韓ドラ「100日の郎君様」ムヨン&世子嬪の妄想小説~タンポポの咲く場所で~ | susemi韓流ストリート

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沼に不時着した社畜の韓ドライフ。

※韓国ドラマ「100日の朗君様」の最終回後の設定です。
※最終回のネタバレ含みます。
※捏造過去シーン、R18っぽい表現あり。
※画像お借りしてます。

完全に妄想小説(しかも超長い…)ですが、それでも良い方のみどうぞ~下矢印下矢印




「ソクハ!そこからは走らないで…!!」
「あ、はい母様…!」
さっきまで子供らしく無邪気に前方を走っていた少年は、母親の声に瞬時に反応し、くるりと振り返った。
その4歳の少年らしからぬ穏やかな表情に、母・ソヘには「彼」が重なって見える。
「なぜ走ってはいけないか、聞かないの?」
ソヘは、言いつけに対しいつも以上に素直な息子・ソクハに質問した。
「…はい。」
「なぜ?」
ソヘはまた質問を重ねる。
しかしソクハは顔を渋るだけで答えなかった。
(思いを中々口にしない所もそっくりね…。いや、母親の自分がそうさせてしまってるだけか…。)


その整った顔に不似合いな辛そうな表情は、かつて自分が幼かった頃、何度も見たことがあった。
「…母様が怖い?」
「いえ。」
ソクハは即答した。
「では何?」
「……驚きませんか?」
「ええ。」
4歳にしては流暢な敬語が、よりソヘに「彼」の聡明さを思い起こさせる。
ソヘは静かに目を細め、息子の小さな声に耳を傾けた。
「私は、昨日母様に、この野原に行きたいと頼みました…。」
「…そうだったわね。」
いつも小さな小屋のような家から出られず、随分窮屈な思いをさせていると感じていたため、拓けた野原は危険と承知で、ソヘはここに来ることにした。
「そして昨晩、私は夢を見たんです。」
「夢?」
「はい。満月の下に…黒い服の男が現れて、母様の言葉を守るなら行ってもよいと。」    
「黒い…服……。」
「はい。私は何だかその男が怖くて…。それで、母様の言いつけは絶対だなと思い出したのです。」
「怖い……そう…。」



「絶対見つける。」


風に乗って、「彼」の優しい声が聞こえた気がした。
(“怖い”なんて、「彼」に一番遠い印象なのに…。)
ソヘは、息子・ソクハに父親について話したことは一度もない。
世間的にはソクハの父親は、反逆者の嫡男で、謀反の罪で死んだ左議政の元刺客…。

まだ幼い息子に伝えるには酷過ぎて、ソヘの胸中に留めたままだった。
(知って、もしこの子が王様に要らぬ気持ちを持ってしまっても危険だし…。)
何より、父親について話すということは、ソヘの愚かさを語るのと同義である。
真実を話せば、純真無垢な息子に侮蔑の目で見られるかもしれない。かつて自分が父・チャオンを蔑んでいたように…。
ソヘはそれが怖かった。
(あの頃と変わらず、私は自分のことばかり…か。)

「母様?」
ソヘは息子を見つめたまま、時が止まってしまっていたらしい。ソクハの声で我に返る。
「っごめんなさい、何でもないわ。さぁ帰りましょうソクハ。」
「えっどうしてですか?こんなにもタンポポが咲いていて綺麗なのに…。」
そう言われてソヘは、ソクハの後ろに広がる一面の黄色いタンポポをゆっくり眺めた。「彼」と昔来た時と、何ら変わらない綺麗な景色だ。
この花の中に、「彼」は居てくれてるのだろうか…。

「母様は、ここから走ってタンポポを踏むなと、だからさっき私を止めたのでしょう?」
「ええ…まぁ。気づいていたの…。」
「はい。だから走ってはいけない理由も聞き返しませんでした。」
「そう…。」
ソヘは息子の勘の良さに圧倒される。
「せっかくなら、もう少し見ていきたいです。」
ソクハはしゃがんで足元のタンポポを穏やかに見つめた。その横顔すらも、ソヘには懐かしい。
「見ていきましょう、母様…。」
それは、小さな息子が珍しく口にした我儘だった。
(私なんて、何度我儘を口にしたかわからないのに…。)

ソヘは、自分の我儘をいつも優しく受け入れてくれた「彼」がまた脳裏に浮かぶ。
(「彼」は、全然怖くない…。怖いのは…いつも……優しい「彼」を失うことだった…。)
そんな「彼」が残した息子にだけは、「彼」を誤解してほしくない。息子の誤解は、ソヘの中で「彼」を失うのと同じことだ。
ソヘは拳を握りしめ、ソクハを恐る恐る呼ぶ。
「…ソクハ、聞いて。夢の男性は、怖くないの…。貴方と私を守ろうとしてくれたのよ。私達は、誰に恨まれていてもおかしくない立場だから…。」
「え?」
(そう、「彼」は最初から……いつだって守ろうとしてくれていた…。ただ優しい人…。)

