日米拡大抑止協議で省庁間机上演習を実施 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎日米拡大抑止協議
 2024年6月13日から14日まで(現地時間)、日米両政府は、米国政府主催の下、米国ワイオミング州シャイアンのF・E・ウォーレン空軍基地において、日米拡大抑止協議(EDD)を実施しました。日米は、日米同盟の中核である拡大抑止の維持・強化のあり方を議論するための恒常的な場として、2010年にEDDを設立しました。

 米国側は、アレクサンドラ・ベル国務省軍備管理・抑止・安定性局次官補代理(Ms. Alexandra Bell, Deputy Assistant Secretary, Bureau of Arms Control, Deterrence, and Stability, Department of State)及びリチャード・ジョンソン国防次官補代理(核及び大量破壊兵器対策担当)(Mr. Richard Johnson, Deputy Assistant Secretary of Defense for Nuclear and Countering Weapons of Mass Destruction Policy, Office of the Secretary of Defense, Department of Defense)が、日本側は、宮本新吾外務省北米局参事官及び安藤敦史防衛省防衛政策局次長が共同議長を務め、日米双方の安全保障政策部局や軍備管理担当部局に加え、自衛隊、米戦略軍、米インド太平洋軍及び在日米軍を含む関連部局の担当者が出席しました。

 4月10日にワシントンD.C.で行われた日米首脳会談の際、バイデン大統領と岸田総理大臣は、日本の防衛力によって増進される米国の拡大抑止を引き続き強化すること及び二国間協力を更に強化していくことの決定的な重要性を改めて確認しており、今回のEDDは、それに引き続き行われたものです。 両代表団は、2023年12月に日本で開催された前回のEDDから協議を進展させ、突っ込んだ議論を行い、本協議を一層強化するための取組について意見を交換するとともに、これらの目的を推進するための方策について協議を行いました。
 双方は、地域の安全保障環境に対する課題、特に北朝鮮による核・弾道ミサイルプログラムの継続的な開発に加えた露朝間の軍事的連携の増大、並びに中国による透明性を欠いたまま加速している核戦力の増強について評価を共有しました。 双方は、地域における抑止に貢献する同盟の通常戦力及び米国の核能力を検討し、同盟の戦力態勢及び抑止効果を増大させる活動を最適化させる取組を前進させました。日米両国は、中国が地域及び世界の平和と安全を損なう自国の急速な核兵器の拡大を認める必要性を再確認しました。双方は、戦略的リスクを低減させる方法に関する米中間の二国間協議を中断した中国の決定に対する失望を表明しました。
 米国は、米国の核アセットの地域における抑止効果を強化するとのコミットメントを改めて表明しました。日米双方は、同盟の政治・外交・防衛における協力を深化させ、日米同盟が潜在的な攻撃への防衛と、核使用への抑止を更に万全のものとするため、日米共同の統合的な抑止力を強化する方途を追求しました。 双方は、調整を向上させ、敵対するミサイル脅威に対する同盟の能力及び態勢を強化するという前回のEDDでの確約を改めて表明しました。
 更に、双方は、抑止力及び特定の危機シナリオにおける協力を強化するための潜在的な行動指針について相互理解を深めるため、EDDの議題に定期的に含まれてきた、省庁間机上演習を今次協議でも実施しました。
 F・E・ウォーレン空軍基地を訪問中、両代表団は、ICBM航空団の任務について説明を受けた後、米空軍ミサイル戦闘員がICBM発射手順の訓練を行うミサイル手順訓練所や、ICBMメンテナンス要員がICBM兵器システム「ミニットマンIII」のメンテナンスの訓練を行う訓練発射施設を見学しました。

防衛省・自衛隊:日米拡大抑止協議 (mod.go.jp)