【進撃の韓国防産】防衛産業企業、相次ぐ輸出朗報で株価2倍に | すずくるのお国のまもり

すずくるのお国のまもり

お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎【進撃の韓国防産】防衛産業企業、相次ぐ輸出朗報で株価2倍に

 

 

 韓国の主要防衛産業企業が最近、海外輸出で相次いで朗報を伝えている。現代ロテム・韓国航空宇宙産業(KAI)・LIGネクスワンなど上場企業は国内外の景気沈滞にもかかわらず、証券市場で投資家の選択を受けている。これら企業の株価は、現代ロテムのK2戦車、KAIのFA-50軽攻撃機、ハンファディフェンスのK9自走砲などがポーランドに大規模に輸出されることが伝えられた7月中旬から今月初めまで最高2倍近く上昇した。最近はやや停滞しているが、同じ期間のKOSPI(韓国総合株価指数)とは対照的だった。
 KAIは1999年に設立され、現在、輸出入銀行を筆頭株主とする公企業性向の企業だ。政権が交代するたびに経営陣が入れ替わり、一時は粉飾決算の問題が浮上するなど紆余曲折があった。こうした中でも技術開発に没頭してきたのが最近の顕著な成果につながっている。今回輸出されるFA-50はKAIが開発した国内初、世界12番目の超音速飛行機T-50系列軽攻撃機だ。KAIは2011年、16機のT-50をインドネシアに輸出したのをはじめ、海外市場をノックしてきた。KAIの関係者は「今回のポーランド輸出は国産航空機の最初の欧州輸出事例」と意味付けした。KAIは昨年、売上高2兆5623億ウォン(約2600億円)、営業利益583億ウォンだった。
 非上場企業のハンファディフェンスは国内大企業のうち防衛産業分野に最も積極的なハンファグループの系列会社で、親会社はハンファエアロスペース。ハンファディフェンスは1978年の防衛産業進出以降、技術開発を繰り返し、K9自走砲のほかにも第5世代歩兵戦闘装甲車「レッドバック」を代表製品として保有している。レッドバックは今年、オーストラリアで輸出契約優先交渉対象者選定を控えている。最終選定される場合、国内でまだ戦力化していない武器体系の最初の輸出事例となる。ハンファディフェンスはすでに国内に実戦配備されたK9自走砲を、弾薬100%自動装着が可能な砲塔にアップグレードしたK9A2モデル体系の開発を控えているなど、グローバル自走砲市場でシェア1位を守っている。
 1976年に設立された金星精密が母胎のLIGネクスワンは2006年、国産無線機で防衛産業輸出の道を開いた企業だ。その後、精密誘導武器など先端武器体系開発に注力し、1月にアラブ首長国連邦(UAE)と天弓-II中距離地対空迎撃ミサイル輸出契約を締結するなど成果を出している。昨年は売上高1兆8222億ウォン、営業利益972億ウォンだった。
 これら防衛産業企業の輸出好調は今後もしばらく続くというのが専門家らの見方だ。DB金融投資のキム・ホンギュン研究員は「ウクライナ情勢が長期化し、欧州だけでなく中東と南シナ海など世界各地で地政学的リスクが浮き彫りになっている」とし「優れた技術力と合理的な価格でアピールする韓国防衛産業企業には良い機会になるだろう」と述べた。

 

◎【進撃の韓国防産】韓国の防衛産業に国際社会の耳目が集中(2)

 

 