ソヘは意を決し、「彼」ことソクハの実父・ムヨンについて話すことにした。
口外しないことと、世間を恨まないということを絶対の約束に。
少しでも「彼」が優しい人だと伝わるように、言葉を選んで…。
「あのね……貴方の名前はね…。」











ソヘがソクハことムヨンに初めて会ったのは、世子嬪に選ばれる前のことだった。
父・チャオンが左議政に出世する直前の、嵐のような…あの夜。
ムヨンは突如として屋敷に現れ、刀をソヘの首に突きつけた。
ソヘはいわゆる人質にされたのだ。

けれどソヘは「殺される」とまでは思わなかった。自分には「守ってくれる父親が要るのだから。」と。
ところが、その肝心の父親は、
「大義のためなら仕方ない。」
と、娘の命をいとも簡単に切り捨てた。
父にとって、ソヘは何の価値もなかったらしい。

けれどムヨンだけは…会ったこともないムヨンだけは、決してソヘを見捨てなかった。
できたけど、しなかった。
人質にしていたソヘをドンッと突き放し、涙を流しながら幼い妹の命を…土下座をしてまで憎き父に懇願していた。
自分の命と引き換えに。

ソヘは、命をかけてまで大事にされる妹があまりにも自分とは正反対すぎて、その光景を呆然と眺めるしかできなかった…。
(なんて恵まれた子なんだろう…。私は、いつでも父に捨てられる恐怖と闘わなければいけないのに…。)



その翌日、ソヘの父は左議政に出世し、ムヨンは左議政の刺客となった。




ムヨンはいつも静かだった。
他の家来達と修練に励む時も、束の間の休憩時間に読書をする時も、年頃の少年には似つかわしくなく、静かだった。
ソヘは父親からムヨンと無闇に話をするなと言われていたので自室から眺めるぐらいしかできなかったが、満月の夜に少し寂しそうに空を見上げる以外は、彼はただただ静かで「無」の少年に見えた。
勿論、同じ屋敷にいるのに、話しかけられたことは一度もない。
(仮にも私に刃を向けておきながら、謝りもしないなんて…。)
だからだろうか。
ソヘはだんだんとムヨンに腹を立てるようになった。
数ヵ月経っても状況は変わらず、とうとう我慢ならなくなる。だからソヘは一人誰もいない庭に立ち、苛立ちを消化すべくゲシゲシと雑草の上で地団駄を踏んだ。
高官の娘としてはあるまじき行為だが、それぐらいムヨンが話しかけてこないことがなぜか腹立たしかった。
すると…
「あ。」
と、後ろから声がした。
人目は避けていたはずなのにと驚き、ソヘは勢いよく振り返った。
するとそこには、ソヘを苛立たせていた張本人、黒服に身を包んだムヨンが立っていた。
「な、何?ムヨン…」
(初めて名前を呼んだわ…。)
ソヘが取り繕わねばとドギマギしていると、ムヨンは特に気にも留めずに会話を続けた。
「あ、いえ、タンポポが…」
「タンポポ?」
「はい、足元に…」
指を指され、ソヘは足元を見る。すると黄色の花が小さく咲いていた。
(まだ蕾に近いわね…)
ムヨンに声をかけて貰っていなければ、この可愛い花を地団駄で踏み潰してしまうところだった。
「あ、ありがとう。」
淑女として恥ずかしい行為を見られたことに加えてお礼を言うのも恥ずかしく、ソヘはプイッと顔を横にしてムヨンに伝える。
「いえ…。」
ムヨンはそう短く答えるだけだった。
けれどまだ何か言いたそうだった。
ソヘは気になって質問する。
「な、何?」
ムヨンは一瞬躊躇ったが会話を続けた。
「…あの夜は、巻き込んでしまってすみませんでした。辛い思いをさせました…。」
「………っ!」
ソヘの顔が一気に朱に染まる。
父親にすら大事にされていない自分。しかもそれを話したこともない相手にまで知られている。ソヘは心底自分が孤独に思えた。
何よりソヘは羞恥心で死にそうだった。よっぽどムヨンの方が辛い思いをしているはずなのに、ホントに謝罪ができるなんて…。それも、世界で一番嫌いな人間の娘相手に…。
(なのに、私は謝って欲しいだなんて…なぜそんなふうに思ってしまったのか……。)
ムヨンと比べると自分がどれほど小さい人間かは歴然で、恥ずかしくて仕方ない。

