中国軍が「連合利剣2024A」軍事演習 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎中国の軍事演習、区域を22年より拡大 ミサイル発射控え日米刺激を回避か

 

 

 中国は、台湾の頼清徳総統が就任演説で「一つの中国」原則を認めない立場を示したことに反発し、今回の大規模軍事演習に動いた。過去の演習より区域を広げて台湾への圧力を増した一方、弾道ミサイル発射を控えるなど日米など国際世論を過度に刺激することは避けたもようだ。ただ、頼政権の動きに応じてさらなる圧力をかけ続けることが見込まれる。
 中国国防省の呉謙報道官は24日、「台湾地区の指導者は就任以来『一つの中国』原則に挑戦し、『二国論』をあからさまに吹聴した」と述べ、頼氏を非難した。
 頼氏は20日の就任演説で対中関係を巡り「現状を維持する」と表明しつつ、台湾が公称する「中華民国」と中華人民共和国は「互いに隷属しない」と述べた。中国政府は中台を別の国家とする「二国論」を展開したと反発。軍事演習を「『独立』の挑発に対する懲戒」と位置づける。
 今回の演習は2日間の予定で始まった。2022年8月にペロシ米下院議長(当時)の訪台に対抗した際の計7日間より短いが、今回は台湾が実効支配する中国大陸近くの離島である金門島や馬祖島の周辺も演習区域に加えた。2月に金門島付近の海域で起きた中国漁船の転覆事故を機に中国当局がパトロールを常態化させたように、少しずつ状況を有利にする「サラミ戦術」を進める思惑がうかがわれる。
 台湾本島を包囲することで有事の際に頼政権を孤立させる力を持つと誇示した。中国メディアは、とりわけ台湾本島の東方を封鎖することで、エネルギー輸入の「生命線」や、米国などによる支援を断つという効果を強調している。
 中国で海上警備を担う中国海警局との連携も強めた。海警局は24日に艦隊が台湾東方の海域で、23日には台湾が実効支配する離島である烏坵(うきゅう)嶼、東引島の周辺海域で訓練を行った。
 一方、22年8月の演習であった弾道ミサイル発射は確認されなかった。当時、弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)にも着弾し、地域の緊張が増して中国への非難が高まった。今回は国際的に不利な立場に置かれないよう演習の強度を入念に調整したとみられる。近く開かれる日中韓の首脳会談や、11月の米大統領選も意識した可能性もある。
 ただ、中国政府は頼政権との対話を拒む姿勢を鮮明にしており、軍事や外交、経済など多方面の圧力を繰り出し続けるとみられる。(北京 三塚聖平)

 

◎中国国防省「外部勢力をおびえさせる」…台湾周辺の軍事演習、24日も

 

 

 【北京=吉永亜希子、台北=園田将嗣】中国軍は24日、台湾周辺で23日に始めた合同軍事演習を引き続き実施した。陸海空軍などの統合運用による実戦的な演習を継続した。演習は24日までの2日間と発表されており、台湾への侵攻能力を誇示し、 頼清徳ライチンドォー 政権を威嚇した。
 中国軍で台湾を担当する東部戦区の報道官は24日夕、台湾の東側の空海域で艦艇と戦闘機が打撃訓練を行い、「戦区部隊の実戦能力を検証した」と発表した。中国中央テレビによると、台湾の西南海域では、艦隊が高速で移動しながら連携して海上の軍事目標を攻撃する模擬訓練も行われた。
 台湾軍によると、24日午前7時14分から午後9時40分までに、台湾海峡周辺で中国軍の戦闘機「スホイ30」や爆撃機「轟(H)6」など延べ62機の飛行を確認した。このうち延べ47機が、台湾海峡の事実上の中台境界線となってきた中間線を越えるなどし、台湾の北方や南方などの空域に展開した。
 一連の演習は台湾有事での米軍の支援を想定した動きだ。中国国防省の報道官は24日、「尊大な『台湾独立』派に打撃を加え、干渉や介入する外部勢力をおびえさせる行動だ」と主張した。
 ただし、弾道ミサイルなどの発射は24日夕時点で発表されていない。中国は、米国の強い反発を招いて緊張がエスカレートすることを避けたい思惑とみられる。2022年8月、ナンシー・ペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問後の演習では弾道ミサイルを発射していた。
 今回の演習には中国海警局の船舶も参加し、台湾の離島近海で「法執行演習」を行った。同様の演習を常態化させて、強引に現状変更を進める可能性がある。
 台湾側も演習初日の23日から、台湾軍と海巡署(海上保安庁)が連携し、警戒任務にあたった。台湾側は、周辺に展開する中国の軍用機と艦艇を撮影した動画や写真を積極的に公開している。警戒・監視態勢が万全だと示す狙いとみられ、頼氏は24日、自身のSNSで、「中国軍の全行動を把握している」と強調した。 顧立雄グーリーション 国防部長(国防相)からテレビ会議で自軍の動きについて報告を受けた。