 K2以前に韓国製兵器のうち最高人気品目は砲身口径が155ミリメートルであるK9自走砲だった。2000年以降155ミリメートル自走砲の世界市場の69%を占めるほど世界最強だ。ポーランドが最近670門を購入することにした。K9を生産するハンファディフェンスは2月にもエジプトと200門の輸出契約を結んでいる。K9が米国、ドイツ、フランスなどをはね除けて単独トップに出ることになったのは高い性能と信頼性、競争国製品の半分以下である安い価格のおかげだ。
 K9自走砲が欧州で初めて姿を見せたのはノルウェーだった。2014年冬にハンファディフェンス(当時はハンファテックウィン)はノルウェーにK9を輸出するために競合を行った。K9とドイツ製PzH2000が最後まで残り、雪が積もったノルウェーの山岳部で機動して射撃した。この試験でPzH2000はエンジン過負荷などで故障が多かった。欧州の平地に合わせて開発したPzH2000は雪が積もって滑りやすいノルウェーの急峻な山岳地帯で限界を表わした。
 これに対しK9A1は故障もなく生き生きとしていたという。ノルウェーと類似した韓国の冬季の山岳地形で数えきれないほど訓練してきたためだった。K9A1はノルウェーで入札を獲得した後、フィンランドとエストニアなどでも相次いで輸出実績を上げた。K9シリーズは現在9カ国と1520門の輸出契約を結んだ状態だ。これだけではない。エジプトではK9が陸地から15キロメートル離れた海上の40メートル×60メートルの標的を正確に打撃した。1キロメートル離れた戦車サイズの小さな標的を当てる試験も通過した。K9で敵の戦車やバンカーなどを照準して破壊できるという話だ。
 韓国航空宇宙産業(KAI)のFA50軽攻撃機も最近世間の注目を集めている品目だ。F16戦闘機を縮小した水準だが内容は先端だ。強大国でない場合、本格的な戦闘機よりFA50のような小さな戦闘機がむしろ役に立つ。空軍ブラックイーグルスがFA50の訓練機種であるT50で空中曲芸を行うのを見れば機動性がどれだけ優れているのかを知ることができる。ポーランドも今回48機を買うことにした。近い将来韓国製戦闘機KF21が出てくれば欧州の戦闘機と国際市場でも堂々と競争できると見込まれる。
 国防科学研究所(ADD)が開発してLIGネクスワンが生産する天弓(M-SAM2)も人気だ。韓国型パトリオットミサイルと呼ばれ、北朝鮮の弾道ミサイルを中止させるために2011年に開発された。現在北朝鮮のスカッドミサイル程度は安定的に迎撃できる水準だ。天弓の特徴は発射された後、最後の段階で側面推進力装置でもう一度急旋回して敵が撃ったミサイルを空中で迎撃できる点だ。1月にアラブ首長国連邦(UAE)に35億ドル相当を売ることで契約を結んだ。
 韓国の兵器は海でも競争力を発揮している。次期護衛艦(FFX)と新型駆逐艦(KDDX)は先端統合型マストとフェーズドアレイレーダーを装着している。造船業界はKDDXが小さなイージス艦水準であるだけに十分に輸出競争力があるとみている。「国防革新4.0」とともに現代ロテムとハンファディフェンスなどが開発中である無人戦闘システムも防衛産業輸出の新たな領域を開くものと期待されている。

 

◎【進撃の韓国防産】K-防産、今年の輸出150億ドル超も

 

 

 韓国防衛産業が好調だ。年初のエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)に続き、最近はポーランドと87億6000万ドル(約12兆3000億ウォン、約1兆2400億円)の武器輸出契約を締結するなど、激しい国際競争の中で成果を上げている。輸出品目にはK2戦車とK9自走砲、FA-50軽攻撃機、天弓-II迎撃ミサイルなど主要戦略武器がすべて含まれている。武器先進国に劣らない技術力に価格競争力、早期納品能力などが加わり、国際武器市場で「K-防産」が新しく浮上しているという分析だ。
 K-防産の力は数値でも立証される。昨年の韓国防衛産業の輸出額は72億5000万ドル(受注基準)と、前年(30億ドル)比で倍以上増えた。さらに今年はポーランドへの輸出に加え、マレーシア・ノルウェー・オーストラリア・エジプトなどとの交渉も進行中であり、国産武器輸出は初めて年100億ドルを超え、最大150億ドルも可能と予想される。まさに「進撃のK-防産」だ。
 世界4大防衛産業大国も可視圏に入った。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、2017~21年国際防衛産業輸出市場で韓国はシェアが世界8位(2.8%)だった。しかし1~3位の米国・ロシア・フランスを除いて4~8位は大きな差がなく、現在推進中の輸出契約が順調に進む場合、近いうちに世界4位入りすると期待される。
 政府もK-防産の持続的成長に向けて総力支援に動いている。姜恩瑚(カン・ウンホ)元防衛事業庁長は「最近の輸出好調はさまざまな悪条件の中でも防衛産業企業が絶えず技術開発に注力してきた結果」とし「海外市場の評価も非常に高いだけに、このままいけば年200億ドル輸出も遠くはないだろう」と述べた。

 

◎韓国 国産戦闘機48機の輸出契約をポーランドと締結=30億ドル規模

 

 

