渡辺啓助。渡辺温。 | 斎藤英喜の 「ぶらぶら日記」

渡辺啓助。渡辺温。

さっきの続き。

渡辺啓助は、何年か前、夏に下鴨神社でやっている古本祭りで買った、

『聖悪魔』国書刊行会

で知った作家。たぶん乱歩が何かで紹介していたのでは。

 

17-5   

 

このなかの「悪魔の指」がお気に入り。

実際にフランクフルトとか行ったことはない作者なのに、

なんかとてもエキゾチックな味がある短編でした。

 

さして弟の渡辺温。編集者として谷崎潤一郎の原稿依頼に行った帰りに

交通事故で27歳で亡くなってしまう。彼の唯一(たぶん)の全集、

『アンドロギュノスの裔(ちすじ)』創元推理文庫

 

17-6

 

これも同じタイトルの短編が、「異国」の雰囲気を味あわせてくれる一篇。

 

弟は夭折し、お兄さんは100歳の長寿を得る、というのも、なんとも物語のようです。

ということで、久しぶりに趣味的文学の話題。