千早茜さんの紡ぐ物語。** | 机の上のちいさな箱

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読書と本たち、珈琲、手帳。
素朴な日々の暮らし。

おはようございます*


6月、水無月です。

長かった5月が終わりました。
新しい一ヶ月の始まりです。


どんな風に過ごそうか
まだ 頭の中でまとまっていないので
きょうは ゆっくり考えたいと思います。
 

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千早茜さんの新刊と既刊の
2冊を読みました。
千早茜さんの世界にとっぷりと
入り込んでしまい
あっという間に読み終わりました。

*

「透明な夜の香り」集英社



わたし、この物語すきです。

世界観はちょっと変わっていて
今までにない感じだけれど、
(実際に現実にあったら…
複雑な気持ちになると思う。)
やっぱり すきです。

物語を覆う 白い薄いカーテンのような
世界の空気が すきです。

主人公は一香(いちか)という若い女性。

一香 に共感して 尊敬してしまう。

気持ちにさざ波を立てないところや、
指示されたことを的確に
(四角四面だけでなく柔軟に)
こなすところや、
嘘がなく 正直なところ。

好ましいと思います。

一香を通して 周りの人たちも
変化してゆくのが
自然に描かれていて、
そこも すき、です。


*

「神様の暇つぶし」文藝春秋



本能や感情の赴くままに
人を求めるって
こういうことなのかな。

この物語の先にある
藤子(ふじこ)の人生が
心配になるくらいの
濃密な時間。魂がゆさぶられる時間。
恋愛、という言葉で表しきれない
複雑で強い感情。

人生において
こんな時間が一瞬でもあったら
それはその人にとって
良いものなのか、そうでないものか
わからないな… と考えさせられました。


*―*―*―*―*―*―*


千早茜さんの世界は
水っぽい世界で
薄い帳があるような感じ。

登場するのは、
気だるくて
倦んでいて
斜めに見ていて
自立心があって
少し崩れている。

でも根のところには、
芯があって強い部分や
まっとうな部分を持っている
(若い)女性たち。



彼女たちが
様々な人とかかわり合いながら 
心や身体が回復してゆく 
もしくは好転、よい方向へ向かう
その過程が描かれている。

その過程が自然で心地よいと感じる…

書き方・描き方が、本当に上手いと思います。




魚神の白亜も
男ともだちの神名も
森の家のみりさんも
さんかくの高村さんも
神様の暇つぶしの藤子も
透明な夜の香りの一香も
どこかそんな要素が
ひとつでも含まれている気がする。




千早茜さんは、
倦んでる若い女性を描いたらぴかいち。


デビュー作から、ずっとすきです。
これからもすきです。





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二十四節気の
九節気 芒種 です。


(のぎ)はイネ科の植物の
穂の先にある尖った部分のこと。
芒種(ぼうしゅ)は芒のある植物の種を
植える時季をいいます。
また、田植えの目安でもあります。
(でも実際はもう田植えは済んでますよね)

そして、梅雨入りの時季でもあります。

今年は暑くなるのが早いです。

どんな梅雨になるか
梅雨を乗り切れるか
毎年不安ですが、
何とかがんばりたいと思います。

今月はリウマチ月間。
皆さまの体調が穏やかでありますように。


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きょうも 読んでくださり
ありがとうございました。**


穏やかな まるい心で過ごせますように。*

ゆるやかな時間を過ごせますように。**



如奈。