【ソウル聯合ニュース】韓国航空宇宙産業(KAI)は16日、ポーランドで同国の国防省と韓国製戦闘機「FA50」48機の輸出に関する本契約を締結した。韓国国防部などが発表した。契約金額は30億ドル(約4295億円)規模という。
 契約式にはドゥダ大統領やブワシュチャク国防相が出席するなど、防衛力強化に向けたポーランド政府の強い意思が示された。
 韓国側からはKAIの姜求永(カン・グヨン)社長や防衛事業庁の厳東煥(オム・ドンファン)庁長が参加した。
 KAIなどによると、戦闘機1機の輸出は中型車1000台の輸出に匹敵する経済効果があるという。KAIは今回の輸出で約10兆ウォン(約1兆円)の波及効果があると推算した。関連産業における雇用創出も相当なものと予想される。
 ポーランド政府は7月27日(現地時間)に韓国とFA50(48機)、戦車K2(980台)、自走砲K9(648門)を導入する基本契約を結んだと発表した。
 K2とK9については第1段階の輸出分の本契約が先月締結され、残りについての本契約を控えている。FA50については今回、48機すべてについての本契約が締結された。yugiri@yna.co.kr

 

◎韓国防衛産業、K2戦車・K9自走砲で過去最大輸出…ポーランドと7兆ウォン台の契約

 


 K-防産は今年に入って大きく飛躍している。今年上半期にはアラブ首長国連邦(UAE)と4兆ウォン台の天弓-II防空ミサイル、エジプトと2兆ウォン台のK9自走砲の輸出契約をそれぞれ締結した。先進国と軍事強国も視線を向けている。オーストラリア(歩兵戦闘車両)とノルウェー(戦車)では韓国とドイツが激しく競合している。世界最大の防衛産業輸出国である米国の市場にも積極的にノックしている。
 スウェーデン・ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、2017-21年の韓国の武器輸出は英国に次いで世界8番目に多い。この期間、武器輸出額も2012-16年比で170%増加した。シドニー大米研究センターのピーター・リー研究員は「韓国の防衛産業はすでにメジャーリーグ入りした」とし「韓国産の軍用装備は米国産より安く、性能はよい」と説明した。

 

◎「70年にわたる平和維持の実績」 韓国の武器輸出が、ウクライナ戦争で一気に飛躍
[ロンドン発]欧州の防衛市場への参入を目指す韓国がウクライナ戦争で「販売攻勢」を強めている。ロシアの侵攻で、国内総生産(GDP)の5%を国防費に充てることを目標にするポーランドは韓国から自走榴弾砲と戦車の供給を年内に開始することで合意した。トータルで戦車1000両、自走榴弾砲600門、軽戦闘爆撃機48機にのぼる韓国史上最大の兵器契約になる。
 今年5月、韓国を訪問したポーランドのマリウシュ・ブワシュチャク副首相兼国防相は「わが国の東部で戦争がある。ポーランド軍には近代的で実績のある装備が必要だ。そのような装備が韓国で生産されている」と述べた。ブワシュチャク氏は韓国の国防、防衛産業関係者らと会談し、自走榴弾砲の供給強化と歩兵戦闘車分野での協力を求めた。
 ロシアの侵攻を受け、ウクライナに兵器を供与した北大西洋条約機構(NATO)加盟国では装備の穴埋めを迫られ、国防をさらに強化するため兵器の調達を急ぐ。しかし既存の米欧防衛産業だけでは供給力に限界がある。そこで注目されたのが、事実上の核保有国・北朝鮮と対峙しながらも平和を維持してきた韓国の防衛産業だ。
 7月27日、ブワシュチャク氏は韓国の第3.5世代主力戦車「K2」と、韓国が開発した「K9」 155ミリメートル自走榴弾砲、韓国航空宇宙産業(KAI)が米ロッキード・マーティンから技術支援を受け製造した軽戦闘爆撃機「FA-50」の兵器契約を承認した。「私たちには時間がない。待つことはできない」とブワシュチャク氏は力を込めた。
「70年間、平和を維持してきた韓国製装備は最高品質」
「今回の合意ではK2戦車1000両、K9自走榴弾砲600門、FA-50を 48機を発注する予定だ。ロシアがどのようにウクライナを攻撃したかを研究すると、戦場では装甲車と大砲が非常に重要であることが分かる。韓国は70年間、戦争に備えながら平和を維持してきた実績がある。韓国製の装備は最高品質だと保証されている」とポーランド国防省首脳は太鼓判を押す。
 目前に迫ったロシアの脅威に備えるため納入ペースが速く、ポーランドの防衛産業を育成するため韓国からの技術移転が多いのが特徴だ。
「K9自走榴弾砲はポーランド製自走榴弾砲『クラブ』と非常によく似た設計だ。『クラブ』生産のためポーランドの工場はすでにフル回転しており、今回の契約に踏み切った。韓国との協力は戦略的アプローチだ」とブワシュチャク氏は語る。

