陸上風力発電、法規制導入へ 自衛隊レーダーに影響防止 | すずくるのお国のまもり

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◎陸上風力発電、法規制導入へ 自衛隊レーダーに影響防止

 

 

 防衛省は、陸上での風力発電の風車建設を規制する法案を今国会に提出する方針を固めた。ミサイルや領空侵犯を監視する自衛隊の警戒管制レーダーの運用に影響を与えるのを防ぐ狙い。自衛隊施設の周辺を対象に、事前の届け出や協議に関する制度を設ける。
 新制度では、防衛相告示で「電波障害防止区域」(仮称)を指定し、新たな風力発電設備を建設する際、事業者に事前の届け出を義務付ける。レーダーや通信などの自衛隊活動に「著しい支障」が生じると判断した場合、事業者と対策を協議するため、建設を2年間制限できる。運用に当たっては経済産業省と連携する。
 航空自衛隊の警戒管制レーダーは北海道稚内市、青森県むつ市、新潟県佐渡市、石川県輪島市、沖縄県宮古島市など全国28カ所にあり、日本海側上空を重点的に常時監視している。
 高さ100メートルを超える大型の風車群は、空自レーダーの電波を反射し、正確な目標探知を妨げる恐れがあるとされる。基地同士や、人工衛星と地上局の通信電波の障害となる懸念もある。
 政府は脱炭素化に向け、再生可能エネルギーの利活用を促進している。洋上風力発電は再エネ海域利用法で促進区域を決定する際に自衛隊の活動が考慮されるが、陸上では規制する法制度がなく、事業者に事前相談を呼び掛ける程度にとどまっている。
 指定する区域は、警戒管制レーダーのほか、気象レーダーを備えた空自基地周辺や、無線通信で電波の通り道となる地域も加える方向。在日米軍施設周辺を対象とすることも検討する。協議が難航しても建設を差し止める権限はないため、防衛省は事業者の理解を得る努力が必要となる。