄を食らった金正恩委員長が、ウクライナ戦争の動力になってくれる武器のために歓心を得ようとするプーチン大統領を新たな「ベストフレンド」として迎えたとし、プーチン大統領と金正恩委員長のブロマンスが地政学的な変化のおかげで可能になったと診断した。
 また、北朝鮮と協力することによりロシアは武器生産大国であり、米国の友邦である韓国がウクライナに殺傷兵器を直接支援するのを抑止する効果も狙っているとメディアは評価した。
 朝ロがこのように密着すると、米政界では朝中ロが新たな「悪の枢軸」を結成したという前提の下での議論まで行われている。70年以上前の朝鮮戦争当時に中国とロシアの前身であるソ連は北朝鮮側に立って米国に対抗した歴史があるが、一部では中国とロシアの合同支援が北朝鮮の攻撃性をあおりかねないと懸念している。
 こうした懸念は現在までは杞憂となっているが、少なくとも力強い両国を支持勢力として置いている以上、北朝鮮が米国を直接相手にする特別な誘惑を感じられないものであることは自明だ。北朝鮮もまた、対北朝鮮関係をテコに中国とロシアに同時に影響力を拡大することもできるとエコノミストは分析した。
 これに対し米シンクタンクのカーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ上級研究員は「北朝鮮にとっては冷戦が終わってから最大の戦略的機会」と評価した。
 朝ロの密着にも金正恩委員長とプーチン大統領の友情は限界を迎えているという指摘も出る。北朝鮮専門家である韓国国民大学のアンドレイ・ランコフ教授は、「ロシアと北朝鮮の新しい愛は皮相的で、人為的なもの」と主張した。
 北朝鮮はこの見返りとしてロシアから核兵器設計図や大陸間弾道ミサイル技術など最先端軍事技術を伝授されることを望んでいる。だが金正恩委員長にロシア製高級リムジン車両をプレゼントしても、プーチン大統領が核兵器や弾道ミサイルと関連した軍事的に敏感な技術を北朝鮮に伝えはしなかったというのが韓国当局者の判断だとエコノミストは伝えた。
 ロシアが昨年9月以降に北朝鮮に送ったコンテナ9000個のうち大部分は食糧と燃料だったと推定される。
 
プーチン大統領は実際に武器製造と関連した技術を北朝鮮に伝えるよりは、ウクライナに対する韓国の支持を抑制するためにこうした脅威を利用する可能性が大きいと専門家らはみている。
 ウクライナ戦争前にはロシアにとって5番目の輸出国だった韓国はロシアにとって北朝鮮よりはるかに魅力的であり、北朝鮮は韓国との扉を開いておきたがっているということだ。
 エコノミストは5期目の就任式後の先月に北京を訪問したプーチン大統領が当初北京から平壌(ピョンヤン)に移動したがったが、中国を意識して思いを遂げられなかったのは中国のこうした立場をよく示すものだと指摘した。
 その上で「(北朝鮮、中国、ロシアの関係において)あらわれている絵は「専制主義政権間のしっかりとした連合」ではなく「汚れた三角関係」と評価した。

 

 

◎ロシア大統領18日極東訪問、その後訪朝か

 

 

 【モスクワ共同】ロシア大統領府は17日、プーチン大統領が18日に極東サハ共和国を訪問すると発表した。その後、北朝鮮とベトナムを歴訪する可能性がある。