 ウクライナが同国南部で反攻に転じるきっかけを作った米M142高機動ロケット砲システム「ハイマース」(射程約70キロメートル)の威力を目の当たりにしたポーランドはハイマース500門の追加調達をアメリカに打診し、韓国製の多連装ロケットランチャー、K239の調達も検討中だ。トルコ製の無人戦闘航空機バイラクタル TB2、24機も発注している。
 K9自走榴弾砲は2026年からポーランドで現地生産される。「今後数年の間に、『クラブ』とK9自走榴弾砲の設計から最良のものを選択し、ポーランド、韓国両国にとって統一された自走榴弾砲になるようにしたい」とブワシュチャク氏は強調した。ポーランドは今後5年間で兵員を2倍以上の30万人に増やす。単純に考えても装備も倍増する必要がある。
〇ポーランドと韓国の合意の背景
 ロシアのウクライナ侵攻で冷戦後の欧州の安全保障は完全に崩れた。核戦争にエスカレートするリスクを最小限にするためには、まず通常戦力でロシアの領土的野心を抑え込まなければならない。ポーランドは米欧防衛産業の生産力と供給力を補完するため、韓国と戦車、大砲、戦闘機、現地生産、技術移転、次世代システムに関する協力関係を築き始めた。
 朝鮮戦争を経て米韓相互防衛条約を締結した韓国の兵器には、旧ソ連圏の北大西洋条約機構(NATO)加盟国よりも高い米軍との相互運用性が確立されている。ロシアのウクライナ侵攻後の短期間に、最高品質の兵器をポーランドの軍需産業と広範囲に協力しながら提供できるのは韓国の防衛産業をおいて他に見当たらなかったことが合意の背景にある。
 総額で1兆6000億円を超える合意は、ウクライナへの兵器供与で生じた空白を速やかに埋め、ポーランド軍の近代化プロセスを加速させる「第1ステージ」と、兵器をポーランドで製造するとともに、第1ステージで輸入された韓国製の装備もポーランド軍仕様にアップグレードする「第2ステージ」に分かれている。

【第1ステージ】
K2戦車180両(年内に納入開始)
K9自走榴弾砲48門(年内に納入開始。最初からポーランド軍仕様で製造)
12機のFA-50 (23年半ばに納入)

【第2ステージ】
K2戦車820両(ポーランドで製造)
K9自走榴弾砲600門(24年に納入開始。26年ポーランドに生産移管)
36機のFA-50(26年にポーランドにサービスセンターを建設)

〇武器輸出大国への転換を主導した文前大統領
 アジア太平洋の政治・安保専門オンライン誌「ザ・ディプロマット」のイ・ウンウ記者は今年3月、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が残した遺産として「主要兵器の改修、兵士の生活向上、武器輸出大国への転換を主導した」と評価している。文政権下、韓国の国防予算は毎年平均7%ずつ増え、22年には440億ドル(約5兆8400億円)に達した。
 日本の22年度防衛予算は5兆8661億円(米軍再編を含めると6兆1744億円)と韓国とそれほど変わらない。スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、韓国の武器輸出額は11~15年の12億ドル(約1600億円)から16~20年には38億ドル(約5000億円)と3倍以上に膨らんでいる。
 欧州ではフィンランドとノルウェー、バルト三国のエストニアがK9自走榴弾砲を調達している。「ハイマース」の成功で、欧州でK9自走榴弾砲の需要が膨らむのは必至だ。
 20年には韓国は世界6位の「武器輸出大国」になった。中でもポーランドに輸出するK9自走榴弾砲はその象徴だ。21年12月、従来はアングロサクソン系企業が独占していたオーストラリアの防衛市場にアジアモデルとして初参入。今年2月にはエジプトに17億ドル相当を売却するなど、K9自走榴弾砲は世界の自走砲市場の半分以上を占めるまでに成長した。
 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領になって武器輸出はさらに拡大する可能性が強い。K9自走榴弾砲の成功で約1000社が下請け生産に参加する。防衛産業は韓国の成長分野だ。さらに兵器取引は「技術共有、合同軍事訓練、相互信頼の強化による外交政策の緊密化と連動している」(イ・ウンウ記者)。保守で親米の尹氏の登場は「米韓の黄金時代」を予感させる。
 中露の権威主義国家に対抗するため、米欧防衛産業を補完する形で韓国の武器輸出はさらに拡大するとみるのが自然だろう。防衛産業の「隙間市場」を韓国に独占されないよう日本の岸田文雄首相も対応を急ぐ必要がある。