「き、気にしてないわ。よくあることよ。」
ソヘは少しでも価値のある人間だと、ムヨンに見せつけたくなり嘘をついた。
「…よくあるんですか?」
「え、ええ。」
(今さら嘘だなんて言えないわね…。)
「…そうですか。」
沈黙が重い。
しばらく思案した後、やっとムヨンが口を開いた。
「……それは、大変でしたね。怖かったでしょう。」
「えっ…」
見え透いた嘘なのに、ムヨンはどうやら信じているようだ。さらに穏やかに微笑み、まるで大切なものに語りかけるように言葉を発した。
「では、今後は私が守ります。」
「えっ!」
その言葉に、今度は全身が熱くなる。
(ムヨンの笑った顔なんて初めて見たわ…。)
ソヘはムヨンの微笑んだ顔を見つめるだけで、自分の身体が自分のものでなくなるような気がした。
(け、けどムヨンはただ従者として言っただけ…そうよ。そうそう。)
そう心に何度も言い聞かせながら、バクバク鳴る心臓を押さえるのにソヘは必死だ。

そうしている間にムヨンはペコッと軽く礼をし、その場を去っていった。
「あっ…。」
少年には似つかわしくない淋しげな後ろ姿が遠退く。
ソヘはその光景からなぜか目が離せなかった。
(父親ですら、守ってはくれないのに……「守る」って言ってくれた…。)
穏やかなムヨンの微笑みと「守る」という言葉を、ソヘは何度も心の中で反芻した。
そうすると、少しだけ自分が大切なものに思えて嬉しかった。



だがそれから数ヶ月もしないうちに、ソヘは自分が父の駒でしかないと痛感した。
「世子嬪に選定された。入内までに、しっかり準備をせよ。」
「………はい。」
ソヘに、肯定以外の選択肢などない。従わなければ、捨てられるだけだからだ。
鈍器で殴られたように頭が痛む。
(ムヨンはもうこの知らせを聞いたのかしら…。)
なぜかただそれだけがソヘは気になった。

気になって屋敷中を探したが、「ムヨンは任務で出ている。」と兄から教えられただけだった。
ムヨンは刺客になってから、いつも何も言わずに任務に出掛ける。
(言えないぐらい、辛い仕事だから…?)
家族を無くしても卑劣な父に従うムヨン。その懸命さが、ソヘの胸を締め付ける。
(ムヨンですら父に従順に生きているのに、この家の娘に生まれた私が勤めを果たさないわけにはいかない…。)

そう思い、ソヘは兄に頼んで世子様を拝見できるよう王宮に連れていって貰った。
(勤めは果たす。けど、結納前に一度ぐらいは顔を見なければ、嫁ぐ決心がつかない…。)
臆病な兄は、びくびくしながら「い、一瞬だけだぞ!」と王族の居住空間に案内してくれた。
そこには露台のような場所があり、一人の少年と高級そうな服を着た男性が立っていた。
(世子様と王様…?ではあの男の子が私の嫁ぐ相手…?)
そう思っていると、世子様と思わしき少年が大きな声で泣き叫んだ。
「左議政の娘なんて嫌です!!」

目にはいっぱいの涙。
ソヘは、歓迎はされなくとも、勤めを果たす旨を伝えれば嫌われはしないと思っていた。
(甘かった……。)
ソヘの父親は、どこまでいっても嫌われ者らしい。
そしてまたその娘も…。

足元から崩れ落ちたかったが、ソヘの耳に優しい声が響いた。
「今後は私が守ります。」

(ムヨン……。)
その言葉を思い出し、ソヘは何とか倒れ込まずにすみ、忍び込んだこともバレずにすんだ。




その日の晩、ムヨンは血だらけで帰ってきた。
実際には、そう叫ぶ使用人の声を聞いただけで、まだソヘはムヨンを見ていない。
(ち、血だらけ……?)
ソヘは落ち込む気持ちなど一瞬で消え去り、ムヨンのことで頭がいっぱいになる。
(命に別状はないって聞こえたじゃない。大丈夫、大丈夫…。)
そう思うのに、手足がガタガタと震える。
幸い父親の帰りが遅いようなので、ソヘはムヨンの部屋に見舞いの品を自分で届けることにした。


「ムヨン?は、入るわよ?」
返事はなく、そっと襖を開けると、既に手当てを終えたムヨンが静かに布団で寝入っていた。
顔以外、ほぼ全身に包帯が巻かれている。
「なぜこんなになってまで…。」
ペタンと座り込み、ムヨンの唯一無傷で綺麗な顔に手を伸ばす。すると、手首をガッと掴まれた。
「あっ…」
「御存知でしょう?妹のためです。」
ムヨンは上半身を起こし、ソヘに目線を合わせた。
「そう…だったわね…。」
ソヘにはそれしか言うことができなかった。
けれど掴まれた手首が熱い。
「あの…」
「ああ、すみません…」
そう言って手を離したムヨンはフイッと横を向いた。心なしか、耳も赤い。
(これって、もしかして照れてるのかしら…。)
なぜかそう期待を抱いた瞬間、現実を突きつけられた。
「世子様とのご婚約、おめでとうございます。」
「…っ!知ってたの?」
「はい。旦那様から一番に報告を受け、屋敷にいる際は守るように言われましたので…。」
「守る…?」
「はい。世子嬪になる前に何かあってはいけないと。」
そう静かに答えるムヨンに、嘘偽りは無さそうだった。おかげで、ソヘは気づきたくもない事実に気づいてしまった。

