私は未だに女性は苦手である。苦手と言っても、ホモであると言うことではない。私が育った地方は「男女七才にして席を同じゅぅするなかれ」を地でいっていた所で、小学校に入ってから中学校を卒業するまではほとんど女の子と話をすることがなかった。全くしないわけではないが必要な会話以外はしなかった。話をすれば友達から冷やかされ、いじめの対象となった。今振り返って見ると、温泉町という環境の所為でマセていたのかも知れないと思う。でも小学校入学前にはそんなことはなかった。
保育所へ通っていた時、近所に同年の女の子がいた。何時も一緒に保育所へ通っていた。帰ってからも二人で遊ぶことが多かった。私はその子は可愛い子(美人)と思っていたが、あまり成績が良い方でなかったせいか人気のランクは下の方だった。
ある日の午後、家の近くの林の中でしゃがみ込んで話をしていた。私が「したい遊びがあるんだ」というと、彼女は「何なの?」と聞いてきた。「○○?」「△△?」といろいろな遊びを挙げてきた。私がしたいと思っていたことも挙げてきたが、恥ずかしくてそうだと言えず「ままごと」と答えてしまった。
数年前、十数年振りに郷里を訪れ一人で町中を歩いてみた。あの時の場所はこの辺だったかなと、その日の思い出がよみがえってきた。当時は広い町と思っていたが、こんなに小さな町でこんなに狭い道だったのかと驚いた。小さな子供には大きな町だったのだろう。
小学校へ上がってからはほとんど話すこともなく遊ぶこともなく彼女のことは忘れてしまった。目立たない彼女は噂に上ることもなかった。今頃は誰かの奥さんとなり、子供も産み孫もいるのであろう。
