ニッサンのシリンダーヘッド
エキゾーストのバルブシートが減ってしまい
バルブシート入れ替えの作業です。
ヘッド加工の中でも大手術の部類になります。
現在のバルブシートの状態です。
見事にシートが減ってます。
バルブの当りもベタ当りです。
通常、バルブシートはシートカッター(修正)で当りを取り直しますが
ここまでシートが減っていると、当り自体はシートカッターで修正できますが
バルブの位置が下がってしまい(バルブスプリング側に出っぱり)
バルブクリアランスがシム調整式ですと
一番薄いシムを入れても規定のバルブクリアランスが取れない
なんてことになります。
こうなると、バルブシート自体を入れ直し
ノーマルの高さ(シートが減る前の高さ)に直す必要があります。
ここまでシートが減ってしまうのは珍しいのですが
ホコリっぽい所で作業するフォークリフトや
エアーエレメントを外してしまっている車両などは
ホコリが空気(混合気)と一緒にエンジンに吸い込まれ
細かなホコリ(ちり)がコンパウンドの役目になり
バルブフェースやバルブシートに噛み込んで
異常な「減り」になってしまう事があります。
シリンダー壁やピストンリング、さらにクランクメタルまで減ってしまう
なんて事にもなりかねません。
エンジンに「ホコリ」は招かれざる客という事です。
ただこのエンジン、ホコリなどでシートが減ったのではないようです。
このエンジン、燃料が「ガソリン」ではなく、「ガス」なのです。
ガソリンと比べると燃費が良いなどメリットはありますが
一般に普及しないデメリットも多々あるらしいです。
ガスエンジンの場合、エキゾースト側のバルブおよびシートが減りやすい傾向にあるらしいです。
燃費が良い・・・薄い・・・燃焼温度・・・エキゾースト側が・・・って
考えるとなんかわかるような気がします。
さて、作業に入りたいと思います。
まずは現在の減っているシートを外したいと思います。
シートカッター機にヘッドをセットします。
ザクリ専用のバイト(刃物)です。
現在入っているシートの外径よりやや小さめに刃物をセット。
「やや小さめ」って言っますけど、いい加減じゃないですよ(^_^;)
台を固定して
刃物が回転しながら定位置までザグリます。
圧入で入っているシートがうすくなった事により、締めしろが無くなり
このように外れます。
紙一重ですね (^_^)v
やっと1個 (-。-;)
あと7個 頑張れ~