私は休日のランニングに、草履(ルナサンダル)を使ったり、飛脚のように棒を担いだりして楽しんでいます。それは、かつての日本人が持っていたという、効率の良い身体の使い方(ナンバ走り)の探求でもあります。私は、自分の身体に合った、怪我せず、疲れない走り方をできるようになろうとしています。

 

そんな私に参考になると思って手にしたのが

ウーグ・クラフト著「ボンジュールジャポン フランス青年が活写した1882年」。

 

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フェイスブックである方が「ブックカバーチャレンジ」で紹介されていて本書を知りました。アマゾンの中古で手に入りました。

 

本書は、フランス人のお金持ちが1882年に日本を旅したときの記録です。写真がふんだんで、しかもその写真が建物より人物を多く撮っています。著者のウーグ・クラフトさんの興味だと思いますが、これが1882年(明治15年)当時の日本人の姿を捉えています。現在から数えて、実に138年前!面白いです。

 

私が興味を持っている「飛脚」本人は登場しませんが、実用的に活躍していた当時の「ワラジ履き」や「棒担ぎ」が蘇ります。

 

当時の旅姿は、ハイソックスのような足袋に、草履。丈の短い着物というスタイルだったようです。長く歩いたり、馬に乗るスタイルなのでしょう。

旅姿をした著者のウーグ・クラフト

 

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観光地・箱根で籠を背負う人物。

 

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ワラジに裸!身分によっては、裸足や裸で日常を過ごしていた人たちがいたのでしょう。棒を担いでバランスをとりながらお客さんを載せながら、長い距離を歩きます。当時人力車はあったようなので、カゴは坂道の多い箱根などで用いられたはず。と、考えると、この裸のふたりはこれで坂道を上ったりできた、ということ。今の日本人にこの仕事をできるかって体力的にできない気がします。

 

人力車を引く二人の人物

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短い着物を着ているが素足。当然舗装されていない道を車を引いて砂が舞う中走るのですから、小石もワラジに挟まるはず。私もルナサンダルで走っていて、たまに挟まって若干痛いですが、大概は自然と落ちるまで、そのまま走り続けます。

あと、車を引く後ろの人物の姿勢。ピンと姿勢を伸ばしきるのでなく、腰を落としてバランスをとる感じ。これが当時の日本人の持っていた基本的な動きを髣髴させます。

 

籠を売る行商人

 

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当然、この棒を担いで長い距離をあるいて運んできたのでしょう。こんなにたくさん。重たさは、鍛えた筋力で持ちあげるのでなく、バランスをとりながら運ぶという研ぎ澄まされた身体感覚を持っていたと考えられます。足元はワラジ。持ち上げていますが、やはり少し腰を落として、背筋もピンと伸ばしているわけではありません。

 

私の今日の飛脚走り。

 

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15キロほど、ゆっくりのペースで、上り下りのあるコースを行きました。棒は強く握るのでなく、むしろ明治の人たちをイメージして、バランスをとる感じにしてみました。

 

棒を持って、走り続けて感じたのは、手のひらが前に向くような動きになること。胸が開いて呼吸の苦しさは減る感じがします。少し腰が落ちて、骨盤も前が開くような感覚がありました。この辺りは、田村雄次著「飛脚走り」の受け売りです。

https://ameblo.jp/suzukiyappan/entry-12610985736.html

 

 

その辺に意識がいって、上り坂のペースを上げたためか、終わったあとの背中・腰と、大腿の疲れがいつもよりあって、けだるさが残っています。いつもと違う動きをしたからか?あるいは前日の庭の草むしりの疲れなのか?

今後も検証してみたいと思います。

 

ありがとうございました。