開幕から2試合続けての3失点敗戦。
守備の弱さが際立ち、栃木SCとしては相当に厳しいシーズンの序盤戦になりました。
ピッチ上での修正は難しそうで、第1節のファジアーノ岡山戦でも、第2節のモンテディオ山形戦でも、ずっとその弱さが露呈しています。
昨シーズンまでの栃木SCは、そりゃあ勝てないチームでしたが、負けるにしても大量失点はそう見られず、少ない失点の中での敗戦が多かったのが救いでした。
今シーズンのチームは、守備の強度が著しく劣り、似たような形からの失点が続いてしまい、これでは、勝利するどころか、引き分けすらもままなりません。
試合後、コールリーダーから、「今シーズンも相当に厳しい戦いになると思いますが、それでも、前を向けて応援して行きましょう」という感じの発言がありました。
それ、本当にそうだと思いましたし、この状況が早々に打開できないのであれば、僅か2試合を消化しただけの時期ではあるものの、降格は避けられないのではないかと、そんなことすらも思ってしまいました。
ホーム開幕戦だったことから、スタジアムでは様々イベントが実施されています。
ゴール裏では、ブロックごとに、黄色と青色の旗が配置され、選手がピッチに入場して来る際、コレオとしてサポーターが振りましたが、これは予想以上に見事だったと思います。
スタジアムのビジョンに映し出された映像には、空席のない迫力あるコレオになっていました。
この良い雰囲気の中、何とか山形からゴールを奪い、今シーズンの初勝利を奪って欲しい。
その願いは一瞬、叶うのかと思えたのですが、オウンゴール、そして、PKを防がれるという事故のようなもこともあって、自ら勝利の道から逸れた感も否めません。
この試合、分岐点は、そこにありました。
「たら」「れば」は禁句なのでしょうが、それでもです。
PKが決まっていれば、この試合の行く末は大きく違っていたと思います。
勝手に抱いていた期待は萎む一方で、既に、萎み切る寸前です。
こうも守備か軽くては、結果は決して得られません。
1戦目と2戦目を見比べても、ここの強度は弱いままで、改善している様子はありませんでした。
ただ、攻撃に関しては、岡山戦からすると、かなり良くなっているとは感じましたが、まずは守備をどうにかしないと、勝点を積むのは相当に苦しいのも事実です。
簡単にというのは語弊があるのでしょうが、それでも、簡単に失点しているようにも見えてしまうことから、何とか手を打つ必要がありますが、しばらくはこんな感じの状態が続くはず。
失点はある程度、仕方のないことです。
ただ、その仕方がないとは言えない状況にありますし、まずは、この守備改善は栃木SCとしては至上命題であって、急務になっています。
次節、ヴァンフォーレ甲府戦でどこまで改善することができるのか。
簡単に行かぬと思っていますが、それでも、田中監督には何とても、この複数失点を止めていただかねばなりません。
【結果】
栃木SC 1-3 モンテディオ山形
前半 1-3
後半 0-0
【会場】
カンセキスタジアムとちぎ
【得点】
前06 奥田晃也(栃木)
前21 オウンゴール(山形)
前31 イサカ ゼイン(山形)
前36 高橋潤哉(山形)
【栃木SC警告】
該当選手なし。
【栃木SCスタメン】
GK 丹野研太
DF 平松 航
DF 藤谷 匠
DF 福島隼斗 → ラファエル(後41)
MF 佐藤 祥 → 神戸康輔(後0)
MF 大森渚生
MF 石田遼太郎
MF 大島康樹 → 森 俊貴(後33)
MF 小堀 空 → 南野遥海(後11)
FW 奥田晃也
FW 矢野貴章 → 宮崎 鴻(後11)
【栃木SCリザーブ】
GK 川田修平
DF ラファエル ← 福島隼斗(後41)
MF 森 俊貴 ← 大島康樹(後33)
MF 土肥航大
MF 神戸康輔 ← 佐藤 祥(後0)
FW 宮崎 鴻 ← 矢野貴章(後11)
FW 南野遥海 ← 小堀 空(後11)
【審判団】
主審 : 大坪博和
副審 : 金井清一
副審 : 千葉直史
【観客数】
8,592人
【天候/気温/湿度】
晴/10.5℃/27%
【第2節終了時順位】
20位
前節からの変更は、南野選手が外れて矢野選手が入ったこと。スタメンでの変更はここだけでした。
リザーブでは、揚石選手に代わって土肥選手が入り、イスマイラ選手に代わって宮崎選手が入ったこと。
前節、相当に厳しい試合内容で、ハッキリ言って最低に近い状況にあっただけに、これだけの変更だということには驚きがありました。
特に、守備の選手の入替えはなく、しかも同じシステムでしたので、この山形戦も、試合前から失点を重ねるイメージが強く浮かんだのは正直なところです。
残念ながら、それが現実となってしまいました。
先制点を奪い、同点にされてもなお、栃木SCとしては、なかなか良い試合展開だったと思いますが、それでも、依然と守備に不安はありました。
