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富士川英郎と萩原朔太郎
日曜日。
週末も仕事してたから、今日は、ゆったり気分で、居間で読書してました。
最近凝っている、富士川英郎の『萩原朔太郎雑志』小澤書店
大正6年に、喘息の治療のために鎌倉で養生していた日夏耿之介が、
やはり鎌倉に訪れていた萩原朔太郎と初めて会ったエピソード。
それ以来、ふたりは無二の「親友」になる。
そして翌年に朔太郎の最初の詩集『月に吠える』が刊行。
その翌年には、耿之介の最初の詩集『轉身の頌』が刊行。
ふたりは互いの最初の詩集についての「書評」を書き合う…。朔太郎は耿之介の詩集について、こんなふうに述べています。これ自体が「詩」ですね。
「そこに見る、ひとつの重たい魔法の書物を。
ああ錬金術、中世紀の古びた僧院。日時計。夢枕。…魔法に用ゐるところの諸道具。蛇の舌。蛙の神経。コホロギの眸。狼の心臓…」
ちなみに富士川氏も、日夏の詩集で一番好きなのは『轉身の頌』で、それ以降の、
いわゆる「ゴシック・ロマンス調」のはいただけない、という評価なのも面白い。
僕としては第二詩集『黒衣聖母』のほうが好きなんですが…。
「しかし笛の音はない夜の事」とか…。じつは最近書いた、ある論文のエピグラフに使った(笑)
それにしても日夏耿之介と萩原朔太郎が、こんな親密な関係だったとは、不勉強で知りませんでした。さらに室生犀星がふたりの親密さんに「嫉妬」したとかの話も面白いですね。
こうした「大正期耽美派」の文学空間のなかに折口信夫もいたと思うと、さらに面白くなりますね。折口は日夏とも、室生犀星とも繋がりがあったみたいなので。
という感じで、近代文学がらみの読書もどこかで「折口信夫」とかわってくるのでした。
写真は、夕方の散歩。天神さんの梅と夕陽。
そして今日は、ひなまつり、でした。ということで自家製のちらしずし。
散歩のついでに買ってきた、ひなまつりふうショートケーキ(笑)