中国、台湾の国交締結国パラオに大規模サイバー攻撃か | すずくるのお国のまもり

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◎中国、台湾の国交締結国パラオに大規模サイバー攻撃か

 

 

【6月6日 AFP】南太平洋の島国パラオのスランゲル・ウィップス(Surangel Whipps)大統領は5日、同国が大規模なサイバー攻撃を受けていると述べ、中国を非難した。パラオは、中国が自国の一部だと主張する台湾と外国関係を持つ12か国の一つ。
 パラオ政府から2万件以上の文書が盗まれたとする米紙ニューヨーク・タイムズの報道を受け、台湾政府は3日、パラオのデジタル防衛強化を支援する用意があると申し出た。
 ウィップス氏によると、文書が盗まれたのは、パラオが米国と向こう20年にわたる新たな経済・安全保障協定に署名した直後の3月だった。
 ニューヨーク・タイムズによると、盗まれた文書はダークウェブに出回った。ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)犯罪グループ「ドラゴンフォース(DragonForce)」が犯行声明を出したという。
 ウィップス氏はデータを分析した結果、ランサムウエアはロシアで開発された可能性が高く、マレーシアから送信され、「中国とのつながりがあるようだ」と述べた。
 このサイバー攻撃の背後に金銭的は動機はないとして、単なる「嫌がらせ」だと断定し、流出した文書には「個人情報」が含まれていたと語った。
 さらにウィップス氏は「中国がわれわれの境界を尊重しない事件はこれが初めてではない」「(中国の)調査船はわが国の領海内で許可なく活動している」と非難した。
 中国外務省の毛寧(Mao Ning)報道官は4日、このサイバー攻撃疑惑について問われると、ニューヨーク・タイムズの報道は承知していないと回答した上で、「中国は常にいかなる形のサイバー攻撃にも反対し、厳格に取り締まっている」と付け加えた。
 ウィップス氏はこの事件は「警鐘」だとし、台湾、日本、米国からデジタル防衛強化の支援の申し出を受けたと述べた。(c)AFP/Hiroshi Hiyama and Katie Forster