背負う覚悟に己が間違い | にゅ~スロ庫@ファイブ.jp

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 かなり昔から更新が止まった状況だったのを今一度、掘り起こし。
8割は出来上がっていたが、色々と思う所が多くて大変な感じ。時間が経てば経つほど敷居が上がってしまうんですが・・・。

今更何の話かと言えば『当て屋の椿』の感想ですね。物語のあらすじを書きながら考察に近い話の感想、基本的には読んで欲しい作品と言う願望は変わらず。そもそも読まずに共感できる様には書く気はないけど。まあ、とりあえずできる所までで。
以下、感想。

第13巻の感想、ネタバレと言うよりは今回の話は当て屋の椿の『流人の島編』の感想、つまり椿の過去の事件の話のまとめてお話をする。つまり単行本で言うと『当て屋の椿』の第13巻と第14巻中盤までのあらすじと感想です。

『椿の過去』の話に入る前に以前書いた感想の第12巻の続き。結構前だけど、一様テーマでまとめてあるので、この記事の一個前の記事の続きですね。
絵師の屋敷での一件で役人に捕まる鳳仙と椿。理由は不明だが、下手人では無いと判断されて釈放される鳳仙。あの一件以来、口を閉ざしたままの椿はまだ牢の中だという。火事で焼け焦げた絵師の屋敷に向かい「糸葱(あさつき)」の行方を確かめる鳳仙。話によると秋海一門に縁のある医家に行ったと言われ糸葱の行方がわからなくなる。医家繋がりと言うことで「竜胆」が何か知るかもしれないと思う鳳仙は、竜胆の長屋を訪れる。しかし、そこにあったのは封され閉ざされた店だった。近隣の住民も行方がわからず、竜胆と日輪はどこかへ消えていってしまった。
竜胆達が消えた疑問を椿に問いに牢へ行くと椿は既に牢から出て長屋へ戻っていた。
長屋の面々は鳳仙の過去を知りながらも様々な反応をする中で、椿は呑気に酒に飲んだっくれており、竜胆の行方不明を告げても「問題なし」と鳳仙には何も告げない。
怒る鳳仙は椿の縁のあると思われる古い寺の和尚、梧桐(あおぎり)に会い椿の過去を語らせるのだった。

以上が第12巻の後半のお話。
椿の過去を知る為に鳳仙が梧桐に口を割らせるやりとりがあるのだが数ページにやりとりが物凄く濃いんですよね。椿を知る梧桐と言う人物が鳳仙と言う人物の性格を知る面白い場面だと思うわけで。
色々と長くなったが第13巻の話になるが、先に大筋を話すと椿の生まれた流刑島での出来事。
とりあえず、出てくる主要なキャラについて。
「椿」:元吉原遊女の流人でのちの『当て屋の椿』の母。吉原で事件を起こして流刑島に島流しになりその後に生む。椿の名前は後々育ての親となるセリが彼女(現在の椿)着ていた着物に書かれていた名前を見て彼女をそう呼び始めた。
「セリ」:椿の母が荒屋共に燃やされて行き場を失った椿を家族として向かい入れた青年。スペイン(多分だと言う)からの船に乗っていたが船が難破して島に流れ着いて流刑島に住む異国人の青年。
「棕櫚(シュロ)」:セリと共に異国船に乗っていて一緒に流刑島に流れ着いた異国人の子供。物語の影で動いている人物の幼少の頃。
「ハル」:セリ、棕櫚と共に住む子供。椿よりも年上で棕櫚よりは幼い感じ。幼い頃に崖から捨てられてセリ達に拾われた。見た目は男女見分けがつきにくいが、女の子。左目に髪がかかっていて見えにくいが、左目は常に目を瞑っている模様。
「槐(えんじゅ)」:セリに恋する島の女で島にいる山巫女の神託を通訳する役割のある審神者(さにわ)。
「榊」:槐と同じ審神者。
「山巫女」:衣服を身に付けずほぼ頭は丸坊主の女の子。言葉を話す事もせず盲目なのか常に目を瞑っている様で目を開けた時に神託を語る模様。
「楢(なら)」:御代官手代として島にやってきた人物。先代の御代官手代である兄者を殺したを探しだす。

人物では無いが重要な用語。
「カムチカラ」:毎年同じ日に海から神が降り立つと言う。その神は鉄の下駄を履き、赤い衣を纏って恐ろしい形相をしている。島では神を見る事は禁忌とされ、その日は島中で供え物を用意して島中の民が忌み籠もりする。
「鬼子」:流島で公儀に禁じられた流人の子供の事を指す。

