子供のいるご家族は、子供部屋を設けることと思います。
そして、子供には、誰しも「心豊かで、勉強の出来る子供に育ってほしい。」と、そして、心なしか、自分たち、親よりも、「頭のよい子に。」、「勉強の出来る子に。」、
「良い大学に、入学して、‥」などと願っているのではないでしょうか。
そこで、脳を活性化する内装材があったらいいのにとか、思ってしまいますね。
実は、そのような建築資材があるのです。
それは、ヒノキや、杉の内装板材です。
えっ、そんなことあるのと,皆さん思うことと思いますが、木の香りが、私たち人間にどのような効果があるのか、いろいろな実験や試験で証明されてきています。
2006年3月の静岡県木材協同組合連合会の発行する「もくれんCom」によると、東海大学、開発工学部(山崎清之教授)と静岡県静岡工業技術センター・地域産業技術部(櫻川智史主任研究員ほか)が、「木の香り生体反応試験」を実施し木の香りの刺激に対する人の脳波の影響を調べた報告がされています。
今までも,木の香りの「いやし(鎮静)効果」については、多くの試験データから、広く認知されていましたが、今回の試験では、「元気が出る=人の脳の活性化」について、検証されています。
次のように、検証されています。
ヒノキの精油の香りをかぎながら音の区別をさせたところ、香りをかいでいないときよりも,脳波(P300)の大きさが増えました(危険率 5%未満で、優位に振幅が増加)。
P300のうはの振幅が大きいということは、集中力が上がったことを示すそうです。
すなわち、ヒノキの精油の香りをかいで、勉強や仕事をすれば、効率が上がるといった効果が期待できるものと考えられるという試験結果が出ています。
これは、集中力が向上し、仕事、勉強が効率化するとなれば、子供室の内装には、もってこいではないですか。
木材から抽出される精油の代表的な成分がα-ピネンがあります。
このα-ピネンは、作業の負荷による疲労を軽減させる効果があることが報告されています。
最近、小学校や、幼稚園などでは、木造校舎を推進する傾向にありますが、心理的な面からは、木造の校舎の方が、校内暴力がコンクリートの校舎より、木造校舎の方が、少ないということも報告されています。
カナダ、フランス、旧西ドイツなどでは、鉄筋コンクリート造のの近代的とされる学校建築に,校内暴力の原因の一つがあるのでは無いかという問題提起がなされています。
コンクリート、ガラスなどの無機質材料が、児童、生徒の攻撃的な性質を増長するというわけです。
これらの国では、それを解決するための方策が検討されたようです。
この問題は、我が国ではまったく話題にもならなかったようです。
教育心理学の専門家が行った調査では、
鉄筋コンクリート造の校舎の女子では、不安傾向、抑うつ生、劣等感、,神経質の尺度においてその傾向が強かったのです。
これに対して、木造校舎の女子では、不安傾向では正常、抑うつ生、劣等感、神経質のいずれの尺度でもその傾向は小さく、情緒は安定し、攻撃的で華カットという調査結果が報告されています。
その他にも、内装に、国産材のヒノキや杉の内装板材を採用することで、部屋の調湿作用や、エフ分の1の揺らぎ効果で、リラックス効果も期待できます。
木材の内装材が、情緒が安定し、攻撃的にならないというので、船舶の船員の内装に、木材の内装材を使用するのは、長い航海で、狭い空間に閉じ込められるので、イライラし、船員同士のけんかや争いを少なくするため、木材の内装材を使用しているのです。
理にかなっているのです。
建築医学入門(松永修岳著)では、室内や外壁の色が性格に影響するとして、
抜粋して、
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色彩は人の心の成長や脳の発達に大きく影響を与えます。
‥‥
例えば、玄関から廊下、ダイニング、リビング、子供部屋、主寝室に至るまで、絵も掛かっていない白い壁の多い住居に住んでいたら、人はどのような性格になっていくでしょうか。
毎日真っ白い壁に囲まれて、その白さが目に自然に入り込んでくることで、人の心をどのようにしていくでしょうか。
そうした住環境に中で育った子供は心が豊かに成長せず、キレやすくなる傾向があります。
大人でも、そうした環境にいることで無感情・無感動な人間になっていきやすいのです。
心身が健康な人の感情量は豊かなものです。
「こういう環境の中で長期間生活すると、どんな性格が出来るのか」ということを是非想像して欲しいのです。
色のない世界にいると脳が萎縮します。
心が成長しないのです。
‥‥
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と、述べられています。
まして、この白い壁が、塩化ビニルクロスで仕上がっていたなら、もっと悪影響があるでしょう。
塩化ビニル壁紙を施工する接着剤には、防カビ剤や防腐剤が添加されていますが、これらは
化学物質の農薬であったりホルムアルデヒドを発生させるホルマリンだったりします。
また、塩化ビニル壁紙には、環境ホルモンとして悪影響の大きい可塑剤が混入されており、室内に、少しずつ揮発し、空気汚染をし、肺から、取り込まれていきます。
生殖機能に悪影響を与えます。
やはり、これらのことを考慮すると、人間という生物が生活する居住空間に使用する建材は、自然素材で造られるべきで、土に還らない素材は使うべきでないと思います。
住まいが、家族の健康や、精神状態にも影響を与えています。
やっぱり、子供室の内装は、国産材の桧や杉の内装板材で、決定ですね。
商売の神様、経営の神様と慕われている、松下幸之助も,住まいについて、このように言っています。
住まいは人間形成の道場
孟子のことばに、”居は気をうつす”というのがあるそうだ。
つまり、住まいというものは、そこに住む人の心を変化させ、
一つの性格を形づくる力をもっているという意味である。
たしかにお互い人間は、幼いときからの日々の生活習慣を通じて、
いろいろと物事を学んでいく。
あるいは感化を受けていく
その生活環境の中心が住まいであって、だから住まいというものは人格形成に大きな
影響を与えるものだと思うのである。
したがって、私は住まいというものを,単に雨露がしのげ、
心身の置き所になればよいと考えるのではなく
さらに進んで、人間を錬り鍛える道場、
人格の成長をはかる場所という観点からこれを重視するとともに、
細心の注意をもって、住まいづくりを心がけねばならないと思っている。
と、いっているのです。
実は、大学受験のある学習塾で、桧のパネルを壁面に当事務所の提案で、施工した例があります。
施工後、塾生にも良かったと聞いております。
合格率が上がったとまでは聞いておりません。(ここが肝心かな(*´∀`*))
参照資料
*もくれんCom №15 2006.3.31 静岡県木材協同組合連合会・発行
*木材は環境と健康をまもる 有馬孝禮著 産調出版
*建築医学入門 松永修学著 一光社
株式会社スズキ建築設計事務所
取締役相談役 鈴木 明
*会のHP http://www.woodhome.jp/
*事務所のHP http://suzuki-naturaldesign.com/
*e-mail info@suzki-naturaldesign.co