栃木SCの今シーズン初ゴールは、FWの奥田選手から生まれていますが、これはCKからの展開で決まったゴールです。
左からの良いクロスが入りましたが、ファーサイドに流れて来たボールを冷静に押し込んでのゴールでした。
決まった瞬間、スタジアムが大きな歓声に包まれ、「岡山戦の大敗を払拭できるのでは」と、そんな淡い期待を抱いてしまったのは私だけではないはずです。
しかし、山形に一瞬の隙を突かれてしまい、最後はオウンゴールで同点とされてしまいましたが、それでも、意外と攻撃に迫力があったことから、栃木SCとしては、まだまだ戦えるのはでという予感もあったのです。
その同点とされた直後、突破を図った矢野選手がエリア内で倒されてPKとなるのですが、これが決まるのか決まらないのかは、この試合の運命を大きく左右する分岐点になります。
このPK判定には、相当に山形の選手が納得していない様子がありましたが、DAZNで見返す前に書いていることから、真意は定かではありません。
ただ、あれだけ激しい抗議でしたので、もしかすると、PKとするには厳しい判定だったのかもしれません。
同点とさた直後のPKです。
この流れにあっては、絶対に決めなければならぬPKでした。
ボールをセットした大島選手が蹴るのかと思ったのですが、蹴ったのは矢野選手。
蹴る前、ちょっとした駆け引きがあり、山形のGKである後藤選手は、右側をやや広めに空けていたように感じました。
右に誘っているのはないか。
その右に蹴られた瞬間、後藤選手が素晴らしいセーブを見せ、このPKを見事しか言いようのないセービングで防いでいます。
決まらなかった。
スタジアムには、そんな空気が一瞬ですが溢れます。
そうか、決まらなかったか。
そこから徐々に流れが山形に傾き、逆転、そして、追加点と、前半のうちに3失点を喫してしまい、勝点3の期待があった状況から、一気に試合は下降線を辿ることになってしまいました。
前半で痛んだ佐藤選手に代わり、後半頭から神戸選手がボランチに入りましたが、攻撃のリズムが少しは上がったと思います。
そして、後半11分には矢野選手から宮崎選手へ、小堀選手から南野選手へと変更し、田中監督は何とか1点を返そうと攻撃的な交代に踏み切っています。
まず、これには賛成できる交代策、時間帯でした。
厚みある攻撃が見られるようにはなりましたが、それでも、決定機は遠く、なかなかシュートに行けないもどかしい展開でした。
後半を0点に抑えている守備ですが、それは戦術的なものは小さく、山形の決定力に助けられての0点だったと思います。
事実、それを外してくれたというような場面もあって、本来なら、あと2点ほどは失点をしていたのではと考えてしまいます。
最終番には、栃木にも決定機が続きましたが、どうしても決め切ることができずに、無念の敗戦となってしまいました。
攻撃面でも、守備面でも、課題は大きく、シーズン開幕前にどうにかできなかったのかと嘆きたくもなりますが、トレマとかでは機能して来たということなのでしょう。
リーグ戦という中にあっては、その弱さが露呈してしまい、現状では、その修正に苦戦を強いられているといった感じに映ります。
堅い守備から攻撃に繋げなければ、安定したチームにはなり得ませんのが、まだまだ、そこに至るまでには時間が必要に感じました。
ですので、これから先、勝利を奪うにはまだ数戦が必要なのではと思っています。
我慢の試合が続くことになりそうですが、そんな中でも何とか勝点を拾いながら、まずは最下位からの脱出を狙うことになりそうです。
栃木SCとしては、開幕して早々に、正念場ということです。
ホーム開幕戦という試合でも大敗でしたが、次戦は直ぐにやって来ます。
気持ちを切り替え、その試合に備える必要があります。
それは、選手も、サポーターも。
その次節は、アウェイでのヴァンフォーレ甲府。
またしても厳しい相手です。勝つのは容易ではありませんし、またしても複数失点が脳裏に浮かぶような相手です。
そんな相手ですが、この甲府戦も遠征してスタジアムで応援します。
至って近いスタジアムです。
少しでも多くの栃木サポーターで選手を鼓舞し、結果が得られる試合となるよう応援しましょう。
1勝が流れを変えるころもあるのです。
それを期待して、応援して行きましょう。
またしても気分が乗らない一週間を過ごすことになりましたが、これがある意味、シーズン中の日常です。
そんな一週間になりましたが、仕事に、学業に、みんなで一生懸命に過ごして、週末はスタジアムで、または、DAZNで。
栃木SCのある生活を満喫して、その先に、喜ばしい結果があることを期待しています。
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