ムヨンは刺客になってから満月の夜以外、ずっと静かで「無」だった。なのに、あのタンポポを踏みそうになった日は、「無」であるはずのムヨンから話しかけてきた。
つまりそれは…。
「『守る』と言ってくれて嬉しかったけど…あの言葉は父の命令だったのね…。」
「………はい。」
ムヨンはゆっくりと返事をした。
「そう…。」
ソヘは短く、さも気にしてないように答えたが、目からは勝手に涙が出てきた。
「うっ…。」
小さく声も漏れる。
こんな姿は、主人失格だろう。だがソヘには止められなかった。なぜ涙が出るのか、理由すらわからない。
そんなソヘをじっと見つめていたムヨンは、手を伸ばしかけたが、すぐに引っ込めた。
(ムヨン…?)
その代わりに優しく声をかけてきた。
「…王宮内は、華やかなようで、危険な場だとも言います。辛ければ、いつでも言って下さい。」
ソヘは「それも命令だから?」と聞きたかったが、やめた。ただの愚問でしかない。
「……わかったわ。その代わり、お守りをあげる。ムヨンが死んだら伝えられないものね。」
フッと笑って涙を拭い、ソヘは赤い腕輪をムヨンの腕に結んでつけた。その腕輪はソヘがお見舞いに急いで編んだものだった。
「…何かあれば、手紙を送っても…いえいいわ。」
ソヘは言いかけたことを後悔した。世子嬪と手紙を送り合うなど、危険すぎる。ムヨンが承知するはずがない。
だがムヨンは、
「…わかりました。返事をします。」
とすぐに快諾した。
ソヘは驚いてムヨンを見つめる。
「いいの?これは命令ではないのよ?」
「はい、王宮内はきっと心細いでしょう。」
「それは…そうでしょうけど…。」
「私には、それぐらいしかできません。」
世子嬪とのやり取りは、謀反同然。それを承諾してくれた。これも、ムヨンの優しさなのだろうか…。
「あ、ありがとう…。」
ソヘは戸惑いながらも、初めてムヨンに微笑んだ。
(ムヨンがいてくれる…。)
そう思うだけで王宮に行く勇気が湧き、嬉しさに酔いしれることができた。
だからムヨンの目が見開いたままなことも、ソヘは気づくはずもなかった。


そうして踏み出せた宮廷内は、予想以上に窮屈な場所だった。
冷徹な父・チャオンの思うがままに動く浅はかな王、常に不快感を露にする世子様。そして世子嬪を面白いぐらい露骨に嫌う王妃様。
けれど、ムヨンが味方でいてくれる。そう思うからこそ、ソヘは世子嬪として息ができた。
何とか彼と手紙をやり取りできるよう、官女にお金を渡し、取り計らって貰う。

「腕輪はちゃんとつけてる?」
「貴女と思い、肌身離さずつけてます。最近夜風が寒くなってきました。お身体、大切に。」

「貴女と思い…か。」
たったそれだけの文でも、ソヘはなぜか嬉しくてたまらず、何度も読み返した。
(ムヨンの文章って、聡明さと優しさが見える…。父のせいで家門が没落していなければ、立派な仕官になっていたでしょうね…。)
ソヘは、彼にどうすることもできない自分が嫌で仕方なかった。だからと言ってムヨンとの手紙のやり取りがなくなれば、自分は空っぽになってしまう。
そう思い、危険なのは百も承知で、手紙のやり取りを数年以上続けた。
そして、極たまに実家に帰るふりをして、会う。
優しいムヨンは、それに全て付き合ってくれた。

落ち合う場所は様々だった。
時には実家だったり、王宮から少し離れた綺麗な野原だったり…。
その短い時間が、ソヘには唯一の安らぎだった。
また、会う度にムヨンは背が高く逞しくなり、ソヘはその度になぜかドキドキした。
けれどムヨンは、出会った時以上に年々悲しげな瞳をするようになった。
「なぜそんなに悲しそうなの…?」
そう聞きたくても、ソヘはもう無邪気に聞ける年齢ではなくなっていた。
聞けば、この大切な時間は消えてしまう。それだけはわかっていた。



悲しげな瞳を持つ青年になったのは、ムヨンだけではなかった。
世子様もまたいつも悲壮感が漂い、世子嬪であるソヘを嫌い続けていた。
おかげでと言うべきか、入内して数年以上経った今も、世子様とソヘに身体の関係は一切ない。
(私は女に見えないのかもしれないわね…。)
そもそも情の心すら互いにないのに、床入れは俄然無茶な話なのだ。
それでも王や大臣、そして父に子をせがまれる日々。
(まるで宮廷は牢獄だわ…。)

