ダイエットのコツは糖質をしっかりとって代謝を落とさないこと | 鈴木内科クリニック院長ブログ

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~食事で健康になれるはず~

糖質はガソリンで水溶性食物繊維はガソリンタンクに給油するときのノズルみたいな役わりをする。このノズルがないと給油中にガソリンがこぼれてしまうので効率がわるい。

 

たくさん注ぐとすぐに周りにこぼれてしまう。そのこぼれたガソリンは体脂肪になる。でもタンクの中はいっぱいにはならない。

 

少しずつ注ぐなら、こぼれる量は少なくはなるが、やはりガソリンタンクをいっぱいにできないのですぐにガス欠になってしまい、補給を繰り返す羽目になる。

 

ガソリンタンクが満タンでないと、車は常にエコモードになっており、出力はセーブされるようになっている。

 

大事なことはノズルを使ってしっかりと給油すること。朝はガソリンタンクが夜の間に使われて半分ぐらいになっていますから、朝の給油が一番大事。人のガソリンタンクは半分ぐらいになると、もう給油ランプがつくようになっている。

 

一回の給油で必要なガソリンの量など気にする必要はない。満タンまで入れればよい。こぼれないガソリンタンク内のガソリンはエネルギー源となり、体脂肪になることはないのだから。

 

もちろん満タン以上に注げばあふれてくる。その時は気がつくので、気づいていても注ぎ続けない限り(お腹がいっぱいなのに食べ続けない限り)実際そんなことはおきない。

 

そんなたとえ話を今日来た患者さんたちにしました。初めて聞く人もわかってくれたみたいです。もちろん、すべてを説明するモデルとしては全然不完全ですが、しっかり糖質をとることの重要性はイメージしやすくなるはずです。


さらに言うと人のガソリンタンクは肝臓と特に筋肉なんだけど、容量が変化して結構余計に詰め込めるようにできます。体脂肪は予備タンクでハイブリッドな仕組みがあります。

 

糖質のガソリンタンクを何時も満タンにしていたら、今太っている人はいつまでも痩せられないんじゃないかと考えた人いると思いますが、大丈夫です。痩せられます。

 

人のエネルギー源は糖質だけではありません。そうです脂質も利用します。

 

安静時においては、体の方は脂肪酸優位にエネルギー源として使っています。脳は糖質が中心です。あとは強い運動時など糖が使われるわけで、糖質と脂質の利用割合は活動の割合で変化しますが、そもそも糖質と脂質はエネルギー源としてはお互いに補うことができるとはいうものの別のエネルギー源であり、糖は糖、脂質は脂質として利用されるもので、どちらかが不足した場合や過剰だからといって、例えば糖をわざわざ脂質に変えて蓄え、それをまた糖にもどすなんて、エネルギー的に無駄なことは体は本来できるだけしたくないわけです。

 

太りすぎの人は特に食事での飽和脂肪酸の摂取を控えめにすれば、糖質をしっかりとっていても(例のノズル、水溶性食物繊維を使ってですよ)、日常に必要な脂肪酸の不足分は体脂肪からすこしづつ使われていきますから、ゆっくりですが体重は減っていきます。この場合、せいぜい一か月に1㎏ちょっとの減少なので確実に継続する必要はありますが、一番無理がない痩せ方ができます。

 

有酸素運動では使ったカロリーのうち糖質の割合がどうしても多く、それはその都度補わなければなりません。結局使った脂質量は大した量にはならないのが、運動でやせるのは難しい理由の一つです。また特にダイエットのために運動している人は糖質を補うことが足りなくなりがちなので、代謝を逆に運動で落としやすくしてしまうと思います。

 

どうも糖のガソリンタンクにセンサーがあってここが常に少ないと体はエコモードになるようにできているようです。糖質制限でLowT3になりやすいのはそのためです。エコモードにしないため、糖質は例のノズルを使ってしっかりタンクを満タンにしておけば、自然に脂質の摂取を控えるだけで体脂肪を落とすことが可能となります。