近頃、京都での取材などがあり・・・・
下準備として日本の平安時代の歴史などを調べながら
ある人物のことがとても気になっていた。
もともと世界史を選択、日本史とは疎遠な感じだったが、
クリスチャンになってから、日本でのキリスト教の歴史を辿るうち、
日本史がよく見えるようになり、興味深いものになった。
更に、
ロック音楽好きなせいか、型破りな人物に惹かれてしまう。
歴史の中で、重要な役割を果たしたと考えられる人物は、
多かれ少なかれ、新し物好き(好奇心旺盛)で、奇人とか変人とか
言われる部分を持っている。
それから、高貴な立場であっても、文芸などを通じて庶民と交流して
いる場合も多い。
不思議と共通点が多いのだ。
先日、ピートさんと一緒に
あるミュージシャンの方のライブにお邪魔した。
二回目の鑑賞となるライブで、
京都取材で下調べしたある人物が・・・・ステージ上に見えた。
あっっ・・・・後白河法皇だっ
・・・・時代も人種も何もかも違うのに、それは確かな感覚で・・・・
とても嬉しくなってしまった。
ステージのバックが、月の画像だったせいもあるかもしれないが
全てを超越して、人間の歴史上の「ある崇高な足跡」が、
その方に集約されて見えた。
月をバックに弾き語るのは、ロン・サール氏。(別名:バンブルフット)
元ガンズ・アンド・ローゼズのギタリストとして知られ、
卓越した技術と、高速・変態プレイが特徴。
変態プレイ・・・・というのは、たぶん型破りでとんでもない組み合わせの
ものを、超絶技巧によって表現されていることだと思うが、
素人である自分には、ただただとてつもなく超人的で楽しい音楽としか
言いようがない。
そして、何よりも感じるのが・・・・
ミュージシャンとしての全てを、出し惜しみすることなくさらけ出し、
観衆とファンを、心から愛してくれるということだ。
前回もそうだったが、
ライブ後、会場から追い出されるまで、ファン一人一人と会話したり
写真を撮ったり・・・・
全く疲れた顔ひとつ見せずに、ずっとニコニコと楽しそうに接してくれる。
今回も・・・・
ピートさんがプレゼントした「べっこうのど飴」を、その場で食べて・・・・
秘密のファンレターを、その場で読み・・・・
その後は、ぎゅ~っとハグ。
しかも、保護者の駿河堂にまで歩み寄ってくれて
何度も握手してくださった 。
超絶技巧の音楽を奏でるその手は、とっても温かだった・・・・。
さて、
何で後白河法皇?・・・・ということだが、
平安末期の第77代天皇と、バンブルフット氏が重なるのは・・・・
後白河法皇が親王時代、今様(当時の古典に対し、自由な表現をする
民謡、流行歌)を愛好し、熱心に研究し、庶民と一緒になって遊んで
いた。「今様狂い」と言われたらしい。
しきたりや偏見にとらわれず目新しいものを好んだ。
また、遊びだけにとどめず、今様を「梁塵秘抄」として集成し、
文化的貢献もしている。
ロックで言えば、ロックの枠をも気にしない自由な音楽表現を愛好
した(変人)、というところだろうか。
平安時代の宮中での後白河法皇は、とっても型破り(ロック)な
方だったと考えられる。
どんな時代も、新しいものが出現することで、古典も際立ち、
文化として進化し、また受け継がれてもいくものだと思う。
そして・・・・
その時代時代に、それを率先する才能豊かな人が存在する。
その才能豊かな人を慕う人々が存在する。
楽しみを共有する人々の集まりには、親交が生まれ・・・・
うう・・・・
そういうハッピーなつながりを思うだけで・・・・幸せじゃ・・・
どんな時代も、どんな国にも、今の自分にも・・・。