 

◎中国軍、台湾周辺で大規模演習 「独立派懲罰」、頼総統威圧

 

 

 【北京、台北時事】中国軍で対台湾作戦を担う東部戦区は23日朝、台湾を取り囲む形で大規模な統合演習を始めた。「台湾独立勢力への懲罰と外部勢力への警告」と説明。台湾の頼清徳新総統が20日の就任演説で独立寄りの発言をし、米国に接近する姿勢を見せたことから、頼政権を威圧するとともに米国をけん制した。24日まで2日間行う。
 台湾国防部(国防省)は即座に「地域の平和と安定を破壊する不合理な挑発だ」と反応し、中国軍の演習を非難。「中華民国(台湾)の主権を守る」ため、陸海空の部隊を現場に派遣したと説明した。中台関係は当面、改善が見込めず、軍事的緊張が一層強まる見通しとなった。
 東部戦区によると、演習を始めたのは23日午前7時45分(日本時間同8時45分)で、台湾海峡と台湾本島の北部、南部、東部の周辺で実施した。陸、海、空、ロケット各軍が参加。軍用機や艦艇が台湾本島に接近するなどして「統合的な実戦能力を確かめる」のが目的だと表明した。
 中国海警局も同日、台湾海峡の中国に近い海域で艦隊の訓練を行ったと発表。中国軍と歩調を合わせて頼政権を威嚇する狙いがあるのは明確だ。
 頼総統は就任演説で「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」と明言するとともに、中国の軍事活動が世界平和を脅かしていると批判。米国や日本など民主主義国との連携を重視する方針を鮮明にした。これに対し、「一つの中国」原則を掲げる習近平政権は連日、頼氏を「頑固な独立派」と呼ぶなどして猛反発していた。

 

 

◎中国軍、台湾海峡周辺で軍事演習2日目 軍用機約50機の活動確認 中国軍「現場を制圧する能力を確認する」

 

 

 きのう始まった、台湾を包囲するように行われている中国軍の軍事演習はきょうも続いています。けさまでに台湾海峡周辺でおよそ50機の中国軍機の活動が確認されたということです。
 きのう撮影された中国軍の艦船とする映像。こちらの写真は中国軍のミサイル駆逐艦だとしています。
 台湾を包囲するようにきょうも行われている中国軍の演習。
 台湾国防部によると、けさまでに中国軍の航空機のべ49機、艦艇のべ19隻などが台湾海峡周辺で活動しているのが確認されたということです。
 中国軍は「部隊が連携しながら現場を制圧する能力を確認する」としています。さらに。
 中国軍は「台湾独立の大本営への攻撃」と題したCGも公開。台湾島にミサイルが降り注ぐ過激な内容です。
 台湾に最も近い中国南部福建省・平潭島では。
〇平潭島を訪れている人
「中国の強さをアピールできている。台湾独立勢力は潰してしまえ」
 今回の演習地域はおととし、当時のペロシ・アメリカ下院議長が台湾を訪れたことを受けて行われた演習よりも広くなっていますが一方で、当時と異なる点もあります。
〇記者
「軍事演習が行われる中、平和な雰囲気の平潭島ですが、2年前の大規模軍事演習の時は、ここから台湾に向けてミサイルが発射するのを見ることができました」
 おととし、ここ平潭島ではミサイルの発射が確認できましたが、今回はミサイル発射訓練のための航行禁止区域は設定されていません。
 今回の演習の目的はあくまで「独立派」とみなす台湾の頼・新政権への圧力であり、アメリカなどを過度に刺激することを避けたい狙いもありそうです。

 

◎台湾包囲演習は「権力奪取能力」の検証 中国軍

 

 

【5月24日 AFP】中国は24日、台湾を包囲する形で前日から行っている軍事演習は、台湾に対する軍の権力奪取能力を検証するためのものだと述べた。
 中国軍は23日朝、台湾の空海域を艦艇および軍用機で包囲し、軍事演習「連合利剣(Joint Sword)2024A」を開始。2日間の演習について、中国軍東部戦区は「権力奪取、攻撃、主要地域の占領能力を検証する合同演習だ」と説明した。

