当尾(とうの)の石仏に会いに行く | 道祖神の招きにあひて

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八ヶ岳山麓の山小舎(ヒュッテ)をベースにした、百名山登山、スキー、自転車・鉄道・巡礼の旅、秘湯、自然観察、DIYなどの趣味のブログです。

南山城の古寺(岩船寺、浄瑠璃寺)巡礼をした日(4月25日)

 

当尾(とうの)の石仏たちにも会ってきました。

 

・・・以下、木津川市観光協会作成の『当尾の石仏パンフレット』より抜粋・・・

 【木津川市加茂町東南部の当尾(とうの)地区は古来より南都仏教の影響を色濃く受け、南都の僧侶が修行に打ち込むため、都から少し離れたこの地で暮らしたと伝えられています。やがて僧侶の過ごした庵が寺院へと姿を変え、塔頭(三重塔や十三重石塔、五重塔など)が多く建ち並ぶ尾根に由来し「塔尾」(とうの)になったと言われています。

岩船寺や浄瑠璃寺周辺には寺院や修行場が点在し、多くの磨崖仏が建立されました。これらは道を行き交う人々を優しく見つめてくれる道しるべとしての石仏達です。石仏は当尾の里一体にわたっており、散策コースの道中で旬の野菜が並ぶ「吊り店」など、四季折々の美しい山村の風景が楽しめます。以上】


この日、岩船寺を拝観した後、緩やかに下る「石仏群の山道」へと分け入って行きます。


まず、暗い林の中に佇んでいらっしゃったのは・・・

①一願不動(不動明王立像、1287年作)

岩船寺奥の院の修行場の大岩に彫られた童顔ギョロ目の愛嬌があるお不動さん


続いて、浄瑠璃寺へ向かう旧道の途中、見上げるような所に彫られた三体の可愛らしいお地蔵さん

②三体地蔵磨崖仏(鎌倉末期)



さらに旧道を進み、陽当たりの良い場所にあったのが・・・

③わらい仏(岩船阿弥陀三尊磨崖仏、1299年作)

当尾の代表的な石仏の一つですね


蓮台を持つ観音菩薩と合掌する勢至菩薩を従えた阿弥陀仏

上部の屋根石が廟となっているので、風蝕の影響が少なく保存状態が良好のようです。


優しく微笑んでいらっしゃる⁈


わらい仏の傍らで、土の中に半分埋もれているのが・・・

④ねむり仏 (写真が分かり難くてすみません(^^))

比較的近年見つかった仏さまらしく、そのため長年眠ったままだったから「ねむり仏」と呼ばれているらしい⁈


旧道の分岐


⑤カラスの壺二尊(阿弥陀地蔵磨崖仏、1343年作)


一つの岩に阿弥陀如来坐像と、面を変えて地蔵菩薩立像が彫られています。


向かって左面の地蔵菩薩立像


向かって右面の阿弥陀仏


阿弥陀仏の横の線彫灯籠は火袋を彫り込み、そこへは燈明が供えられます。


持っていた燈明をお供えしました

勿論、帰る際には火を消して蝋燭も持ち帰りましたからね(^^)


その後、石仏の道は


竹林の中を進み・・・


明るい農道に出て来ました


浄瑠璃寺が近づいてきました


広い車道との合流地点にあるのが


⑥あたご灯籠(江戸時代作)


コミュニティバス通りの脇、林の中には・・・


⑦藪の中の三尊磨崖仏(1262年作)

籔の中の岩に舟形の光背を彫りくぼめ、正面に地蔵と十一面観音、向かって左に阿弥陀仏を配する非常に珍しい配置の石仏です。

当尾の石仏中最古の「1262年彫刻」とあります。


正面の地蔵菩薩と十一面観音


向かって左側の阿弥陀仏


岩船寺から浄瑠璃寺まで、およそ1時間あまりの古道ですが、石仏を探しながら訪ね歩いていくと、時間が経つのもつい忘れちゃいます。


京都に来てから3週間余り、寺社巡りをしていて、終日インバウンドの姿を見なかったのはこの日が初めて(^^)


古寺巡礼と13世紀の石仏たち


奈良と京都、二つの都を結ぶこの地域では千年を超える時の中で、人々の信仰の対象として祈り継がれてきた聖地の息遣い、そして豊かな自然の中に佇む古刹と石仏群。


この地域独特の文化を背景に、今も静かな祈りが積み重ねられているようです。


南無大師遍照金剛♪


合掌🙏