スタート前のワンショット
写真提供 オール斉スポーツ
不安を抱えながら、号砲を迎えた北海道マラソン。
一斉に大通り公園からススキノになだれ込みます。
ここからは札幌駅方向に向かい、再び小樽方向へ舵を切るわけですが、
不安なことがありました。
昨日の板さんが、言っていた応援ポイントです。
舞い上がって忘れちゃいました。
ロッテリアだったか、モスバーガーだったか分からなくなったのです。
（笑）
まあ、ええか。
スタート直後の、一斉に押し出されるトコロテンの一部になり切ることにしました。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(;￣◇￣)┘
遠征生活も三年めに入るとTwitterでも多くのラン友も出来、
各地のレースにお邪魔しても声をかけて下さる方も増えてきました。
大抵、互いの健闘を誓い合いながら握手するのですが
横に居合わせた知らん人からしたら、
このおっさん、もしかして有名人？？
そんな顔して見られてることもしばしばで、
豆鉄砲くらったハトみたいな顔を見るのも楽しみであったりします。
大納言さん、とか、殿！とかであれば、周りに対しても聞こえは良いのですが
中にはアカウント名である悪徳商人さん、であったり
殿様キャラを勝手にハイブリッドして、悪代官と呼ぶ人もいます。
いきなり「悪徳商人！」とか「悪徳さん」と呼ばれると周りが引くので、
これからは、「大納言さん」あるいは「殿 ！」でお願いします。（笑）
実は悪徳商人ってのは、亡き父のメアドなんです。
商売してた洒落っ気の強かった父は、自身のメアドを悪徳商人にしてました。
それを使ってるだけですので、
私は悪徳ではありません。
善良な営業マンであることを、ここに申し添えておきます。
レースは創成トンネルを潜り、札幌駅を回り込み、いよいよ10㎞に差し掛かる頃、
何人かのラン友が抜かして行きます。
みんな頑張ってるなぁ。
今日の目標は、足切りに遭わずに生還すること。
ただそれだけでした。
ジリジリと真夏の太陽が照りつけます。
給水所では、もれなく水は飲みましたし、アタマからかけました。
めっちゃ冷たい水でしたので、心臓麻痺起こすんちゃうか、いうほどです。
（笑）
沿道にも多くの方々が応援に出てくれてます。
高校の前では、ブラスバンド。
車椅子に乗ったバアちゃんず。
北海道だけあって、カウベルをガランゴロン鳴らして応援してくれてます。
あまりに可愛いので、一つ買っちゃいました。
1個500円。可愛いでしょ？
ここからアシがつかないことを祈るのみです。
特に私はブラスバンドでの応援が好きなんです。
腹の底から、ビンビン響く大音響でチカラが出てきます。
またその歌詞が好きな曲だったりするとアガりますね。
グッときて涙を流すこともしばしばです。
今回もちょうど前を通ったタイミングで演奏が始まりました。
まるでオレのために演奏してくれたみたいなタイミング。
感動して少し立ち止まって歌って行きたい気分でしたが
ペース上げて走り去りました。
ええ感じで走ってましたが、そこにいきなり飛び出してきたのが
大きなウチワ！
よくアイドルの写真が貼ってあるヤツ。
ウチにもありますよ。嵐の。
でもさすが北海道、誰だと思います？
さぶちゃん！
まぁつりだ～まつりだ～
なーんてね。
笑わせてもらいました。
あとは北海道らしい応援と言えば、
応援を！
カニ！
この立て看板。
カニ？？
しばらく何のことか分かりませんでした。
少し走って、閃いたのです！
応援を！
チカラに！
これも一人で笑っちゃいましたね。
はたから見てたらブツブツ言うたり、
急に笑い出したり…
危ないおっさんです。
北大の横を通り、いよいよ最難関と言われる新川通に差し掛かります。
まったく単調な道が延々続きます。
オレはというと、そんなことお構いなしにポッケから
飴ちゃん出して、飢えをしのぎます。
飴ちゃん、ってのは大阪のおばちゃん風ですね。
大阪のおばちゃんのカバンには必ず入ってるんですよ。
飴ちゃん。
そんでもって、ちゃん付けなんですよね。
関西特有なんでしょうか、食べ物にちゃんとか、さんとか付けるの。
亡くなった祖父は、油揚げのことを「お揚げさん」って言ってましたね。
豆腐やガンモドキは、呼び捨てでしたが。（笑）
この新川通では先頭ランナーとすれ違うんです。
頑張れよ～！
ファイトっ！
後続の我々が声をかけます。
先頭ランナーにしてみりゃ、
お前らの方が頑張れよ、
ってなことなんでしょうが、脇目もふらずにシャーーッと走り去ります。
何個めの飴ちゃんを食べてた時だったか、
いきなり20㎞ポイントに給食ステーションが出てきました。
得てして、飴ちゃん頬張った直後に。
（笑）
それもバナナ一本、まるごと！
（笑）
親切におじさんが皮剥いてくれてましたよ。
普通、給食って一口で食えたりするじゃないですか。