「70年にわたる平和維持の実績」 韓国の武器輸出が、ウクライナ戦争で一気に飛躍|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

◎韓国軍の納品の代わりにポーランドを優先? 「10兆ウォン大当たり」K-防産のウラ話
 

 

 ポーランド政府がいわゆる「K-防産(防衛産業)」の導入計画や引き渡し日程などを詳細に明らかにする「積極的な求愛」に乗り出しているが、当事者の韓国防産業界は極度に低姿勢を取っている。防衛産業の特性上、外交・安保などの理由で契約がうまく行かなくなる恐れがあり、競合企業の牽制(けんせい)のためともみられる。
 1日、韓国政府および関連業界によると、韓国航空宇宙産業(KAI)・現代ロテム・ハンファディフェンスなど3社は年末までにポーランド政府と武器輸出契約を交わす見通しだ。ただし、3社はこの日、中央日報の電話取材に対して「本契約である『実行契約』締結のためにポーランド政府と物量別に引渡日程、事業金額、維持・補修条件、技術移転の範囲などを協議中」としながら用心深い反応を示した。
 ポーランド国防省は先月27日、軽攻撃機「FA-50」改良型48機、戦車「K2」980台、自走砲「K-9」672門などを導入するための「基本契約」を締結したと発表した。それぞれKAI・現代ロテム・ハンファディフェンスが製造しているものだ。KAIは今回の契約規模が30億ドル(約3950億円)と明らかにしている。だが、他の2社は具体的金額を明らかにしなかった。業界では最大20兆ウォン(約2兆円)に達するのではないかとみている。
◆「ロシア-ウクライナ戦のために日程を前倒しにしたよう」
 今回の輸出契約はポーランドのマリウシュ・ブワシュチャク副首相兼国防相がメディアのインタビューを通じて韓国製武器調達計画を明らかにして表面化した。匿名を求めた韓国側関係者は「ポーランド側が性急に発表した側面がある」とし「本契約前に相手国の国防長官が『いつまでに数台受領することにした』と発表したのは一般的ではない部分」と当惑する表情を見せた。
 祥明(サンミョン)大学国家安保学科のユン・ジウォン教授は「通常、防衛産業の契約は最終段階まで秘密保安を維持した状態で両国が同時に発表するのが一般的」としながら「ポーランドはウクライナ戦争の長期化により自国民の不安を落ち着かせると同時に、対外的にはロシア・欧州に対して安保強化メッセージを出した。また、次期権力を狙うブワシュチャク氏の個人的な政治目的もあるように見える」と解説した。
 相手国国防トップの公言にもかかわらず、韓国政府と各企業は「輸出契約が確定したわけではない」として依然と多くを語らない。現代ロテムとKAIは既存のメディア報道を否定して公式サイトに載せた「風聞または報道に対する説明(未確定)」の再公示を通じて間接的に契約事実を知らせた。これについて業界関係者は「基本契約も法的効力があるというが、全体取引額や書類証明など公示要件が揃っていなかったため」と答えた。ハンファディフェンスは親会社であるハンファエアロスペースが自律公示を通じて基本契約締結事実を明らかにした。
◆ポーランド側「年内納品を」…企業は苦心
 基本契約によると、韓国で生産するK2は2025年までに、K-9は来年まで順次供給するという計画だ。だが、ブワシュチャク氏はメディアインタビューを通じて「年内に砲(K-9)とタンク(K2)の初の引き渡しが行われることが大変重要だ」と述べるなど納品を催促している。
 このために各企業も非常事態となった。軍需品はテレビ・冷蔵庫・自動車のように事前に作っておくことができないためだ。現代ロテム関係者は「本契約が直ちに締結されても生産日程を考慮したとき、納期日が極端に短いのは事実」と話した。
 ユン教授は「政府が先に立って防衛産業輸出を奨励していることから、国軍に引き渡し予定の物量をポーランドに先に配分するような調整があるかもしれない」と見通した。実際、業界関係者たちは「政府が容認すれば韓国軍に納品するために作った製品を先に輸出するのも検討できるだろう」と話した。
 今後競争国の牽制を懸念する声も出ている。ある関係者は「今回の輸出が世界的に注目を浴びた以上、次の契約には米国・ドイツなど防衛産業先進国の積極的な参加が予想される」と話した。

