スッタニパータ 学生ポーサーラの質問1114の解説 | suttanipatacomのブログ

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suttanipata.com管理者がスッタニパータ(ブッダのことば)をわかりやすく現代風に解説

1112 ポーサーラさんがたずねた、「過去のことがらを説示し、悩み動揺することなく、疑惑を断ち、一切の事物を究めつくした(師)におたずねするために、ここに来ました。

 

 

1113 物質的なかたちの想いを離れ、身体をすっかり捨て去り、内にも外にも『なにものも存在しない』と観ずる人の智を、わたくしはおたずねするのです。シャカ族の方よ。そのような人はさらにどのように導かれねばなりませんか?」

 

 

1114 師(ブッダ)は答えた、「ポーサーラよ。すべての〈識別作用の住するありさま〉を知りつくした全き人(如来(にょらい))は、かれの存在するありさまを知っている。すなわち、かれは解脱(げだつ)していて、そこをよりどころとしていると知る。

 

 

 

師(ブッダ)は答えた、「ポーサーラよ。自らの人間的思考の運動による反応の仕方を知りつくし、すべての識別作用の住するありさまを知りつくした全き人如来(にょらい)は、かれの存在するありさまを知っている。すなわち、かれは知見によって解脱(げだつ)していて、そこをよりどころとしていると知る。

 

 

 

この世の人々は、自らの想いによって、すなわち、識別作用がもたらす現象によって、この無常の世に住するのであるから、修行者は、この世の無常を知り、自らが住する空性を知って、そこをよりどころとし、その解脱しているありさまを知るのである。そこに得るものは何もなく、すでに、もう、その解脱は、すでに、完成されていたのである。