韓国空軍、米宇宙軍司令部の共同演習に参加 | すずくるのお国のまもり

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◎米中間「宇宙戦場」でも一丸となる韓米日…韓国空軍、米宇宙軍司令部の共同演習に参加

 

 

 陸海空に続く「第4の戦場」である宇宙でも米中競争が激化する中で、韓米日協力も加速している。
 韓国空軍は5日、「この日から16日まで、米国カリフォルニアのバンデンバーグ宇宙軍基地で開催される国際宇宙状況監視多国間机上演習『グローバル・センチネル』に参加する」と明らかにした。
 韓国からは空軍傘下の宇宙センターと空軍作戦司令部宇宙作戦大隊が参加するほか、陸軍と海軍、国防科学研究所、韓国天文研究院、韓国航空宇宙研究院など民間専門機関の各関係者も参加する。空軍関係者は「宇宙状況に対する国家レベルの状況措置が必要になったことに伴うもの」と説明した。
 グローバル・センチネルは米宇宙軍司令部の主導で2014年から隔年で開かれている宇宙仮想共同演習だ。英国・オーストラリア・カナダ・ニュージーランドなど「ファイブアイズ(英米圏諜報同盟)」と米国のアジア・欧州の同盟国、南米友好国が宇宙空間で起きる状況に対する一種の机上演習(Table Top Excericse・TTX)を実施している。
 今年の演習では韓米日をはじめとする28カ国の宇宙分野専門家250人余りが参加する予定だ。人工衛星の衝突、宇宙物体の落下など30個余りの仮想シナリオに対する対応演習を行うことになる。特に今回の演習は多国籍共同宇宙作戦チームを設けて実施し、韓国は日本、ニュージーランド、オーストラリアとチームを組むことになったと韓国空軍は伝えた。韓国空軍は2017年以降、今回まで6回にわたって訓練に参加している。
 グローバル・センチネルは宇宙空間で米中間の戦略競争が激しく展開していることからその重要性がますます注目されている。米中が最近秘密宇宙船を競うように打ち上げるなど、宇宙空間を先行獲得するために注力していることとも無関係ではないためだ。
 一例として、中国は昨年12月14日にゴビ砂漠衛星センターから秘密任務無人宇宙船である長征2Fロケットを打ち上げた。中国は「宇宙の平和的利用のための技術支援」とだけ明らかにし、長征2Fの活動内容を徹底的に秘密にしている。米国も同日、秘密無人スペースプレーン「X-37B」を打ち上げる計画だったが、中国の打ち上げ直前に「システム点検」を理由に中止した。ボーイングが開発して米宇宙軍が運用するX-37Bは太陽光を動力にした遠隔調整無人飛行体で、これについても具体的な任務は公開されていない。米国は半月後に該当のスペースプレーンを打ち上げた。
 宇宙戦場でもバイデン政府の対中牽制(けんせい)公式は大きく変わらない。同盟・友邦の力を糾合することだ。
 米国は2019年12月の宇宙軍創設に続き、2022年には在韓米軍に宇宙軍司令部を新設した。在日米軍にも宇宙軍司令部が近く創設されるというメディアの報道もあった。
 韓米日首脳は昨年8月「キャンプデービッド首脳会議」の合意を通じて3国宇宙協力を明文化した。「宇宙領域での脅威、国家宇宙戦略、宇宙の責任ある利用などを含む宇宙安全保障協力に関する3国間対話」を強化するとしながらだ。
 特に韓米は最近朝ロの宇宙密着を鋭意注視している。昨年9月、韓米高官による宇宙領域における潜在的な脅威への対応策を模索するための机上演習(TTX)を兼ねた宇宙協力ワーキンググループ(SCWG)で「朝ロ間の宇宙協力」に対する共同の評価を初めて公開した。朝ロが宇宙技術など軍事的分野で密着を深める中で、韓米が公開メッセージを出す必要があると考えたのだ。
 これとは別に、韓国も宇宙戦力強化に取り組んでいるところだ。韓国は合同参謀本部が2022年1月軍事宇宙業務を総括する軍事宇宙課を新設したほか、空軍は今年空軍作戦司令部隷下の宇宙作戦大隊を宇宙作戦戦隊として規模を拡大する予定だ。