 

◎ポーランド、韓国から戦闘機FA-50も“爆買い”のナゼ ウクライナとドイツのはざまで

 

 

 ポーランドが締結した韓国からの大型兵器調達契約、そのなかには戦闘機FA-50も含まれています。イタリアから導入していた練習機の戦闘機型ではなく、韓国から別の戦闘機を導入した背景には、ポーランドの危機感がにじみ出ています。
〇ポーランドが韓国から48機購入の戦闘機「FA-50」とは
 ポーランド国防省は2022年7月27日、韓国からFA-50軽戦闘/攻撃機を48機導入すると発表しました。あわせてK2戦車を約1000両、K9自動榴弾砲を約650両も韓国から導入するなど、非常に大きな兵器調達契約が結ばれました。
 FA-50は韓国のKAI(Korean Aerospace Industry)がロッキード・マーチンから技術支援を受けて開発した超音速練習機T-50の軽戦闘/攻撃機型です。このT-50からは今回ポーランド空軍に採用されたFA-50と、練習機としても使用できるTA-50という、2種類の軽攻撃機型が開発されています。
 TA-50はMk.82無誘導爆弾、AGM-65マーベリック対戦車ミサイル、無誘導ロケット弾、AIM-9サイドワインダー空対空ミサイルなどの運用能力を備えていますが、戦闘機搭乗員が実用戦闘機での勤務を開始する前の訓練の総仕上げを行うための練習機「LIFT」(戦闘機前段階練習機)、という性質の強い航空機です。
 対してFA-50は、韓国空軍が運用しているF-5EタイガーIIと、2007年に退役したジェット軽攻撃機A-37「ドラゴンフライ」の後継機として開発されました。TA-50をより本格的な軽攻撃/軽戦闘機としたもので、JDAM(無誘導爆弾の誘導装置キット)やレーザー誘導式ロケット弾の運用能力が追加されています。
 また2019年からはロッキード・マーチンの照準ポッド「スナイパー」の搭載能力と、AIM-120「アムラーム」中射程空対空ミサイルの運用能力を付与するための改良作業が開始されています。この改良を受けたFA-50は、飛行性能や兵装搭載量などは及ばないものの、F-16などと同等の空対空、空対地攻撃能力を持つことになります。
 ポーランド空軍は数年前から、旧ソ連製のスホーイSu-22を後継する戦闘攻撃機の導入を模索していました。同空軍はLIFTとして、イタリアのレオナルドが開発したM-346を導入しています。
 M-346からは軽戦闘/攻撃機型のM-346FAも開発されていますが、M-346FAではなく韓国からFA-50を導入したのは、ポーランド空軍の戦闘機戦力の構成が大きく影響しています。

〇FA-50 導入の理由は?
 ポーランド空軍は主力戦闘機としてロッキード・マーチンのF-16C/Dを使用しています。FA-50とその原型機であるT-50は操縦装置にF-16と同じサイドスティックを使用し、コックピットにもF-16C/Dと同様、2枚の大型液晶ディスプレイを配置するなど、F-16と高い互換性を備えているものです。
 ポーランドのマリウス・ブワシュチャク国防大臣は、F-16の操縦経験のあるパイロットのFA-50への機種転換が容易であることを、FA-50導入の理由の一つとして挙げています。今回導入計画が発表された48機のFA-50のうち12機は、2023年中に引き渡される予定となっています。
〇なぜいま? ウクライナ侵攻後にポーランドが置かれた立場
 ポーランドはロシアのウクライナ侵攻に危機感を募らせており、2023年度から国防費を対国内生産(GDP)の3%にまで引き上げる計画を発表しています。Su-22の後継機を提案していた他のメーカーがどのような納入スケジュールを提案していたのかは定かではありませんが、防衛力を早期に強化したいポーランドにとって、導入計画発表から1年半で12機のFA-50の納入を可能とする韓国の提案は、ポーランドにとって魅力的であったことは間違いありません。
 FA-50はポーランドに「選ばれるべくして選ばれた」と言えますが、ポーランド国防省がFA-50と同時に導入計画を発表したK2戦車とK9戦車の導入の背景には、ポーランドのドイツに対する不信感もあるものと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。

