華煉爛漫ブロスアームズ  第九輪-紅蓮- | ストラトキャスターのオタりごと

ストラトキャスターのオタりごと

ひとりごと?ふたりごと?いいえ、こちらは僕がアニメ・ゲーム・漫画・フィギュアなどなどをポロポロと語るブログです!

どうして……!なんで気付けなかった……!と
謎の女性の出現にヒドラージャは戸惑った。
が、ヒドラージャは冷静で居て、
援護に割って入ろうと飛びかかる。
「ヒドラージャ!新たなブロスパルス……
またアンノウンだ!」
司令より通信が入ったがこちらよりも
一歩遅れていて、全く意味のない情報だった。
しかし、自分自身も気づかなかったので
司令を責める気はない。
「がぁっ……あっ……くぅ……」
フジはガードしていたモノの、
予想外の相手からの強烈な一撃で吹き飛ばされて
球場の観客席を転がっていく。
「「あなた……!くっ……!」」
ブロスアームに守られているとはいえ、
転がる姿は痛々しい。

新手は振りぬいた大剣で、
ヒドラージャが投げたホルスターを突き刺した。
フェリライズの横取が目当てだったのだろうか。
華姫にとってフェリライズは戦わず
手に入れられるならば喜んで手に入れたいものである。
とくにチームを組んでいない者にとっては
個人でニュートリションを
撃破しなくてはならないからである。
「…………。」
もの言わぬずホルスターが刺さった
大剣の切っ先を見つめたまま彼女は
左手をヒドラージャに向けた。
「「……!やばっ……!」」
攻撃を受けたら回避することが難しい空中で、
相手の攻撃の意思を感じてしまったのだ。

「……墜ちよ。」
敵はそうつぶやくと向けた左手から、
ゴッ……と黒い波動を放った。
渦巻いた黒い波動はまるで黒薔薇の花弁の嵐で
妖しくも可憐であった。
漆黒のブロスアームを纏った新手は
銀色に輝く大剣を下に向け、スルリ……とホルスターを下ろすと
左手の波動照射を続けたままの片手で体の前に構えた。
外野席の中央段から最下段まで転がり落ちた
フジがゆっくりと起き上がってきた。
「挨拶なしで飛び入り参加は失礼デスね……!
やられたらやり返すしかないじゃないデスか……!」
フジは両太ももに装備していた拳銃に手をかけた。
この二丁の拳銃もブロスアームより生成されており、
弾数に制限はなく、リロードは不要なのである。
「折角できた仲間が……助けに来てくれた仲間を……
やらせるわけにはいかないんデス……!」
両手の拳銃を水平にし、体の前で交差するように
フジは構えた。
来るがいい……。漆黒の乙女がそう呟くと同時に
乾いた音が連続して響いた。

2発の弾は飛んだ。1発は脳天をめがけて。
もう一発は体の中心、心臓めがけて。
しかしながらどうだろう。
銃弾を放ったフジは元いた場所から離れた位置に居る。
漆黒の乙女はどうだろう。
先ほどと同じ位置に居て、
左手は波動を照射し続けている。
右手は------
右手の大剣は振りおろされていて……
先刻までフジが居た場所まで
観客席が捲りあがっている。
「一振りで……剣圧だけで銃弾をそらし……
破壊したんデスか……!」
相手の挙動の数が増える度に力量差を感じ、フジは冷や汗をかき始めた。
一人では勝てない。そう体が警告しているように思えた。
助けに飛び込んできたヒドラージャは
謎の波動照射を受けている。無事なのだろうか。
自分が受けた吹き飛ばされた一撃と、
先の一閃で、並々ならぬ破壊力があることは把握している。
「それでも……」
まだ、表の世界で言葉を交わしたわけではないけれども。
初めて共闘できた相手。初めての仲間。
まだ、すべてを知って、すべてを許し合った中では無いけれども。
「まだ……」
なにも出来ていない。なにも話が出来ていない。
だから……

「「やられるわけにはいかないんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」
ボッッッ!!!!!!
炎を纏った拳を振りぬいた、
ヒドラージャが姿を現した。
「「コード:FF0000(エフツーオーフォー) 
ルージュフォーム!!!」」