「雲神様の箱」。 | 机の上のちいさな箱

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素朴な日々の暮らし。

おはようございます*



きょうは 少しひんやり。
ようやく太陽が出てきました。



きょうは 読み終えた一冊について
ちょっと書きます。


*……*……*……*……*


「雲神様の箱」円堂 豆子 角川文庫


この本は ジャケ買い。ひとめぼれ。

新刊コーナーに面陳されていた時、
苗村さとみさんの絵と
"雲神様" という言葉が 目に入りました。

一目見て これは読まなくては!と
思ったのですが結局悩んで 
面陳からはずれて
棚差しになってから購入しました。

(これは、ジャケ買いとは言わない…?)


以下 おそらくネタばれなど含みます。
ご注意ください。


*……*……*……*……*……*……*……*……*


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物語は 古代日本
土雲の一族の姫が主人公です。

はっとしたのが
雲神様、土雲、という言葉。


土雲 は つちぐも。
音は "土蜘蛛" と同じ。

まつろわぬ民 土蜘蛛は
そういう捉え方もある!
すてき! と静かに感動。

土雲族の設定もおもしろいです。



古代日本における どの時代・地域が
舞台なのかなあ と探りながら
読み進めていきました。

そして、
雄日子(おひこ)という若い王が登場します。

そのうちに「湖国」という言葉が出てきました。


みずうみ、
古代日本における湖は琵琶湖、
琵琶湖の国は 近江国、
琵琶湖付近・近江国で "お" が付く名前で
古事記などに登場する王は… 

となると やはり「をほどのおおきみ」
継体天皇 かな?と予想しました。



そこからは、
飛鳥
淡海
列柵宮(なみきのみや)(武烈天皇の宮)
平群真鳥(へぐりのまとり)
稚猛武王(わかたける)(雄略天皇)
大鷦鷯聖王(おおさざき)(仁徳天皇)
など 馴染みのある名前が登場したので
時代や地域の予想は
だいたい当たっているかな と思いました。



まだまだ 物語が動き出したばかり
という感じ。
続編がありそうな終わり方でした。

わからないことや
明かされていない謎もたくさん。


*

登場人物の描き分け方が
はっきりしていて
個性が際立っています。

魅力的な人物や、
不思議な魅力のある人物が
たくさん登場します。

何だかこの人 惹かれるなあ と思う
小さなわくわく感があります。*



心理描写が細やかで
揺れ動く 葛藤する 心の動きが
丁寧に描かれていました。

特に土雲の姫(姫と扱われていないけれど)
セイレンは混乱と葛藤だらけ。


わたしの中の 
神話や古代史のイメージも
プラスされていると思いますが、
リアルに動く人や風景、自然が
鮮やかに浮かぶところも
読んでいて心地よかったです。


すてきな物語に出逢えました。**

続きが楽しみです!




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きょうも 読んでくださり
ありがとうございました*


健やかに 穏やかに 過ごせますように。**


いつも ありがとうございます*


如奈。