単に『アポイントが取れなかった』だけでしょうが。
(日刊ゲンダイ 2018年5月12日)
「時間の都合がつく限り、どなたであってもアポイントがあればお会いした」
柳瀬唯夫元首相秘書官(現・経済産業審議官)に対する10日の参考人招致で、野党議員が一斉に「えーっ」と仰天の声を上げたのが、この答弁だった。
首相秘書官という重責を担う国家公務員が、アポがあれば誰とでも官邸で面会し、話の中身はメモに取らず、首相にも報告しない。しかも記録も一切残さない――。スパイが大喜びする柳瀬氏のこの発言を確認するべく、日刊ゲンダイ本紙記者はさっそく、11日、官邸にアポの電話を入れた。面会を要望した相手は、柳瀬氏と同じ経産省出身で、国会審議中に質疑者にヤジを飛ばして厳重注意となった佐伯耕三首相秘書官だ。
最初に電話対応した官邸の担当者は「折り返し連絡する」と返答して電話を切り、3時間ほどして佐伯秘書官付の職員から連絡が来たのだが、いきなり「プレスの方との面会は、取材であるか否かにかかわらず、全てお断りしています」とピシャリ。本紙記者が「取材ではない。柳瀬さんは誰とでも面会していたではないか」と食い下がったのだが、「秘書官は基本的に『裏方』の業務を担当しており、表で取材を受ける立場にありません」と門前払いだったからフザケている。
柳瀬答弁は何から何まで全てウソだ。
ゴシップ誌の記者に多くを望むことが出来ないのは承知ですが、記事のタイトルで既に答えが出ているではありませんか。
柳瀬唯夫元首相秘書官は、確かに『時間の都合がつく限り、どなたであってもお会いした』と発言しています。
ただしそれは、『アポイントがあれば』という前提の上での事です。
誰とでも会うと言っても、首相秘書官という仕事は多忙を極める仕事です。
面会を希望するすべての人に、会う事が出来るわけではありません。
当然面会希望者の素性や面会目的を吟味して、時間を決めてアポイントという事になるのです。
そして秘書官という仕事は、秘書をしている人物のフォローをする、言わば『裏方』の仕事です。
この場合は総理大臣の秘書官ですから、総理大臣に対する面会希望者や陳情にくる人に事前に会い、総理に上げるべき事なのかどうかを事前審査するのが仕事です。
それだけでもいくつ体があっても足りない位、多忙を極めるはずです。
プレスの取材を受けるのが仕事ではありませんから、取材拒否は当然でしょう。
そんな暇があったなら、全国からくる陳情者に一人でも多く対応したいでしょうから。
それを本気で知らないとしたら、ゲンダイ記者の不勉強は徹底していますね。
もっとも知っていて「取材を申し込んだが断られた。元秘書官が『誰とでも会う』と言っていたのはうそだったのだ」というアリバイ作りで、断られる前提でアポを申し込んだ可能性の方が高いですが。
いずれにせよ取材の申し込みは、プレス担当にすべきでしょう。
内閣にはきちんと内閣官房長官を筆頭に、プレス担当者は複数いるのですから。
そこまで知らないとは思えませんから、『フザケている』のはゲンダイの記者の方です。
ハッキリ言いましょう。
ゲンダイの報道姿勢は、『何から何まで全てウソだ』と。