ロシア首相、新内閣人事案を提出 第1副首相を交代 | すずくるのお国のまもり

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◎ロシア首相、新内閣人事案を提出 第1副首相を交代 大幅刷新は回避

 

 

 ロシアのミシュスチン首相は11日、プーチン大統領の通算5期目の大統領就任に伴う新内閣発足手続きの一環として、副首相と閣僚の人事案を露下院に提出した。人事案は今後、下院での審査と承認を経て、プーチン氏の署名により成立する。人事に大幅な刷新はなく、ウクライナ侵略に伴う対露経済制裁に適切に対処できているとするプーチン政権の立場を反映した。
 露憲法は経済・文化分野などの閣僚の人事権を首相に与える一方、国防相や外相など特に重要な閣僚に関しては大統領が上院と協議して任命すると規定。プーチン氏はショイグ前国防相やラブロフ前外相も再任させるとの観測が強い。
 人事案では、ベロウソフ前第1副首相が退任し、後任にマントゥロフ前副首相兼産業貿易相を充てる。マントゥロフ氏は第1副首相として技術開発や産業発展を指揮するとした。
 アブラムチェンコ前副首相(農業・環境担当)も退任し、後任にパトルシェフ国家安全保障会議書記を父に持つドミトリー・パトルシェフ前農相を起用する。また、運輸・物流担当の副首相を新設し、サベリエフ前運輸相を充てる。
 ノバク前副首相(エネルギー担当)やトルトネフ前副首相(極東担当)、ゴリコワ前副首相(保健・労働・文化担当)らは再任。ただ、ノバク氏はエネルギーに加え、退任するベロウソフ氏が所管していた制裁対応も担当する。シルアノフ前財務相ら前内閣の大多数の閣僚も再任となる。

 

◎ロシア首相にミシュスチン氏再任 プーチン新政権、組閣本格化へ

 

 

 ロシアのプーチン大統領は10日、前内閣で首相を務めていたミシュスチン氏(58)を再任した。ロシア大統領府が発表した。これに先立ち、下院は同日、プーチン氏からミシュスチン氏再任の提案を受け、承認していた。前内閣は7日にプーチン氏の通算5期目就任を受けて総辞職しており、今後、組閣作業が本格化する。
 ミシュスチン氏は連邦特別経済特区管理庁の長官や連邦税務局長官を歴任するなど経済に明るく、2020年1月に首相に抜てきされた。ウクライナでの「特別軍事作戦」を受けた欧米主導の経済制裁に対処し、難局を乗り切ったとして高い評価を受けている。
 ミシュスチン氏はプーチン氏の任命を受けて組閣作業に入るが、外相や国防相などの主要閣僚については、プーチン氏が上院と協議した上で任命する。マトビエンコ上院議長は4月、ロシアメディアに「内閣の中核は残る」との見通しを語っている。【モスクワ山衛守剛】