まるごと一本のバナナをホグホグ言いながら食いました。
最初は飴ちゃんと口の中でうまく選別しながらでしたが
んぐっ！
飲んじゃいました。（笑）
あの飴ちゃんはどうなるんでしょうか…。
給水のたびに、水を飲み、水をアタマからかぶり冷やしながらの行軍です。
脚には縦横に真っ赤な勝負テーピング。
20㎞過ぎて、比較的ペースも乱れず順調に推移してます。
中間地点でのタイムは、1°52'59"。
マラソンは30㎞過ぎるとガクンと落ちるので単純に二倍は出来ませんが
このまま行ければ、3°50'前後です。
いかんいかん。
そんな大それた夢を持っちゃいかん。
そうして潰れて行くのです。
今日は、このペースを守れるだけ守って走るだけ。
トントントントン…。
いいリズムです。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(;￣◇￣)┘
森林公園を折り返して30㎞ポイントに差し掛かった頃、
ゴロゴロ…。
はるか彼方の札幌市街方面は真っ暗です。
来た～っ！
♪───Ｏ（≧∇≦）Ｏ────♪
潮目か変わりました。
雨です！待望の雨が降ってきました。
ポツポツくらいでしたから、大したクールダウンにはなりません。
ぬか喜びでした。（笑）
ペースは依然、5分台をリズムよく刻んでいます。
この頃から、コース上には歩き出す人が目立ち始めます。
Aブロックのエリートランナーも時々歩いてます。
シメシメ。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(;￣◇￣)┘
前にオレを抜かして行ったCブロックのランナーもダウンしてます。
成敗成敗。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(;￣◇￣)┘
沿道の多くの方々がくれる声援が、エネルギーを与えてくれます。
ナスビ～！頑張れ！
ナスビ～！
何でオレのことをみんなナスビナスビって言うんだろ。。
振り返ったら、ホントにナスビがいました。
全身ナスビ！（笑）
みんなが、ナスビナスビ言われると負けてられなくなる性分ですので
ナスビだけには負けたくない。
俄然パワー出てきました。
この頃になると、距離表示が
あと○㎞に変わります。
5㎞
4㎞
3㎞…。
北大のキャンパスでナスビを成敗し、ゴールを目指します。
そして迎えた40㎞ポイント。
あと2㎞です。
そこで、嵐のハピネスがブラスバンド演奏…
走り出せ～走り出せ～
明日を迎えに行こぉ～
泣いちゃいました。
もう汗だか涙だか分かりません。
脚は比較的元気です。
このペースで行けば、4°切りは確実。
全国で応援してくれたり、励ましてくれた仲間のことを思い出しながら
ぐしゃぐしゃになりながら走ってました。
もちろん、
走り出せ～走り出せ～
歌いながら。
ゴールの赤煉瓦の道庁が見えてきました。
ゴールか！と思いきや、みんなぐるっと回って敷地を出て行きます。
えーーーっ！
ここゴールちゃうの？？
再びの大通り公園。
はるか彼方にゴールポストが見えます。
今川義元見つけたり！！
覚悟～っ！
まるで桶狭間の戦いです。
一直線に最後のチカラを振り絞ってダッシュです！
ただ一直線に。
ブルーのセンサーを跨いだ瞬間、思わずガッツポーズ！
走れた！
初めてフルマラソン走りきれた。
今日は一度も歩きませんでした。
それが何よりも嬉しかったのです。
おまけにタイムは
自己ベストの4°00'01"を5分上回る3°55'45"
嬉しかった。
まさか今日切れると思ってなかったので、ホント嬉しかった。
念願のメダルも首に掛けてもらい、ずっしりとした重みにまた泣けてきました。
途中で水を飲み過ぎたせいでしょうか、今日は涙腺も汗かきです。
預けた荷物を受け取り、用意されたテントでへたり込みながらお着替え。
なかば剥がれ掛けた赤の勝負テーピングを剥がすと…
めっちゃ焼けてる！
脚がシマウマみたいにシマシマになってる！
家に帰って、風呂上りウロウロ出来ないくらい。
ヤバい…。（笑）
ラン友のゴールを待ち、札幌駅から空港へ移動を開始です。
お互い腹もペコペコで、口数も少なめ。
晩メシはジンギスカンにすることにしました。
空港のジンギスカン。
美味しかった～。
ガッツリ肉食いました！
かくしてオレの復帰戦となった北海道マラソンは幕を閉じたのでした。
ずいぶんと長い故障生活でしたが、多くの仲間に支えられ、
励まされながらの二ヶ月でした。
この場を借りてお礼を言います。
みんなありがと！
引き続き応援をよろしくお願いします。
これからも大納言の挑戦は続く。
追伸
今回のレースは嫁さんには内緒ですので、
記録証は会社のクルマで一時避難しております。
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