韓国大統領室「南北軍事合意の効力停止」 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎韓国大統領室「南北軍事合意の効力停止」 北朝鮮挑発に対抗措置へ

 

 

【ソウル聯合ニュース】韓国大統領室の国家安保室は3日、国家安全保障会議(NSC)実務調整会議を開き、南北間の相互信頼が回復するまで南北軍事合意の効力を全面的に停止する案件を4日の閣議にかけることを決めたと発表した。同合意は南北が緊張緩和のため2018年に結んだもので、軍事的な敵対行為をしないことを柱としている。
 会議出席者たちは、北朝鮮の相次ぐ挑発により韓国国民が実質的な被害と威嚇を受ける状況ですでに有名無実化した南北軍事合意が韓国軍の準備体制の妨げになると判断した。
 閣議で南北軍事合意の効力が停止されれば、軍事境界線一帯での軍事訓練が可能となるほか、北朝鮮の挑発に対する十分かつ即時の措置が可能になると、国家安保室は評価した。今後、北朝鮮が挑発を続ける場合、これに相応するさらなる措置を取るという。
 国家安保室は「今回の措置は韓国の法が定める手続きによる正当かつ合法的なもの。政府はわが国民の生命と安全を守るために必要なあらゆる措置を講じる」と強調した。
 北朝鮮は先月から2回にわたりごみなどの汚物をぶら下げた風船を韓国に向けて飛ばした。また、韓国側の全地球測位システム(GPS)利用を妨害するための電波を発信したほか、朝鮮半島東の東海に向け短距離弾道ミサイル(SRBM)18発を発射する武力示威も行った。
 韓国は北朝鮮の相次ぐ挑発への対抗措置として、拡声器による対北朝鮮放送の再開を検討している。同放送は最前線の北朝鮮軍兵士に与える心理的影響が大きいとされる。放送を再開するためには南北軍事合意の効力停止が必要だ。
 北朝鮮はこれまで南北軍事合意に違反して挑発を続けてきており、昨年11月には合意の全面破棄を宣言している。韓国政府も効力の一部停止措置を取ったことがある。

 

◎南北軍事合意「効力全面停止」へ 韓国大統領府発表 汚物風船受け「信頼回復するまで」

 

 

【ソウル=時吉達也】韓国大統領府は3日、朝鮮半島の軍事境界線周辺での一切の敵対行為を禁じるとした北朝鮮との南北軍事合意の効力を、全面的に停止すると発表した。4日の閣議で正式に決定する。
 北朝鮮がごみをぶら下げた風船を散布したことへの対抗措置で、停止期間は「信頼関係が回復するまで」としている。軍事境界線周辺での軍事訓練が可能になり、南北のさらなる緊張激化は避けられない見通しだ。
 南北軍事合意は、米朝非核化交渉が進展し南北融和ムードが広がった2018年9月、平壌での南北首脳会談で締結された。しかし、交渉の決裂などに伴い北朝鮮が禁止区域での射撃や機動訓練を再開したことから、韓国政府は昨年11月、合意内容のうち空域の飛行を禁じた条項の効力停止を表明。北朝鮮側も合意の破棄を宣言していた。
 北朝鮮の国防次官は2日夜の談話で、計15トンのごみを約3500個の風船で韓国側に飛ばしたと発表。韓国の民間団体が北朝鮮の体制を批判するビラの散布を続ければ、さらに韓国側が飛ばした量の「100倍の紙くずと汚物」の散布を行うと警告している。
 これに対し、韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」は、風向きなどを考慮した上で5、6日頃にビラ散布を行う意向を表明。ビラ20万枚、韓国ドラマなどが入ったUSBメモリー5千個を準備しているという。