〇ドイツは助けてくれない
 ウクライナの隣国であるポーランドはNATO加盟国の中でもウクライナに対する軍事的支援に力を入れており、同国陸軍の主力戦車であるT-72Mを200両以上、ウクライナに供与しています。
 ポーランドはウクライナに供与したT-72Mの穴埋めとして、韓国にK2、ドイツにレオパルト2戦車の最新仕様、レオパルト2A7の購入をそれぞれ打診しましたが、ドイツ政府が難色を示した結果、2022年中に180両の納入を約束したK2を選択したと言われています。
 ドイツは2022年4月にゲパルト対空戦車をウクライナに供与すると発表しましたが、最初の3両がウクライナに到着したのは3か月を経た7月のことで、7月26日付のフィナンシャルタイムスは、ドイツ語で地上最速の動物であるチーターを意味するゲパルトが「亀のような速度でウクライナに到着した」と、揶揄交じりで報じています。
 ロシアのウクライナ侵攻を「明日はわが身」として危機感を募らせているポーランドにとって、ドイツのこのような姿勢は容認できるものではなかったと考えられます。
 今回ポーランドが導入を決めた韓国製兵器は、性能面において競合他社の製品と遜色はなく、またポーランド軍の要求に応じた早期の引き渡しや設計変更、ポーランド政府が求めた国内生産の要求に、韓国政府と韓国企業が柔軟に対応したことが最大の勝因であったことは間違いないでしょう。ただ、ことK2戦車に関していえば、意地の悪い言い方をすればドイツの“アシスト”も少なからず影響したものと、筆者には思えてなりません。【了】
 

◎ポーランド、韓国製戦車「K2」1000台購入へ…自走砲「K9」648台・軽攻撃機「FA-50」48機も注文

 

 

 ポーランド政府が26日(現地時間)、韓国製戦車「K2黒豹」980台をはじめ、自走砲「K9」648台、軽攻撃機「FA-50」48機を購入する計画であることを発表した。
 ポーランド国防省のホームページによると、マリウシュ・ブワシュチャク国防相は「ポーランドは1000台のタンクを(韓国から)購入する」と明らかにした。
 ポーランドはまず韓国から180台の「K2」の年内引き渡しを受け、技術移転を通じて800台以上の「K2」をポーランド現地で生産すると明らかにした。ポーランド国防省は「2026年には戦車K2PL(K2のポーランド輸出型モデル)の生産を始めるだろう」としながら「同じ年には既に確保したK2もK2PL規格で標準化する計画」と伝えた。
 ポーランドはまた、自走砲「K9」も48台購入した後、引き続き600台以上を注文する予定だと明らかにした。「K9」600台以上は2024年から引き渡しが始まり、2026年からはポーランドで量産する予定だ。
 また軽攻撃機「FA-50」48台も購入する予定で、最初のユニット12台は2023年にポーランドに引き渡される予定だとポーランド政府は明らかにした。ブワシュチャク国防相は「FA-50は軽量でF-16を基盤とする多目的武器。我々はうまく適応できる準備ができている」とし「F-16を操縦したことのあるパイロットはFA-50の練習に数時間あればよく、FA-50は技術効率性が85%に達する」とその理由を説明した。
 一方、購入価格が最終的に決まれば「FA-50」と「K2」が欧州とNATOに輸出される最初の事例になるだろうと伝えられた。戦車「K2」は現代ロテムが、自走砲「K9」はハンファディフェンスが、軽攻撃機「FA-50」は韓国航空宇宙産業(KAI)がそれぞれ生産している。
 北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるポーランドは、ロシアのウクライナ侵攻以降、国防費を今年国内総生産(GDP)の2.2%から3%以上に増額する方案を推進している。

 

◎韓国、武器輸出で存在感…NATO加盟国の受注拡大に注力「国際情勢の急変で需要が急増」

 

 

