問題はエネルギー不足であって糖質の過剰ではない | 鈴木内科クリニック院長ブログ

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~食事で健康になれるはず~

糖質の過剰摂取が問題だと思っている間は、常に糖質は控えるべきものという考え方から抜け出すことはできない。


最初に問題にすべきだったのは必要な糖質が足りていないことによるエネルギーの不足のほうだった。だから間食がやめられない。だからいつもカロリーや食べすぎに注意していなければならない。


糖質選択だけの理論の時には白米はやはりできるだけ避けるべきものだった。でも今は麦飯だからしっかり白米が入っている。麦の水溶性食物繊維と一緒に食べれば白米の糖質も避けるべきものではなくなり、重要なエネルギー源だと認識できる。麦飯でなくとも白米だけでもいいのだ。その時はしっかりおかずを意識して選べばいい。脂質の制限も水溶性食物繊維の働きを知れば、そんなに過度にする必要もない。何かを過度に悪者にしなくて済むのは指導するうえで本当にありがたい。


しっかり食べることで逆に食欲は抑えられ、少しづつ体型の変化まで感じられる。これは嬉しい。患者さんたちも笑顔になる。


アルバイト先の外来では糖質制限をはじめからしたことがない人ばかりだ。僕の話を患者さんたちは素直に目を丸くして聞いてくれる。そしていいこと聞いたと笑顔で去っていく。そして次に来た時にいろいろな体感を語ってくれる。外来がまた楽しくなった。

 

追記

 

 

エネルギー不足とカロリー不足とでは意味は違う。インクレチンの働きが不十分だと例えば肝や筋への糖の取り込みがしっかりできないのでカロリー過剰であってもエネルギーは不足してしまう。そしてそのインクレチン分泌を刺激する短鎖脂肪酸を作るためにも、腸内細菌自体のエネルギー源としても炭水化物はしっかりとらなければならなかったのです。この場合も水溶性食物繊維が足りなければカロリー過剰であっても腸内細菌にはエネルギー不足ということがおこりうる。それが脳への信号(GLP-1の低下)を介してヒトを過食にはしらせていた。