第2回世界防衛展示会がリヤドで開催 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎2024年WDSは、防衛技術革新と協力の世界的ハブに

 

 

〇マナル・アル・バラカティ
 リヤド:世界防衛展示会が、第1回の成功に続き、今年2月にリヤドで再度開催される。77カ国から750を超える出展者が、防衛分野の未来への準備を大々的に披露する。
 サウジアラビア軍事産業総局が創始したWDSは、防衛産業における技術革新と技術的議論の世界的なフォーラムとして機能しており、空、陸、海、宇宙、安全保障の5つの主要領域をカバーしている。
 第2回目は2月4日から8日にかけて開催が予定されており、地方、地域、世界レベルでのニーズを分析しつつ、防衛産業に関する包括的かつ国際的な視野を提供すると約束している。
 同イベントには、軍事関係者、サウジアラビアの指導者層、業界の意思決定者らが一堂に会し、防衛産業の将来に焦点を当てる。
 サウジアラビアは、2030年までに国防費の50%国産化を目標としており、防衛産業の強化、特に国産化が最優先課題となっている。
 この目的に沿って、WDSのアンドリュー・ピアシー最高経営責任者(CEO)が強調したように、同イベントは「サウジアラビア政府と出会うプログラム」を掲げ、国際企業と同国政府および民間部門における機会をつなげるイニシアティブを展開する。
「このプログラムは、2022年の初開催以来の目玉であり、サウジアラビアの軍事産業における調達、投資、パートナーシップのプロセスを理解し、関与していくための直接的な道筋を提供するものです」と同CEOはアラブニュースに対し語った。 
「WDSは、創設者である軍事産業総局や国家戦略パートナーであるサウジアラビア軍事産業(SAMI)と緊密に協力し、彼らの最新の技術革新やテクノロジーを紹介するプラットフォームとして機能しています。サウジアラビア企業が多数出展し、各ブースで来場者との交流を心待ちにしていることを誇らしく思います」とピアシー氏は付け加えた。  
〇宇宙分野 
「未来に向けた装備」をテーマとする今回イベントでは、宇宙分野が初めて脚光を浴びる。
 ピアシー氏は、あらゆる国の防衛戦略における宇宙技術の重要性の高まりと、国際協力の意義を強調した。
 同氏は、こうした進展があらゆる国の防衛戦略にとって不可分の一側面となっており、国際的な議論と協力が促されると強調した。
 今年のWDSでは、専用の「防衛宇宙アリーナ」が設けられており、各国が世界の主要な宇宙技術企業と協力し、専門知識を共有するためのハブとして機能する。
「WDSの防衛宇宙アリーナでは、一流の宇宙事業関係組織が一堂に会し、知識を交換し、パートナーシップを育むという国際協力の集大成を世界が目撃することになります。このユニークなプラットフォームでは、最先端の宇宙分野における能力と技術が展示され、宇宙開発の最前線を垣間見ることができます」と同氏は語った。 
 WDSは、創設者である軍事産業総局や国家戦略パートナーであるサウジアラビア軍事産業と緊密に協力し、彼らの最新の技術革新やテクノロジーを紹介するプラットフォームとして機能しています。サウジアラビア企業が多数出展し、各ブースで来場者との交流を心待ちにしていることを誇らしく思います
〇アンドリュー・ピアシー、WDS最高経営責任者(CEO)
 2月5日から8日にかけての来場者オープンデーに開かれる宇宙シアターでは、40名以上の世界的リーダーやインフルエンサーが、様々な領域における課題や可能性について議論する。
 議論では、ガバナンス、技術開発、相互運用性など、宇宙の様々な側面に焦点が当てられる見込みだ。
 また、包括性、将来の人材、分野横断的な協力関係についても注目される。
 さらに、宇宙分野はサウジアラビア国防省が後援しており、展示会を通してアクセスでき、宇宙防衛開発についてインタラクティブな紹介が行われる。 
 産業界や関連機関から提供された物理的・デジタル両方の宇宙資産が展示されて、技術進化を説明する。さらに、来場者は宇宙ステーションのシミュレーションを体験でき、デジタルスクリーンで宇宙ステーションの役割や意義に関する情報を得ることができる。
 防衛宇宙エリアでは、同国の宇宙領域における将来計画を展示し、国家安全保障の強化と成功のために宇宙の潜在力を活用するべく、国家間協力の取り組みの機会を促す。
〇SAMIパビリオン  
 ビジョン2030の目標に沿った戦略的パートナーシップを追求するため、SAMIは2024年のWDSに参加する予定である。
 公共投資基金の関連会社であるSAMIは、国家戦略パートナーとして、3000平方メートルを超えるパビリオンを抱える最大の出展者となるとサウジアラビア通信社が報じた。  
 公共投資基金の関連会社であるSAMIは、3000平方メートルを超えるパビリオンを抱える最大の出展者となる。(SPA)
技術革新へのコミットメントで知られる SAMI は、航空宇宙、陸上システム、海軍ソリューションなど、様々な領域における能力を披露する。
 SAMI のパビリオンでは、同国のニーズを満たし、航空や宇宙分野の展望を含め将来の目標を構想した最新の先駆的製品を展示する。
 会長のアフメド・アル・カティーブ氏とCEO のワリド・A・アブカレド氏が率いる幹部は、政府、軍、防衛業界リーダーとのハイレベルなパネルディスカッションに参加する予定だ。
 こうした関与により、防衛産業に関する識見を提供し、業界の課題に対処することを目的としている。
 同社は本イベント期間中に複数の覚書や協定に調印し、ポートフォリオを強化し、サウジの防衛産業に大きく貢献しようと計画している。
 同社CEOによれば、本イベントの第一の目標は、防衛に関する包括的かつ世界的なプラットフォームとしての地位を確立することである。これを達成するため、世界中のサプライチェーン全体にわたる業界関係者を集め、3つのコンテンツシアターで毎日議論のためのパネルやフォーラムを開催する。
〇新機軸 
 防衛産業の未来にスポットを当てた今年のテーマ「未来に向けた装備」に沿って、フォーラムではいくつかの新機軸が導入される。目玉の一つは、アニメーションによるインタラクティブなガイドが案内する没入型の「未来への旅」で、来場者に画期的な革新技術や新製品についての深い洞察を提供する。
 さらに、新領域、新興企業、発明への投資に特に注目しつつ、このガイドが来場者に「防衛の未来」ハブ全体を案内する。  
 ピアシー氏は、このハブが「現状破壊的なアイデア」を持つ個人が、開発のための資源や世界的なコネクションを持つ人々とつながるためのプラットフォームとなり得るとして、防衛産業における継続的なイノベーションの重要性を強調した。
 さらに、ハブは若いパイオニアにとってショーケースとしての役割も果たす。来場者は、毎日行われるダイナミックなライブ展示や、定評のある特命機、戦闘機、ヘリコプター等の航空機のラインナップを楽しむこともできるだろう。