 【ソウル=溝田拓士】北朝鮮の脅威に備え、防衛産業を育成してきた韓国が、「武器輸出国」としても存在感を増している。ロシアによるウクライナ侵略が長期化するなか、官民一体となり、北大西洋条約機構(NATO)加盟国への受注拡大に力を入れている。
◆K9
 ノルウェー、フィンランド、エストニア、豪州の軍関係者は4月、韓国・ 昌原チャンウォン にある軍需企業ハンファディフェンスの施設を訪れ、自走砲「K9」の生産工程を視察した。4か国はK9の「顧客」で、韓国防衛事業庁の担当者も同行した。同社によると、フィンランドの陸軍大佐は「火力と機動性、防護力が卓越している」と語った。
 K9は、韓国が朝鮮半島有事に備え、北朝鮮との軍事境界線の近くに実戦配備している。最大射程40キロ・メートルで、1分間に6~8発を発射できる。韓国は2001年からK9の輸出を始め、トルコ、ポーランド、インドなど8か国に輸出した。ライバルのドイツ製自走砲に性能で劣らず、割安の価格が市場で評価されている。
◆飛躍
 韓国は1970年代から「自主国防」を掲げ、国家戦略として防衛産業を育ててきた。戦車「K2」や戦闘機「FA50」、護衛艦などの輸出にも力を入れている。1月には、アラブ首長国連邦(UAE)から迎撃ミサイル「天弓2」を受注したと発表した。
 韓国主要軍需企業の昨年の輸出額は、過去最高の約70億ドル(約9200億円)に達した。今年の防衛研究開発費は、前年比76%増の約1兆4800億ウォン(約1480億円)で、初めて1兆ウォンを超えた。
◆トップセールス
 ストックホルム国際平和研究所によると、17~21年の韓国の武器輸出のシェアは世界8位だった。 尹錫悦ユンソンニョル 政権は、3~4位を目標にしており、特に欧州市場に力を入れたい考えだ。
 韓国は、14年のロシアによるクリミア併合以降、欧州各国と防衛産業分野で協力してきた経緯がある。欧州各国は今回のウクライナ侵略を受け、防衛費の増額に動いている。尹大統領は6月、スペインで開かれたNATO首脳会議に合わせ、各国首脳にトップセールスを行った。
 7月下旬にはポーランド政府が、韓国から自走砲約600台、戦車約980台、戦闘機48機などを購入すると発表した。韓国メディアによると、受注額は10兆ウォン(約1兆円)以上という。ポーランドの副首相は、ロシアの脅威に言及しながら「地上戦ではこうした武器が非常に重要になる」と述べた。ポーランドはウクライナに多数の戦車を供与しており、補強が急務だった。
 大統領府関係者は「国際情勢の急変で需要も急増している。今後2~3年の取り組みが20~30年先の市場を左右する」と強調した。

 

◎ポーランド空軍チーム「ファンタスティック飛行」…韓国産T-50を評価

 

 

◎ポーランド、韓国製戦車「K2」1000台購入へ…自走砲「K9」648台・軽攻撃機「FA-50」48機も注文

 

 

 ポーランド政府が26日(現地時間)、韓国製戦車「K2黒豹」980台をはじめ、自走砲「K9」648台、軽攻撃機「FA-50」48機を購入する計画であることを発表した。
 ポーランド国防省のホームページによると、マリウシュ・ブワシュチャク国防相は「ポーランドは1000台のタンクを(韓国から)購入する」と明らかにした。
 ポーランドはまず韓国から180台の「K2」の年内引き渡しを受け、技術移転を通じて800台以上の「K2」をポーランド現地で生産すると明らかにした。ポーランド国防省は「2026年には戦車K2PL(K2のポーランド輸出型モデル)の生産を始めるだろう」としながら「同じ年には既に確保したK2もK2PL規格で標準化する計画」と伝えた。
 ポーランドはまた、自走砲「K9」も48台購入した後、引き続き600台以上を注文する予定だと明らかにした。「K9」600台以上は2024年から引き渡しが始まり、2026年からはポーランドで量産する予定だ。
 また軽攻撃機「FA-50」48台も購入する予定で、最初のユニット12台は2023年にポーランドに引き渡される予定だとポーランド政府は明らかにした。ブワシュチャク国防相は「FA-50は軽量でF-16を基盤とする多目的武器。我々はうまく適応できる準備ができている」とし「F-16を操縦したことのあるパイロットはFA-50の練習に数時間あればよく、FA-50は技術効率性が85%に達する」とその理由を説明した。
 一方、購入価格が最終的に決まれば「FA-50」と「K2」が欧州とNATOに輸出される最初の事例になるだろうと伝えられた。戦車「K2」は現代ロテムが、自走砲「K9」はハンファディフェンスが、軽攻撃機「FA-50」は韓国航空宇宙産業(KAI)がそれぞれ生産している。
 北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるポーランドは、ロシアのウクライナ侵攻以降、国防費を今年国内総生産(GDP)の2.2%から3%以上に増額する方案を推進している。

 

◎ポーランド空軍チーム「ファンタスティック飛行」…韓国産T-50を評価