けれどソヘは床入れがないことに、少しホッともしていた。
自分を嫌っている世子様の前に居るより、優しい手紙をくれるムヨンの前に立てる時の方が、何倍も嬉しかった。
(私は、世子嬪なのにね…。)
おかしな感情に、口角だけが上がる。
(こんな感情、気づきたくなかった……。)
細い指で、そっとムヨンの手紙を撫でる。
出会ってからずっと気づかないフリをしてきたソヘだったが、さすがにこれ以上気づかずにいる方が難しい。

父ですら切り捨てた命を見捨てなかったムヨン。
その憎き父の命令通り、守ってくれると約束してくれたムヨン。
宮中での自分を心配し、手紙のやり取りに応じてくれたムヨン。
危険を省みず会ってくれ、その度に優しく語りかけてくれるムヨン。
逞しくなる一方で、悲しげな瞳を浮かべるムヨン。
それでも、いつも肌身離さず赤い腕輪を身に付けてくれているムヨン…。
(抱き締められるなら、世子様でなく、ムヨンがいい…。ううん、私がムヨンを抱き締めたい…。)



そう、ソヘはムヨンが好きだった。


(多分、あの初めて会った夜から、ずっと…。)
だから話しかけられないことにソヘは苛立った。
命令で「守る」と言われただけだと知り、悲しくて涙も出た。
(なぜ気づかなかったのか……。)
鈍感な幼い自分には呆れてしまう。
しかし、気づけば色々腑に落ちる。
ムヨンが妹のために刺客でいるのも辛かったし、それを止められない自分がもっと嫌だったのも、納得だ。
(けど、ムヨンが父の刺客でなくなったら、二度と会えなくなる…。)
誰も頼れる人間がいないソヘにとって、ムヨンは唯一の人なのだ。
「会いたい…。」
窓をそっと開けて空を見ると、もう数日で満月になりそうな月が浮かんでいた。
(そういえば満月の夜は、ムヨンは淋しげな顔をしていたわね…。満月の夜だけは会えないと手紙にも書いていたし…。)
会えない淋しさを紛らわすべくムヨンとのやり取りを思い出していると、父が急に部屋に入ってきた。

「どうした?そんな所で何をしている?」  
「い、いえ…。空気を吸おうと。それより、どうされましたか?」
ソヘは慌ててることを悟られないよう、そっと自分の席へ座り直す。
父も目の前に腰を下ろした。眉間にはいつも以上に皺が寄っている。
「いいか、用件は1つだ。いい加減に世子様のお心を掴め。」
いつも言われる言葉だが、なぜだか今日は一段と恐怖を感じる。
「世子様にはまだ告げられてはいないが、側室の案が出始めた。」
「そ、側室…。」
「そうだ。そうなったらお前の立場は一変する。だから急げ。」
(一変するのは、貴方の立場では?)
そう言いたかったが、ソヘは言葉を飲み込んだ。
言葉を飲み込むのは、いつの間にかソヘの特技になってしまった。

(子供…か。天地がひっくり返ったところで世子様にはお子は望めない…。望みたいとすら思っていない…。けれどこのままの状態でやり過ごせば、父がまたどんな手を打つのか、考えるだけで恐ろしい…。)
もしかしたら、ムヨンに側室を殺すよう命じるかもしれない。なんなら生まれた子供を殺させるかもしれない。
タンポポすら踏まないでほしいと願っていたムヨンに…。
(駄目…それだけは駄目…!)
ソヘは、ある決心をし、ムヨンに手紙を書いた。
「満月の夜、丘にある水車小屋で会いましょう。」




世子嬪が夜に抜け出すのは並大抵のことではないが、ムヨンに会うためならソヘはお金に糸目をつけなかった。
(自分のためになら動けるところ、まるで誰かさんみたい…。)
軽蔑している父にそっくりな自分には呆れるが、そんな気持ちもムヨンに会えば消えることをソヘは知っていた。
目的地に着くと、数人の家来には朝方に迎えにくるよう伝える。
「世子嬪様、さすがに危なく思います…。」
付き人にそう言われたが、ソヘにはピンとこない台詞だった。
(ムヨンの側が、私にとって一番安全なのに…。)
「大丈夫。それに私は逃げないわ。」
(逃げたら、きっとムヨンが父に殺される…。)
帰る旨を告げると、従者達は静かにその場を去っていった。
それからソヘはゆっくりと扉を開いた。
水車小屋の中は暗く、ムヨンは闇に溶け込んでいた。
「ムヨン?」
「なぜこんな所に呼び出した?」
「ここは人目がないと女官たちの噂で聞いたの…。一度来てみたかったのよ。」
「…こういう水車小屋で、何をするかも聞いたのか?」
「ええ。」
「…っ!」
ムヨンはソヘの目的を理解したのか、話を反らす。
「満月の夜は会えないと前々から…」
「でも来てくれたわ。」
「………。」
ムヨンは気まずそうに視線を下げた。そしてしばしの沈黙の後、言葉をゆっくり紡いだ。
「……あと何件か仕事が終わったら、妹を迎えに行きます。そう旦那様と約束した。」
「えっ…」
ソヘにとって、その約束は初耳だった。
世子嬪と内密で交流するなんて、謀反行為。それを何年も続けてくれたのだから、少しは自分もムヨンにとって大事な存在になっているとソヘは思っていた。
(けど、また私が甘かったわ…。所詮私はムヨンの妹には勝てないのに……。)
きっと満月の夜は、命より大事な妹のための日なのだろう。
そう思うと、昔一方的にムヨンに腹を立てていた時以上の、押さえきれない苛立ちが込み上げてきた。

