家に帰ると一枚のはがきが。
今は退職してしまったが、元の同僚からのものだった。
その人の友達が原画展を開くのでぜひ、という案内だった。
同じタイミングで今の職場に異動してきたのだが、前任地が自分の初任地と同じだったこともあって
いろいろと話すことも多かった。
一般的には「天然」扱いされていた彼女であったが、それなりに悩みも多く、
時々相談に乗ることもあった。
今はもう結婚しているのだが、その結婚の時もいろいろ悩んでいて
僕自身、その頃は結婚していたので、アドバイスしていたこともあった。
表向きは全く知らない振りをして「結婚退職します」なんて発表されたときには
わざとらしく驚いたものだ。
なかなかおかしな奴なんだけど、
音楽の波長はそこそこ合う人だった。
その後、メールが来た。すごく久しぶりに。
元気に暮らしてはいるようだけど、まぁいろいろあったようだ。
「そりゃあいろいろあるさ」とだけ返信した。いろいろあるに決まってる。
自分の状況も聞かれたが、そこは知らない振りをした。
だって、アドバイスした身なのに、ね。
説得力がまるでなくなるじゃない。
ねぇ。
話は変わって
先週買っていたくるりのニューシングル、「奇跡」
これがとてつもなく素晴らしい。
全く余分な力が入っていない。無駄がない。隙もない。
シンプルな言葉で、シンプルな音で、真理だけを伝えてくる。
とてもいい。
いつまでも そのままで 泣いたり 笑ったりできるように
曇りがちな その空を 一面晴れ間に できるように
神様ほんの少しだけ 絵に描いたような幸せを
分けてもらうその日まで どうか涙を溜めておいて
言葉は転がり続け 想いの丈を通り越し
上手く伝わるどころか 掛け違いのボタン 困ったな
あぁいつもの君は 振り向いて笑う
溜め息混じりの 僕を許してね
退屈な毎日も 当然のように過ぎてゆく
気づかないような隙間に咲いた花 来年も会いましょう
さぁここへおいでよ 何もないけれど
どこへでも行けるよ 少し身悶えるくらい
「奇跡」 くるり 作詞:岸田繁
一言一言が、今の自分にしみこんできます。
涙を溜めておけない自分は、いつもじわっとしてしまう。
あの人にも、届けたいよ。教えよう。
これ、映画も観たいなぁ。