ポップ職人 Vol.1 | Surf’s-Up

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音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

元々「職人」という言葉にひかれます。


卓越した技術を身につけ、一切妥協を許さない姿勢。


でもどちらかというと、地味な印象のある言葉かもしれません。


野球だと、「ヒット職人」ってあんまり聴かない。でも「バント職人」って言いますよね。


音楽だと「ロック職人」ってあんまり聴かない。「ポップ職人」ですよね。



例えばBrian Wilsonはあまりポップ職人というのがしっくり来ないんですよね。


どちらかというと「ポップの仙人」みたいな。


「職人」というと、どことなく必死になって生み出すという印象があります。


もちろん才能はあるんだろうけど、造詣の深さや経験から紡ぎ出していく感じですね。



では


「ポップ職人は?」という問いにまず浮かんだのは、この人。


アンディ・パートリッジ




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ご存じ、XTCのフロントマン。と言っても、今やXTCは彼一人だったような。


デビュー時は、パンクやニュー・ウェーヴ色の濃いサウンドを展開。


しかしながら徐々にそのポップセンスは色合いを増し、中後期Beatlesの影響の強いサウンドへとシフトしていく。


<傑作Black Seaより>




個人的には80年代中盤から、90年代初頭にかけてのサウンドが好きです。リアルタイムで聴けたので。「Skylarking」「Oranges&Lemons」は高校生の時めちゃめちゃ聴きました。



ちょいとひねた感じのポップがお得意のアンディでしたが、こういうストレートなものも。



時々変名バンドThe Dukes of Stratosphear というのもやっていました。これが良いんですよ、また。



彼の「職人」的なところは、雑多な音色を巧みに使い分けるところと、その音色に「必然性」を持たせる絶妙のメロディーセンスだと思います。

最近はソロアルバムをリリースしていますが、限定500枚だそうで、しかもあまり曲の形にはなっていないもののようです。盟友コリン・ムールディングとも袂を分かったようだし。

まだまだ秘めた才能を出し切っていないような気がするんですよね。