ソヘは苛立ちのまま、ムヨンの腕を思いっきり引っ張り、自分の全体重を背中にかけ、干し草の上に寝転がった。
ムヨンは咄嗟のことだったにも関わらず、ソヘの頭の下に右手を入れ、また掴まれた左手と両膝で自分の全体重を支えていた。
つまり馬乗り状態だが、ソヘに体重はかかっていない。
(こんな時まで優しくするなんて…。)
「す、すみません。」
ムヨンはすぐさま退こうとするが、ソヘはムヨンの腕をギュッと握りそれを阻止した。
(私は生娘だけど、それを知ったらきっとムヨンは何もしてくれない…。)
バクバクする心臓に気づかれないように、落ち着いて声を出すよう心がける。
「ねぇムヨン。…私は、女に見えない?」
「な…」
ムヨンの動きが止まる。
「妹の代わりに…守ろうとしてくれてただけ?」
これが、ソヘにできる最大限の告白だった。たったこれだけ伝えるだけで、涙が出そうになる。
「……妹のように思おうと、何度も思った。けど、綺麗になっていく貴女を、妹とは思えない。」
「えっ…?」
「世子嬪様とも、思えない。思いたくない…。」
そう告げるムヨンの瞳にも涙が光って見えた。
(ムヨンの方が、よっぽど綺麗……。)
「今夜だけは、世子嬪と思わなくていい。許すわ… ムヨン…。」
「……っ」
そう言うと、ムヨンの体重がソヘに優しく乗り掛かってくる。
ソヘはムヨンの広い背中を抱きながら、傷みと幸せを噛み締め、自分が「女」であることを実感していた。

けどムヨンは今宵のことを、恐らく「我儘な世子嬪の戯れ」と思っている。
(だから“愛している”も言えないし、言われてもいない。けど、今晩だけはムヨンとずっと居られる…。)

干し草の上には、月夜の淡い光と互いの涙が重なった。






それからは、幸せと恐怖が交差し、押し潰されそうな日々だった。
特に子供ができたとわかった時は、心底嬉しく、それと同時に心底怖かった。
バレたら、ムヨンも子供も殺される。

だから聡い世子様に感づかれないように、少しずつ薬を盛った。
(世子様ごめんなさい…。でも、貴方も私をずっと無視して殺していたでしょう?)
そう自分に言い聞かせて。
けれど全て失敗に終わり、ムヨンは結局世子様を殺す任務に回されてしまった。

それでも父・チャオンには、子供の父親が誰かわからないようにした。
(ムヨンだけは殺されないように…。)
そう思い、無関係な家臣を一人殺めた。
人が死んでも、父は
「よくやった。」
と笑い、ソヘも同じように口角を上げた。
(私は結局、侮蔑していた父・チャオンと何ら変わらない汚い心の持ち主だった…。でもいい。ムヨンの命を守れるなら、私がいくらでも罪を犯すわ…。)
ソヘはムヨンが生きているだけで、ただそれだけで良かった。

けどそんなソヘに対し、ムヨンは赤い腕輪を返し、妹と去ると告げてきた。
世子様の暗殺任務を最後に、ムヨンは父から解放されたらしい。
お腹の子の父親がムヨンだと知らないとは言え、ソヘは苛立ちを隠せなかった。
「いいわね、自由で…。」
思わずそんな言葉が出てしまう。
(なぜ去っていくの…。私にはムヨンしかいないのに…。人まで殺めたのに…。)
だから、ソヘは家臣に頼み、ムヨンの腕を打つよう命じた。命中箇所が外れたのは驚いたし怖かったが、命に別状はないと知り安堵した。
(治療が長引けば妹との逃亡はなくなるかもしれない…。なくならなくても、せめて、あと少しだけ…。子供が生まれるまでは一緒にいたい…。)



憐れだった。
そんなことをして、ムヨンが「子供の父親」と「ソヘの本当の気持ち」に気づかないはずがないのに。
卑劣な父・チャオンが、勘づかないはずがないのに…。





結果、優しいムヨンは「父親である責任感」から妹よりもソヘを選び、駆け落ちに応じてくれた。
そして無惨にも、道中で卑劣な父・チャオンに殺されてしまったのだ。
最後まで、ソヘを守りながら…。





