韓国軍のGP復元第1段階、臨時施設が完工 | すずくるのお国のまもり

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◎韓国軍のGP復元第1段階、臨時施設が完工…南北対抗措置(1)

 

 

 

 国防部は2018年11月15日、江原道鉄原(カンウォンド・チョルウォン)地域の中部戦線GP(監視哨所)の上部構造物を爆破方式で撤去したと明らかにした。当初、軍当局は非武装地帯(DMZ)環境保存と作業人員の安全問題を考慮し、主に掘削機を動員してGPを撤去することにしたが、撤収対象GPの上部構造物が高地にあり、掘削機の動員が難しいため、爆発物を活用したと伝えた。爆破される南側GPの左側に撤去中の北側GPと北朝鮮軍が見える。
 韓国軍当局が非武装地帯(DMZ)内の監視哨所(GP)復元作業を段階別に進め、最近、臨時施設設置など第1段階の措置を完了したという。新しいGP建物のための準備作業を終え、建設を本格化する次の段階を眺めているのだ。一方、北朝鮮が最近DMZ内にコンクリート構造物を建設する状況が捕捉されたが、複数の場所で「対戦車防壁」を積んでいると、軍当局は判断している。
◆韓国軍、GP復元作業を3段階で進行…「第1段階完了状態」
 16日、複数の政府筋によると、軍当局はコンテナと簡易防護壁を設置する第1段階のGP復元工事を1月に開始し、春に終えた。軍消息筋は「GPの復元を段階別に分けて進めている」とし「GP1カ所を最新式にするのに約200億ウォン(約22億円)かかるため精巧に進める必要があり、大きく3段階に分けて進める計画になった」と説明した。
 韓国のGP復元は、北朝鮮が撤収したGP11カ所を復旧したことに対抗する意味で推進された。南北は2018年11月の9・19南北軍事合意に基づき、GPをそれぞれ11カ所ずつ互いに撤収(うち各1カ所のGPは原形保存)したが、北朝鮮は昨年11月に9・19軍事合意破棄を一方的に発表してGP復旧作業に入った。その後、韓国軍当局も「我々も(北側の行動に)相応の措置を取る」としてGP復元を予告した。
 第1段階はコンテナを入れて将兵の臨時施設を設置し、砂袋などを積んで防護壁を築く作業だった。別の軍関係者は「2018年11月に爆発物はもちろん掘削機まで動員して破壊した旧GPは事実上、跡地だけ残った状態だった」とし「第1段階の事前作業にも少なからず努力と期間が必要だった」と伝えた。本工事のための基礎作業に4、5カ月かかったのだ。
 続いて第2段階は復元GPが属する各師団・軍団が参加した中で計画を具体化しているという。一部の臨時施設を補強する方向で進められる可能性が高い。例えば臨時防護壁からコンクリート構造物などで完成する案が言及されている。
 第3段階は状況室、将兵生活館など建物を完工し、これらGPの警戒態勢を9・19軍事合意以前に完全に回復することを意味するという。軍当局者は「本格的な工事には重装備などが投入されるため、DMZを管轄する国連軍司令部とも協議する必要がある」と述べた。この過程でK-6重機関銃・K-3軽機関銃など各種重火器投入時期も決まるとみられる。
 これに先立ち昨年12月、当時の趙太庸(チョ・テヨン)大統領室国家安保室長は「我々のGPが『ジェネシス車』なら北のGPは『ポニー車』レベルという話がある」とし「科学化先端装備を備えているジェネシスのようなGPを近く復元する」と明らかにした。

◆段階別GP復元…南北状況管理の意図との解釈も
 韓国政府がこのようにGP復元を段階別に進めるのには、費用と手続きの側面だけでなく、状況管理の必要性も念頭に置いたものと解釈される。今後の北朝鮮の態度の変化によっては段階別履行速度を調整する一種の「サラミ戦術」と考えられる。北朝鮮の「汚物風船」挑発に比例的・段階的な対応原則を決めて対北朝鮮拡声器放送を再開しながらも、一日にわずか2時間だけ実施したのも似た脈絡だ。
 にもかかわらず北朝鮮はDMZ内で南北断絶形態を継続している。先にGPを復元して重火器を配備しながらも、韓国が同じ方式で対抗すると、DMZ内で広範囲の地雷埋設作業を始め、さらに対応の程度を高めた。
◆DMZで捕捉された新たな障害物、対戦車防壁の可能性
 最近、MDL1キロ以内の区間の東部・西部・中部戦線一帯に塀を建てる動向が、韓国軍当局の監視装備で捕捉された。これに関連し、北朝鮮が248キロのMDLに沿って全区間に障壁を築く可能性があるという報道もあったが、軍当局は障壁でなく「対戦車防壁」の可能性が高いとみている。一部が主張した「ベルリンの壁」のような概念というより、戦車が通過する可能性があるところに障害物を設置しているということだ。
 北朝鮮は金日成(キム・イルソン)執権当時にも「全国土要塞化」指針に基づき、前方の主要地域に高さ4メートルの対戦車防壁を構築した。9日に北朝鮮軍20-30人がシャベルなどを持ってMDLを50メートルほど侵犯したのも関連作業中に生じた可能性がある。
 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は今年1月、最高人民会議の施政演説で「南北交流協力の象徴として存在した京義線(キョンウィソン)の我々側の区間を回復不可能なレベルで物理的に完全に遮断することをはじめ、境界地のすべての南北連係条件を徹底的に分離させるための段階別措置を厳格に実施する」と公言した。韓国に向けた敵対的な基調の強化が一時的な戦術でないという点を浮き彫りにするため、さまざまな象徴的な措置を取っているという解釈が出ている。