徳島ヴォルティスはとても強かったというのが、この試合を観た率直な印象です。
パスの正確さに合わせ、そこにはスピードもありました。
選手個々の前への意識もかなり高く、一気に前線にまで持ち込まれることも多くあり、栃木の選手は相当に手を焼いていたと思います。
昨年まで栃木でプレーしていた西谷和希選手。
ドリブルは相変わらず素晴らしく、徳島の選手から正確なパスが供給され、カバーに入る選手との連係も良く、生き生きと躍動していました。
本当に良いチームに移籍したなと感じたこと、ちょっと悔しい感情もあったりします。
徳島に強さを感じはしましたが、一方的にやられている感は少なく、栃木にも得点の気配はあったりと、戦えていた試合でした。
昨シーズン多く見られた負けるべくして負けた試合とかではなく、紙一重の勝負だったと思います。
それだけ、栃木SCも強くなっているってことの証です。
【結果】
栃木SC 0-1 徳島ヴォルティス
前半 0-0
後半 0-1
【会場】
栃木県グリーンスタジアム
【得点】
後06 小西雄大(徳島)
【栃木SC警告】
前27 西谷優希(累積1枚目)
後45 黒崎隼人(累積2枚目)
【栃木SCスタメン】
GK 川田修平
DF 高杉亮太
DF 瀬川和樹
DF 田代雅也
MF 西谷優希 → 黒崎隼人(後41)
MF 溝渕雄志 → 柳○育崇(後45)
MF 山本○廉 → 有馬幸太郎(後24)
MF 佐藤○祥 → 禹○相皓(後24)
FW 明本考浩
FW 森○俊貴
FW 大島康樹 → 矢野貴章(後24)
【栃木SCベンチ入り】
GK オビ パウエル オビンナ
DF 柳○育崇 ← 溝渕雄志(後45)
DF 黒崎隼人 ← 西谷優希(後41)
MF 禹○相皓 ← 佐藤○祥(後24)
FW 榊○翔太
FW 矢野貴章 ← 大島康樹(後24)
FW 有馬幸太郎 ← 山本○廉(後24)
【審判団】
主審 : 山岡良介
副審 : 五十嵐泰之
副審 : 大矢○充
【観客数】
1,865人(入場規制試合)
【ピッチ状態】
全面良芝
【天候】
曇
【順位】
暫定10位
5連戦の4戦目ということもあり、互いに疲労が濃い中での試合だとは思いますが、どちらも選手は予想以上に動けている印象を受けました。
前線からのプレスは栃木も徳島もサボることなく最後まで見られ、随所に見せる攻撃は徳島を慌てさせます。
エリア前で倒されるシーンも数回ありましたし、幾度となくエリア内まで侵入することもできました。
なかなか崩し切るところまで行けなかったのは課題ですが、田代選手のヘッドがクロスバーに嫌われるなど、本当に惜しいシーンもあって、なかなか見応えのある展開だったと思います。
失点は不運な感じでしたし、あれは防ぎようがない事故的なものです。ゴールを決めた小西選手が凄過ぎました。
徳島に少しだけ運があった。
結果的には、それが全てだった試合だと思います。
徳島の選手はピッチをとても広く使っていました。
両サイドの中盤は、ほぼサイドライン上に位置することも多く、栃木の前線の選手がプレスに行ってサイドが空くと、そこに大きく展開するパターンは、スカウティングによるものなのでしょう。
パスが通るとサイドバックの選手が対応に当たるため前に出て、その背後にボランチの選手がカバーに入る栃木の守備ですが、そのことで中盤に数的不利が生じ、セカンドボールの多くは徳島に拾われる苦しい展開が、特に前半に多く見られました。
その両サイドへの大きいパスによる攻撃と、ドリブルによる攻撃が融合し、徳島の攻撃は迫力がありました。
それでも、栃木の守備は相手に決定機を与えず、とても安定していたと思います。
GK川田選手の好セーブも相まって、前半は無得点で切り抜けたのですが、残念なことに、後半早々に不運な形での失点が生まれてしまいます。
反対側のゴールで起きた事案でしたので、そのときは何が起きたのか分からず、周囲の「ああ…」という沈んだ声で、失点したことを悟ったのです。
この試合から、応援の一部として手拍子が解禁されています。
試合前のオープニングムービーのときには手拍子がありましたし、FKや深い位置でのスローインのときなど、スタジアムには手拍子が響いていました。
CKなどのときにも手拍子で後押しできれば良かったのですが、残念ながらこの試合では徳島の10本に対して0本と、その機会がなかったのはかなり残念です。
例え手拍子とはいえ、スタジアムに一体感が生まれたと思います。
少しは選手の後押しになれたのなら良いことですが、後半の押している時間帯は、スタジアムにチャントを響かせて、もっともっと、選手を後押しできたらと、そう感じてもしまいました。
チャントで応援できる日はいつになるのでしょう。
それは、まだまだ先に感じたりもします。
それでも、日常のスタジアムに、また一歩、近づきました。
西谷兄弟の直接対決として注目を集めたこの試合。
益子町出身ということで、この試合は益子町民デーとして開催れています。
試合前の大塚町長のあいさつは面白く、メモなど少しも見ずに、堂々とユーモアを交えて笑いを誘っていました。
真面目なあいさつが多い中、ちょっと異色なようにも感じましたが、素晴らしいあいさつだったと思います。
その大塚町長からあった3つのお願い。
1 西谷優希選手(栃木)がゴールを決める。
2 西谷和希選手(徳島)がゴールを決める。
3 栃木SCが勝利する。
残念ながらどれも叶いませんでした。
少なくとも、3は叶って欲しかったのですが、まあ、仕方のないことです。
益子町民デーのポスターは、サポーターに人気でしたね。
その西谷兄弟の対決を表現した素晴らしいデザインです。
そのポスター、我が家の玄関に掲出されました。
もう一枚は、また別の場所にと考えています。
やっぱり負けると悔しさがあります。
かなり戦えている分、悔しさは昨シーズンよりも大きいかもしれません。
それだけ、栃木SCに期待しているってこと。
この敗戦で、順位は8位から10へと後退。
しかし、悲観する必要もなく、実力ある他チームと競っていられることは素晴らしいものがあります。
昨シーズン、ギリギリの首の皮一枚で残留を果たしたチームとは思えません。
次節は、中3日での連続ホーム戦。
松本山雅FCを迎え撃つ5連戦最後の試合となりますが、相手は今シーズン相当な不調に苦しんでいます。
栃木と真逆な状態ですが油断は禁物。
連敗だけは絶対に避けなければならぬ試合でもありますし、何とか勝利を手にして欲しいと思います。
勝てば再びの一桁順位ですよ。
その一桁順位を定位置とし、シーズン終盤まで行けるチームになっていると、それだけでも嬉しい限りです。
スタジアム周辺への路上駐車は駄目だと、これで3試合連続のアナウンスがった訳です。
それでもなくならないとは、本当に残念でなりません。
まさか、次の試合でもってことはありませんよね?
本当に恥ずかしいことですし、本当に情けないことです。
これ以上はアナウンスとかなくても良いでしょう。
どんどん検挙してくださいよ。
押してください。