ソヘはあの最後のムヨンを忘れたことはない。
泣き叫ぶソヘを心配し、花や風になってでも会いにくると、血を流しながら約束してくれた…優しいムヨン。
数年経った今でも、目に自然に涙が溜まる。
「母様?」
怪訝に思った息子に声をかけられ、ソヘは急いで涙を拭って答えた。
「ごめんなさい。どこまで話したかしら?」
「叔母さんとの生活を諦めて、駆け落ち?したところまでです。」
「そう。つまり父様は…」
「本当に、母様がお好きだったんですね。」
「え?」
「違うんですか?私はそう思いましたけど…」
「そう…だったのかしら…。」
ムヨンは優しいから、子供に対する責任感から逃げてくれたとソヘは思っていた。それでもソヘには充分だった。
(子供は、私の我儘に付き合ってくれてできただけなのだから…。)
けどソクハは真逆の答えを示す。
「はい、大好きだったはずです。だから私の夢にも出てきくれたんだと思います。」
ムヨンにそっくりな顔で、ソクハは目を細めて微笑んだ。
恐らく、祖父・チャオンの残忍さ、母・ソヘの罪深さ、父・ムヨンが犯した罪の数々をよく理解していないせいもあるだろう。
けどそのソクハの表情は、まだ手紙のやり取りをしていた頃、タンポポが咲く野原で会った時のムヨンの表情にそっくりだった。
何かを慈しむような…、大切な何かを見つけたような…そんな顔…。
(ムヨンは、あの時から少しは想ってくれていた…?)



そう喜びかけた時、ふと後ろから声をかけられた。
「キム・ソヘさんですか?」
ソクハと一緒に振り返ると、そこにはソヘと同年代の女性が一人立っていた。
目はくりっとしていて、その意思の強そうな瞳は自分のような汚さとは無縁に思える。
「突然すみません。私はイソ…。ソクハの妹です。今日ここにお二人がお越しになると伺い、一度お会いしようと来ました。」
「ソクハの…!?では貴女が…」
(ムヨンにとって命より大事な妹で、現王妃様……。)
ソヘの背中に冷や汗が流れる。
「私の妹…?」
幼いソクハは混乱していたが、王妃様と思わしき女性は膝を折り、ソクハの頭を優しく撫でて微笑んだ。
「いいえ、貴方の父上の妹なの。」
「そ、そうでしたか。叔母様、はじめまして。」
ソクハはペコリと礼をする。
「ふふ、はじめまして。後で貴方とも話したいけれど、少し、お母様とお話してもいい?」
「はい。では私はタンポポを摘んできます。」
唖然としていたソヘは、“摘む”という言葉に慌てて条件を加える。
「し、白いのを1本だけよ…!」
そうソヘが言うと、ソクハはコクンと頷いて駆けていった。辺りは黄色いタンポポだらけなので、しばらく時間はかかるだろう。
そう安堵し、ソへは恐る恐る王妃様に口を開いた。
「あの、王妃様が一体…どのようなご用件で…。」
(とてもいい用事とは思えない…。)
彼女はムヨンの妹と言えど、今やソヘとは絶対的な身分の差がある。なのに彼女は敬語を欠かさず、微笑んだ。
「ごめんなさい。驚かせてしまって…。会うべきかずっと悩んでいたけれど…やはり、兄の大切な人を見てみたくって…。」
「大切…?」
「…もしかして、自覚してないんですか?」
「いえ…。大事に思ってくれていたのは知っています。けど、それは妹…王妃様を思う気持ちには敵いませんでした。私との駆け落ちも、責任感からで…」
「んなわけないでしょう!!」
とても王妃が発するとは思えないボリュームで、王妃様は叫んだ。
「あ…あの…」
ソヘは驚いて瞬きを繰り返す。
「ふう…すみません。つい昔の癖が…。」
「い、いえ…。」
(昔…?)
王妃様は一度大きく咳払いをし、話を続けた。
「正直に申し上げますと、私はソヘさんを恨んでいました。兄を早く解放してくれていれば、今ごろ兄は生きていただろうにって…。」
「……っ」
その通りすぎて、ソヘには返す言葉が見つからない。
「けど、兄がそれをさせなかった…いえ、解放してほしくなかったのだと、最近気づいたんです。」
「え?」
「兄は昔から、強く聡かった。生き別れた当時ならともかく、成長してからなら逃げようと思えば、いつだって私を迎えに来て逃げられたはずです。けどそれをしなかった…。」
「……?」
ソヘには、王妃様の意図が掴めない。それを知ってか知らずか、王妃様は言葉を続ける。
「なぜしなかったか…。そんなの答えは1つです。兄は、貴女に恋をしていて、そばに少しでもいたかった。守っていたかったんだと思います。大事な妹と生きる以上に…。」
「恋…。」
「失礼しました。もうこれは立派な愛ですね。」
そう言って、王妃様は子供のように無邪気に笑った。その笑顔は、どこかムヨンとも似ている。
(自分よりも相手を優先する、優しい笑顔…。)
胸が詰まり、ソヘの頬には一筋の涙が伝う。
「そう…だったのでしょうか…。私はずっと世子嬪で…ムヨンには何も返せず…優しくしてもらってばかりで…。」
「あ~…貴女も結構なお馬鹿さんですね。」
「ば、馬鹿?」
思わず目が点になって聞き返すソヘを、王妃様はニヤニヤと笑った。彼女は本当に王妃なのだろうか。
「ふふ。兄は私と別れる際に言ってました。貴女は兄にとって、“世子嬪”ではなく、ただの“キム・ソヘ”という女性だと。」
「え?」
「妹の私も自分の初恋に随分一途だったなと…自分でも感心してますが、兄もどうしようもないくらい一途ですよね。でも仕方ないんです。だって、私たちは、血を分けた兄妹ですから…!」
そう言ってまた王妃様が笑った瞬間、タンポポの綿毛が風に乗って二人の間を通り抜けた。

