まだまだ、リリースペースが落ちないMo'some Tonebenderのニューアルバム。アルバムごとにガラリとサウンドスタイルを変える彼ら。今更演歌でもこない限り驚くことはない。前作ではテクノやトランスの要素を色濃く出してきたが、今作では一転してポップできらきらしたサウンドをドロップしている。
ポップなモーサムも僕は嫌いではない。実際当時「J-POP」と揶揄されたアルバム「Rockin Luuula」も僕はわりと好きなアルバムである。しかしながら、今作はそれをはるかに超えるポップさ。シンセや打ち込みを多用し、全体的に軽やかな感じになっている。
そしてまた、三者三様のソングライティングがこのバンドのおもしろいところであるが、今作では驚くくらい三人ともポップを主体においた曲作りをしている。
3人の中ではもっともヘヴィーな、あの武井氏が「流星群」のメロディーを書いているということが驚き。つまり、それくらい3人とも同じ方向を向いている。まとまりというか、迷いのなさ、自信がこのサウンドから伝わってくる。
ただ、ポップなものに対する耐性は結構あると自分では思っているが、収録曲でいくと「アイドンノウ」はかなり苦手。なんかチアガールが出てきそうな、またはTOKIOなんかが歌いそうな感じだもの。そして、前半を構成する曲に、リミッターを完全に振り切るようなテンションが感じられない。
それでも、後半になると「ひまつぶしpt2」「グッモーニン」「虹を架けて」「JOY」といった持ち味を発揮した曲が増えてきて、少し安心する。それでも物足りないのは確か。
3ピースバンドという最小構成が見せるギリギリのテンションって、やっぱりすごいなと思うことがよくある。例えばBlankey Jet City。誰も入り込めない背筋の凍り付くような世界観。そういうものを見せられるバンドって少ないと思う。そして、モーサムはそこへと聴き手を誘ってくれるバンドであることは間違いない。もう一度、頼む!
おすすめ度★★★(10/11/08)
流星群