平安時代の物語のはなし。 | 机の上のちいさな箱

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読書と本たち、珈琲、手帳。
素朴な日々の暮らし。



平安時代が舞台の物語について
書いてみようと思います。



*


朝日文庫の11月の新刊で
「この世をば」が発売されました。
永井路子さんの 平安王朝三部作の一つです。


平安王朝三部作は 
以前、図書館で借りて読みました。

流通しなくなり 手に入れることが
難しくなっている本です。




2024年の大河ドラマが
「光る君へ」に決まった時、
様々なことを思いました。

そのうちの一つが 平安時代を舞台にした
本たちのことです。

永井路子さんの平安王朝三部作 再版しないかな、
杉本苑子さんの「散華」再版しないかな、
そう思いました。


それからしばらく経ち、
2023年9月の新刊で
「散華」が中公文庫のままで発売されました。
散華は紫式部の生涯を描いた物語で
分厚い文庫 2冊に分かれています。
表紙はリニューアルされ
カジュアルな雰囲気になりました。




私が持っているのは古い版のものです。
何度読み返したかわからない程です。


この機会(大河)に再版して
新しい読者が増えると素敵だな と
思っていたら 本当にそうなって
嬉しく思いました。

そして11月、
永井路子さんの「この世をば」が
新潮文庫→朝日文庫となって
発売されました。

「この世をば」は 
藤原道長を主人公とした物語で
分厚い文庫2冊に分かれています。
朝日から出るなんてびっくりしました。

毎月、次月の文庫新刊一覧に
隅々目を通すのですが、
そこに この世をば を見つけた時の
喜びと言ったら!!
\(^o^)/


さっそく購入して読み、
三部作の他「王朝序曲」と「望みしは何ぞ」も
読みたくなり、図書館で借りて読みました。


「望みしは何ぞ」は
藤原道長の息子(母は源明子)
藤原能信が主人公です。
物語の時期は この世をば と同じく平安中期。



王朝序曲 は嵯峨天皇に近侍した
藤原冬嗣が主人公です。
平安時代初期の物語。


*

平安時代の物語で
私が一番好きなのは「山河寂寥」です。
杉本苑子さんの作品です。


宇多天皇即位に大きな影響力を持った尚侍
藤原淑子が主人公の物語です。
時期は平安時代初期〜中期の間頃。

(欲しいと思った時には既に流通してなく
古本で探して購入しました。)

何度も何度も読みました。


*

同じく杉本苑子さんの
「檀林皇后私譜」もとても好き。


嵯峨天皇の皇后
檀林皇后こと橘嘉智子が主人公の物語です。
橘嘉智子は橘氏としては
最初で最後の皇后です。
物語の時期は平安時代初期。

この本も何度も読みました。



*

最近、髙木のぶ子さんの
「小説伊勢物語 業平」と
「小説小野小町 百夜」を読みました。


文章から溢れる情感たっぷりの
世界観がとても美しくて 
平安時代の雅な空気を
たっぷりと吸い込んだ気持ちになりました。
  

*


平安時代の本だとこちらもよき。
「月と日の后」冲方丁さんの作品です。
藤原道長の娘で一条天皇の皇后
藤原彰子が主人公です。


最近、文庫が発売されました。




漫画ですと
「あさきゆめみし」はもちろんですが
「はるはあけぼの殺人事件」が
(どちらも大和和紀さん)
とってもおすすめ。

他にもたくさん紹介したい本があるのですが
長くなりそうなのでこのあたりにします。


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【 今日紹介した本 】
()の中は主人公の人物

永井路子さん
  • 「この世をば」朝日文庫(藤原道長)
  • 「望みしは何ぞ」中公文庫(藤原能信)
  • 「王朝序曲」角川文庫(藤原冬嗣)
杉本苑子さん
  • 「散華」中公文庫(紫式部)
  • 「山河寂寥」文春文庫(藤原淑子)
  • 「檀林皇后私譜」中公文庫(橘嘉智子)
髙木のぶ子さん
  • 「小説伊勢物語 業平」日本経済新聞出版(在原業平)
  • 「小説小野小町 百夜」日本経済新聞出版(小野小町)
冲方丁さん
  • 「月と日の后」PHP文芸文庫(藤原彰子)
大和和紀さん
  • 「あさきゆめみし」
  • 「春はあけぼの殺人事件」(清少納言)


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【 おまけ。】

再版希望の「穢土荘厳」。
奈良時代の長屋王の変を描いています。
とても重厚な物語です。




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読んでくださり
ありがとうございました。*



来年もたくさん素敵な物語に
出逢えるといいな と思います(^^)






いつも ありがとうございます*



如奈。