Fowntains Of Wayne 約4年ぶり、通算5作目のアルバム。自分が彼らの存在を知ったのは2ndの「Utopia Parkway」。これは間違いなく、ギターポップの名盤。当時は彼らの音楽が嫌いな人は「心が石でできているに違いない」なんていうコピーもあった。どこまでも清冽な、パワーポップが実に心地よいアルバムであった。その後なぜがグラミーで最優秀新人賞(?)を取るなど、順調なのか何なのかというような感じではあるが、質の高いポップアルバムを作り続けてきた。
なにせ、アダム・シュレシンジャーとクリス・コリングウッドという鉄壁のソングライター陣がいるというのが心強い。アダム・シュレシンジャーというと最近ではTinted Windowsで知られているかもしれないが、個人的には断然IVY。どのアルバムも本当に素晴らしい。女性ヴォーカルものをあまり得意としていない自分でも大好き。興味のある方はこちらも、
相変わらず職人的ソングライティングはお見事。あとはそれを鳴らすアイディアなのだが、3rdや4rhあたりは、やや気負いが感じられるようなアレンジもあったが、今作では肩の力が良い具合に抜け、メロディーがふわっと空に広がっていくような、自然体のスタイルが揃っている。
The Summer Place、Someone's Gonna Break Your Heartは両方ともシングルになっているだけあって、キャッチーかつエッジの効いた仕上がり。Cold Comfort Flowersのようなミディアムテンポの曲は過度に叙情的にならないようにあくまでギターを中心に据えたアレンジを施している。
A Road Song、Workingman's Hands、Hate To See You Like Thisの3曲は彼らにしては正統派のロックアレンジ。カントリーテイストも漂わせる素朴な感じが逆に新鮮。今後こういうタイプの曲が増えてくるのも良いなと感じた。で、この3曲が続いた後にくるどキャッチーなRadio Barは、新たなアンセムとなりそうな予感。この後の曲がまた正統派なので、ちょっと浮いてしまってるところもあるが。
どちらにせよ良質のギターポップアルバムであり、彼らの場合その基本線をこれからも貫いていくことだろう。それゆえのこの「打率」の高さには感服するほか無い。
★★★★(5/11/11)