 

 

◎中国軍事演習/中国の軍用機延べ62機、軍艦延べ27隻 台湾海峡周辺で活動=国防部

 

 

(台北中央社)国防部(国防省)は25日、同日午前6時までの24時間に、中国の軍用機延べ62機、軍艦延べ27隻が台湾海峡周辺で活動しているのを確認したと発表した。このうち軍用機延べ47機は台湾海峡の暗黙のライン「中間線」を越えたり、台湾南西、南東、東部の空域に進入したりした。
 国防部は、国軍が軍用機や軍艦、沿岸部に配備するミサイルシステムで厳密に監視し対処したと説明した。24日午前7時14分から午後5時11分までに台湾海峡周辺で確認した主力・補助戦闘機延べ54機のうち、中間線を越えたのは延べ46機。一部は北部・基隆から39カイリ(約72キロ)、台湾本島最南端・ガランピ(鵝鑾鼻)から41カイリ(約76キロ)の地点まで近付いたとした。
 中国は23日と24日、台湾周辺の海空域で大規模な軍事演習を実施。国防部は24日、同日午前6時までの24時間に、中国の軍用機延べ49機、軍艦延べ19隻、海警局の船延べ7隻が台湾海峡周辺で活動しているのを確認したと発表している。

 

◎中国の軍事演習「2年前と比べ巧妙に進歩」 台湾の専門家が分析

 

 

 23日から始まった中国の軍事演習について台湾の専門家は「2年前の大規模演習と比べて巧妙に進歩している」と分析しています。
〇台湾・軍事情報サイト「軍情與航空」 施孝イ編集長
「中国は台湾に対するいわゆる対外作戦で優位に立っている。中国は作戦の地域を選択でき、攻撃方法を決められる。台湾は受動的に防衛することしかできない」
 台湾の軍事ジャーナリスト・施孝イ氏は23日から始まった中国の軍事演習について、2年前のペロシ・アメリカ元下院議長の訪台後に行われた大規模演習と比べて、各部隊の連携能力が増していると警鐘をならします。
 また、中国軍による侵攻が起きた場合、最前線となる離島の防衛の難しさについても指摘します。
〇施孝イ編集長
「(金門島や馬祖島など)離島が包囲された場合、台湾本島からの援軍は攻撃の的になるため軍などの派遣は難しい問題になる」
 中国は今回の軍事演習を2日間と宣言していますが、頼清徳政権に圧力を掛けるため、軍事演習は今後も断続的に続けられる可能性があるということです。

 

◎中国軍演習の狙いは「台湾海峡の内海化」 台湾側分析、常態化も警戒

 

 

【台北=西見由章】台湾の蔡明彦国家安全局長は29日、立法院(国会に相当)外交・国防委員会で書面報告を行い、中国軍が台湾周辺で23、24日に実施した演習の狙いについて「(中国による)台湾海峡の内海化」という印象をつくり出すことだと指摘した。演習を常態化させ、「新たな現状」を構築しようとする可能性があるとの警戒感も示した。
 蔡氏は報告に先立ち、中国軍による演習の目的は台湾への威嚇であり、「台湾海峡情勢における絶対的な主導権を内外に示すこと」だと記者団に語った。その一例として、台湾海峡における「管轄権と法執行権」を展開しようとしたことを挙げた。中国軍は今回の演習で、初めて海警局の部隊を台湾海峡周辺や台湾離島付近に動員してパトロールを行った。
 また蔡氏によると、中国側は演習の期間中、偽情報によって台湾世論をコントロールする「認知戦」を頻繁に展開。台湾防衛を支援する米国の能力に疑いを抱かせる「疑米」論や、台湾軍の能力を貶(おとし)める「疑軍」論、頼清徳総統の対中関係の管理能力を疑わせる「疑頼」論を拡散したという。
 国家安全局の書面報告は、中国が頼総統の就任後に台湾への「軍事、外交、経済貿易とグレーゾーン事態における攪乱(かくらん)」を引き続き増大させると分析した。一方、中国による軍事演習は「地域の平穏を脅かすという国際社会の懸念を高める」ことから、「われわれと理念が近い国々との間で安全保障面の協力や情報共有を進めるのに有利だ」とも主張している。