「あら!」
王妃様の声の先にはソクハが立っていて、綿毛を吹いた後だった。
「綿毛の犯人は貴方ね!」
そう言って、王妃様は元気にソクハを追いかける。
「待ちなさい!すばしっこいところもそっくりね!」
ソクハもまた嬉しそうに逃げる。
「ま、待ちません…っ!」
二人共、足元のタンポポを踏まないように気遣いながら…。
(あの孤独な王様が、なぜ彼女を愛したのかわかる気がする…。明るくて優しい、まるで太陽のような方…。あの方が王妃様なら、この国は安泰ね…。)
ソヘは捨てたかった地位ではあるが、その後を引き受けてくれたのが他でもないムヨンの妹で良かったと心から思った。

そして息子と王妃様が兄弟のように追いかけ合う姿を眩しく見つめながら、ソヘは一人空に語りかける。
(…王妃様の仰ることが本当なら、貴方はいつから私を想ってくれてた?私のように出会った瞬間…はないとして、初めて話をした時?)
空はただ穏やかで、小さなタンポポの綿毛が頬を掠めただけだった。


(私がそっちに行った時に、ちゃんと教えてくれなかったら許さない。あと、白い髪の私も、しっかり愛しなさい。)
肯定するかの如く、今度は優しい風が吹いた。





…大丈夫。
タンポポの花言葉は、“別離”と…そして“真実の愛”なのだから…。





…いかがでしたでしょうか?
いやぁ~長かったですね(笑)

長すぎて、途中で「誰が読むねん」と何度筆を置こうと思ったか…笑い泣き
けどずっとムヨンと世子嬪の二人でモヤモヤするのも嫌なので、思いきって書きたいこと全部書ききりました…!
時間設定、解釈違いなど多々あるとは思いますが、そこは広~い心の目で楽しんで頂けたら幸いですウインク



自分の中で、ムヨンは最初の出会いの瞬間に「世子嬪の孤独」を一番理解できた人だと思ってます。
(チャオンの冷酷さを痛感してますしね)

恐らく、きっかけは同情でしょう…。
でも、“薄幸の中に秘める少女らしさ”に惹かれていったのではないでしょうか。
そしてあの美しさ!
守ってあげたくなる、世子嬪はムヨンにとってそんな女性だったように思います。
そして世子嬪を想う時間だけが、唯一“年相応の青年”でいられたのでしょう…。


妹のことも大事に想っていたとは思いますが、郎君様が妹を想う気持ちを知っていたので託せたのではとも思ってます。
だからこそ、世子嬪には自分しかいないと痛感したというか。
ああ切ねぇぇぇ笑い泣き
(けどそこも好きハート)

そして下世話な話ですが、水車小屋のくだりがドラマで出てきた時に自分はこれは暗喩に違いないと思ったため、場所は違うけど水車小屋で致してもらいましたぶちゅーハート
ただど~してもムヨンきっかけってのは腑に落ちなくて、世子嬪側が誘った形にしてます(笑)
かつ限定公開にはしたくなく、エロくならないように書こうと頑張りましたが、何書いてもこの二人は卑猥になるから随分簡素に留めました。無念…(え。)
ムヨンは色んな任務こなしてるから童●ではなかったと思いますしね!いや童●の方がより切なさ加わるか…?(やめい)



ドラマでの結末は悲しかったけれど、タンポポの花言葉を調べて何とか前を向くラストにすることができました。
花言葉通りなら、二人は現世では別れてしまったけども、きっと「想いは続いていく」はず。
自分はそう解釈しました。

ムヨンに愛されたと思えたソヘも、きっと息子・ソクハを優しい人に育てきってくれるはず。
そう信じてます。
(あと息子はめっちゃイケメンに育つと思います!キラキラ)
何となく、郎君様(王様)やホンシムの計らいで、ソクハは武将としていつか宮中で働けるようになるか、それか村のお助け屋として活躍してる気がします。
何にせよ、明るい未来だといいですねほっこり


では長々とお付き合い本当にありがとうございました…!
それではまた次回バレエ