ケーブルカー往復券990 円 | 愚図愚図日記 ~スーの魂~

愚図愚図日記 ~スーの魂~

映画の話はたま~に…。かなり統一性のないブログです。くだらないことも書くけど許してください!!

ジャリ…ズズー
危なかった、疲労によりもつれた足がいうことを聞かなくなっている。
辺りは薄暗くなってきた。

『ホホホホホホホホ キキキキキキキ』


森から得体のしれない生き物の鳴き声がする。
これは本当に早く帰らなければ、行きで通過した神社に差しかかる。

『よしここを抜ければ…嘘だろ?』
僕が目にしたのは閉められた鉄格子の扉だった。扉には『夜間通り抜け禁止 迂回路へ』と書かれていた。
迂回路はじめじめした土と木の根とでボコボコした歩きづらい道だった。息が切れてくる。気がつくと自分の呼吸だけがあたりに響き渡る。
『はぁはぁなんで俺こんなことしてるんだろう…』
次の瞬間だった。右足が木の根に引っかかってしまった。何も考える暇もなく、僕は後ろに倒れ意識を失ってしまう。
徐々に意識が遠のくなか、木の葉が不気味に夜空に揺れていた。



『僕はどうしてここにいるんだろう…』



眠りに似た感覚。しかし、一つだけ違うのがもう目覚めないような気がしてならないことだ。きっと遭難とか災害で死ぬ人ってこんな感じなんだろうな。となぜか冷静に考えていた。今にも閉じてしまいそうな瞼を僕は必死で開けようとしたが、そんな僕の抵抗は虚しく暗闇の世界に引きずり込まれていく。

その時後悔した。なぜあの時あんな選択をしてしまったんだろうと。




長い前振りはともかく僕はなかなか休めないことに心が折れていた。
泊まりまくり三週間休みがなかった僕は番組が終わると同時に次の土日2連休を楽しみにしていた。久しぶりに実家に帰りたいと思い金曜の夕方実家に帰ることを伝えたのだった。その一時間後土曜1日ロケに行くことが告げられた。次の日はまさに地獄。朝5時起き(ほぼ寝れなかった)夜9時くらいまで。帰りがけ酒をあおり、帰ってから映画などを見て眠る頃には朝方になっていた。
もう次の日は決まりきっていた。起きたら薄暗く夕方になっていた。
僕が思い描いてた週末はもろくも崩れ去った。夕方に起きたものがすぐに寝れるはずがない。しかも、月曜日は運の悪いことに月に一度の朝礼だった。朝方最悪な気分で布団に入る。そして、起きた瞬間寝坊だった。ダッシュで走れば間に合ったかもしれない。しかし僕にはもうそんな気力が残っていなかった。事務の人に電話をして、頭が痛いから午後からにすると報告する。そのあと二度寝をして時間は13時になっていた。それでも急ごうとはせずにオナニーをしてシャワーを浴びる。そして家をでる頃には15時になろうとしていた。駅までの道すがら、今更行ってもという思いが駆け巡る。
目の前を走る中央線を見る。会社とは逆の方向に行きたい。遠くに行きたい。僕は高尾山に行くことに決めた。