スッタニパータ 学生ジャトゥカンニンの質問1100の解説 | suttanipatacomのブログ

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suttanipata.com管理者がスッタニパータ(ブッダのことば)をわかりやすく現代風に解説

1100 バラモンよ。名称と形態とに対する貪りを全く離れた人には、諸々の煩悩は存在しない。だから、かれは死に支配されるおそれがない。」

 

 

修行者よ。目の前に現れる名称と形態とに対する貪りを全く離れた人には、人間的思考の運動(快⇔不快)による諸々の煩悩は存在しない。だから、かれは自らの想いを制し死に支配されるおそれがない。」

 

 

 

人は、この無常の世に存在すると思い込んでいる名称と形態に執着をしてあれこれ考える生き物である。その迷わせる思惟は何か?それは、この無常の世に存在すると認識した時点で、見方が不当なのであるから、その時点ですでに迷うのである。この世は、無常であり、この世に存在するものは、空性であるから、一時的な現れなのである。その幻影を追い求めて人は迷いの道へ入り込み煩悩と死に支配されているのである。それを知って聖者は、人間的思考の運動を制して、現象をあるがままに見ることによって、その空性に気づき、諸々の想いを手放し、遂には彼の岸へと到達するのである。