人物の説明でわかる通り「椿」は流刑島に来て生まれた。吉原の遊女だった母は素行が悪く他の女に嫉妬する程。そんなある時、島の女の嫉妬を買い毒蛇に咬まれ、母屋ごと燃やされ殺される。残った椿は行き倒れで死にそうな所をセリに助けられて、セリ一家の仲間入りする。

先代の御代官手代が殺された事で、新しくやってきた手代の楢は、先代の下手人探しを始める。山巫女の宣託から鬼子の可能性が高いとなり、前任者からの引き継ぎがない事を理由に自前に手下を使い鬼狩りと称して島中の鬼子を殺し始める。

ハルは椿の着物を買いに村に行っていた。村ではカムチカラの準備が行われていた。鬼狩り中の楢と手下達がハルを襲うが、助けに来た棕櫚が犠牲になりながらもハルは逃げる。また、家にいるセリと椿にも楢の手下に襲われるが傷を追いながらも追い払う事に成功する。そんな時にセリと椿は鬼子として夫と息子を殺された女に遭遇。狂気に駆られ復讐をしようとする女にセリは踏み止まる事を促す。靴の下駄を履き、血で染まった赤い着物を纏ったセリの姿は、鬼子を殺された家族にはカムチカラにそっくりだった。

セリは自分が救われたこの島の為にカムチカラとして事を起こす事を決意する。その一方、椿は鬼子として殺された女の正体が実は自分の母を殺しを企てた女であった事を思い出し、この島からセリと逃げようと考える。一方捕まった棕櫚は瀕死の状態であり槐の手助けで逃げる希望を出す。ハルは家の惨状と棕櫚の言葉から自身の過去を思い出すのであった。

以上が第13巻のあらすじ。このまま第14巻の前半までの結末までお話をする。

手代殺しとして自ら犠牲になる事を決意したセリは楢の手下衆に捕まる。棕櫚も捕らえられた事を知り、さらに自らが知らない事実を知る。それでも自らが先代の手代殺しを行ったとして殺してもらう事を懇願するセリ。楢はセリは謀りを行なっており希少な異人として殺す事をする気は無かった。
偽りの情報で下手人探しをやり直そうとした瞬間、楢の顔面に銃弾が突き抜け血吹雪が飛ぶ。更に楢の手下衆も何者かの銃撃を受けて次々と死んでいく。姿を表したのは島の名主だった。楢一行を一網打尽にする為にセリを囮にしていたのだった。
そして島の名主はセリに「カムチカラ」の真実を語る。

カムチカラ(神税)とは、この島で古くから行われていた異国との密貿易であった。セリが乗っていた時の売り物が槐ら島の女だった事を知ったセリは船を破壊してしまった。それ以降、島は異国との密貿易は途絶えてしまった。

名主は楢ら役人や村人殺しをセリに押し付けて本島で極刑で殺す事にする。そんな死に方を望まないセリは、自らが愛した島の民の為なら、民が救われるならと思っていた。余計な口を出さぬ様に名主はセリの口を塞ごうとしたその時、頭を撃ち抜かれる名主。

名主の頭を撃ち抜いたには、流人を乗せた船にいた半身火傷の上方訛り男だった。その男は言う、この船は乗っ取られていると。お頭と呼ばれたのは「椿」だった。
名主が殺されても動揺する事なく淡々とセリの処遇を話し合う島民達。そんな民達を切り捨て、セリだけがいれば良いと思う椿。島民達は、今回の流人船は難破した事しようと船に襲いかかる。そんな中、日輪と呼ばれる男に返り討ちにあう。
セリの元に駆け寄る椿。椿が見たセリは涙を流して何かを呟く姿だった。セリは思う「僕が死ねばよかった」と。

セリと椿に近づいて来たのは頭から血を流して傷だらけの棕櫚だった。
セリは棕櫚に問う、「僕はいつから間違っていたんだろう」
その問いに棕櫚は「気が済むまで何度でも言ってやる。お前は間違っていない。誰だって間違ってなんていやしねぇ。そうだろう?」と言った。

以上が一連の椿の過去編。 
あくまで梧桐の知る話であり、真実ではあるが語られていない真実が多々ある。棕櫚一味の親分と思われる半身火傷の上方の医家「赤樫」は梧桐によって島流しにあっているらしいが・・・。偽りはないけど、やはり重要な部分が抜け落ちているんですよね。結局、セリやハルらは今のところ行方不明。椿は何か知っているのかもわからないですからね。

椿の過去編自体、多くの謎を残したまま次の馬喰の屋敷編に移るんですよね。その話は・・・、いつか遠くない未来にでも。