第10位 Attack On Memory/Cloud Nothings
今年の前半はこればっかり聴いていたし、ベスト5に入るのは間違いないと思っていたけど、気が付けばかなり悩んでこの位置に。甘いところもたくさんあるんだけど、自分たちを突き動かす創作エネルギーが荒馬の如く暴走しているっていうのがやっぱりかっこいいし、その結果自分たちのポップネスも隠すことができずに露わになっちゃってる、そういう衒いの無さが好きです。
このバンドは、まず音楽的立ち姿が美しいんです。良い音楽を作る、プレイするっていうことしか考えていないんだろうなと思うんです。そういう愛が、この素朴な歌には充ち満ちているんです。絶対に時代に媚びない、この先ずっと鳴り続けて欲しいロック。
第8位 Sweet heart,sweet light/Spiritualized
「統一性」の枷を外しメロディーに忠実なアレンジを心がけることで、曲の輝度をアップさせることに成功した。前々作、前作あたりでやや頭打ち感が見られたのを見事にブレイクスルーできた作品だと思う。怒濤のサイケを期待した人には、このべたべた感はついていけないでしょうけど。でも、こういうのが自分にとってのソウルなんじゃないかなと最近思うのです。
前作とはまるっきり違う、骨太で濃厚サイケな音空間に、最初はびっくり。しかし、聞き込むと世界がどこまでも広がっていくような、そういう力を持った曲だけが並んでいることがわかる。聞き手の想像力を喚起する音楽という意味では、前作と共通するところがある。あとはやっぱり、メロディーの美しさですね。アルバムの生々しい質感を生んでいるのは、このメロディーだと思います。